日本近代短篇小説選 明治篇2 (岩波文庫)

制作 : 紅野 敏郎  紅野 謙介  千葉 俊二  宗像 和重  山田 俊治 
  • 岩波書店
3.50
  • (0)
  • (1)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 37
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003119129

作品紹介・あらすじ

「裏に一本の柘榴の木があって、不安な紅い花を点した」(小川未明「薔薇と巫女」)。何を視、どう伝えるのか-日露戦後の新機運のなか、豊饒な相克が結ぶ物語。明治三八‐四四年に発表された、漱石・荷風・谷崎らの一六篇を収録。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 明治篇1よりも、言文一致の作品が多かったので比較的読みやすかったです。好きだったものの感想をいくつか。

    漱石の「倫敦塔」は、タイトル通りロンドン塔の観光ガイド的要素もあり、アーヴィングの「アルハンブラ物語」あたりに通じるところのある、歴史的建造物を観光しながら過去の光景を幻視するような幻想的な要素もありました。

    谷崎の「秘密」は、いかにも谷崎な隠微さで(刺激のある生活を求めるあまり、女装して徘徊するようになる男の話・笑)、谷崎を読むといつも思いますが、あの時代にこういう作品を書いて受け入れられてるっていうのは凄いですよねえ。

    小川未明なんかは童話作家(ゆえに文章も平易で読みやすい)の印象が強いので、明治生まれの作家だと思っていませんでしたが、初期は普通に小説を書いていたんですね。といっても今回の収録作「薔薇と巫女」は、かなり幻想的な要素があって、のちの童話作品に通じるものがありました。

    志賀直哉「剃刀」は、なんというか、センスが現代的。こういう作品、最近の暗い作家が書いてそう(笑)。

    夏目漱石「倫敦塔」
    寺田寅彦「団栗」
    大塚楠緒子「上下」
    正宗白鳥「塵埃」
    田山花袋「一兵卒」
    徳田秋声「二老婆」
    小栗風葉「世間師」
    島崎藤村「一夜」
    永井荷風「深川の唄」
    中村星湖「村の西郷」
    近松秋江「雪の日」
    志賀直哉「剃刀」
    小川未明「薔薇と巫女」
    水上滝太郎「山の手の子」
    谷崎潤一郎「秘密」
    長田幹彦「澪」

  • 日本近代短篇小説選6冊の中で一番楽しめた。1905年(明治38年)から1912年(明治45年)までの20世紀の明治の短篇小説が100年後の今も楽しめるのは、言文一致運動の成果であろう。大塚楠緒子、小栗風葉、長田幹彦等を初めて読めたのも収穫であった。

  • 徳田秋声の短編が秀逸。

  • 岩波文庫 080/I
    資料ID 2012200552

全4件中 1 - 4件を表示

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
三島 由紀夫
バルガス=リョサ
三浦 しをん
ドストエフスキー
有効な右矢印 無効な右矢印
ツイートする