自選 谷川俊太郎詩集 (岩波文庫)

著者 : 谷川俊太郎
  • 岩波書店 (2013年1月16日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003119211

作品紹介・あらすじ

デビュー以来、半世紀を超えて人々に愛されつづけてきた谷川俊太郎(一九三一‐)の二千数百におよぶ全詩から、作者自身が一七三篇を精選。わらべうたから実験的な長編詩まで、のびやかで、リズム感あふれる言葉がここちよい谷川俊太郎のエッセンス。

自選 谷川俊太郎詩集 (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 谷川俊太郎の詩には、まだ幼いとき母親の声を介してお世話になり、ティーンネイジャーになってひとりで読むことを覚えてからひそかに救われ、同時に思春期のナイーブな叙情に浸っていても仕方がないことも教わり(彼は機械少年だった)、
    しばらく世間の何やらかんやらに塗れて汚れてご無沙汰になっていたが、たまに詩集を開くとモーツァルトの音楽のように澄みわたる透明な世界があった。
    温泉につかって疲れを「取り除く」といったものではない。詩集を開くたび、取り除かれるどころか、何かがプラスされる。目玉の動きが活発になって、次から次に言葉が浮かんでくる。
    そうこうするうちに、信じられないことに自分が子供を持つことになって、今度は自分の声を介して、谷川俊太郎の詩を娘に読み聞かせている・・・
    彼が聖詩人ではなく、職業詩人としての態度を守っていてくれたおかげだ。彼は生活のために詩を書くと言って憚らない。老若男女、あらゆる読者にむかって書く。けれども、一人の人間のうちに、老若男女、いずれもが共存しているらしいぞ、というのがわかってきた。だから、何度彼の詩と出会い直してもなお新鮮なのだと気づいた。
    彼もまた老いながら生きながら詩を書いている。それを私は追いかける。彼もいずれは死ぬ身だけれど、彼の晩年の詩が私にストレートに語りかけてきたとき、そのとき私の死はもう遠くないのかもしれない。
    そのとき、もうこの世にはいない詩人を思って、死者になった詩人はいったいどういう詩をいま書こうとしているのだろう、と夢想する老いた自分が、けっこうありありとイメージできる。

  • 谷川俊太郎さんの詩は読んできたが、実を言うともう一つの感があった。「自選」ということで、期待を込めて手にしたこの本。今回、この本を読んで初めて、谷川さんを「感じ」た。
    30篇ほど気に入ったのがあったが、長いものは避けて、短いものだけをアップ。

    〈詩集から〉

    なんにもいらない ばあさま

    なんにもいらない ばあさまがいた
    いえはいらぬと ちかどうぐらし
    きものはいらぬと ふゆでもはだか
    かねもいらぬと まんびきばかり
    じぶんもいらぬと あっさりしんで
    しぬのもいらぬと またいきかえる



    にじ

    わたしは めをつむる
    なのに あめのおとがする
    わたしは みみをふさぐ
    なのに ばらがにおう

    わたしはいきをとめる
    なのに ときはすぎてゆく
    わたしはじっとうごかない
    なのに ちきゅうはまわってる

    わたしが いなくなっても
    もうひとりのこが あそんでる
    わたしが いなくなっても
    きっとそらににじがたつ



    ごちそうさま

    おとうさんをたべちゃった
    はなのさきっちょ
    こりこりかじって
    めんたまを
    つるってすって
    ほっぺも
    むしゃむしゃたべて
    あしのほねは
    ごりごりかんで
    おとうさんおいしかったよ
    おとうさんあした
    わたしのうんちになるの
    うれしい?




    ひこうき

    ひこうきの つばさ
    ナイフみたいだ
    ごめんね そら
    いたいだろう

    でも がまんして
    おとさないで
    あかちゃんも
    のっているから




    おばあちゃんとひろこ

    しんだらもうどこにもいかない
    いつもひろこのそばにいるよ
    と おばあちゃんがいいました
    しんだらもうこしもいたくないし
    めだっていまよりよくみえる

    やめてよえんぎでもない
    と おかあさんがいいました
    こどもがこわがりますよ
    と おとうさんがいいました
    でもわたしはこわくはありません
    わたしはおばあちゃんがだいすき
    そらやくもやおひさまとおなじくらい
    おばあちゃん てんごくにいかないで
    しんでもこのうちにいて
    ときどきわたしのゆめにでてきて

    おっけーとおばあちゃんはいいました
    そしてわたしとゆびきりしました
    きょうはすごくいいてんき
    とおくにうみがきらきらかがやいて
    わたしはおばあちゃんがだいすき

  • 2017年7月9日に紹介されました!

  • わからない。良さがわからない。一回閉じて、もう一回閉じて、2回開いてちゃんと読んでみるも、わからない。

  • 「どんなおおきなおとも
    しずけさをこわすことはできない
    どんなおおきなおとも
    しずけさのなかでなりひびく」

  • 谷川俊太郎さんの詩は日常の景色を特別な素晴らしいものに変えて、わたしを退屈という監獄から解放してくれました。

  • 図書館本。

  • 初めて、詩集というものを購入した。詩は小学生の時にそこに書かれている真意が読み込めなくて苦手だった。そのイメージが拭えなくて今まで手に取らなかった。前回、マーシャル・ブラウンの本を読んでみて、年を重ねて、文章に対する解釈や感覚が変わっていたことに気づき、読んでみると面白い。そして、何より自由だった。

  • 学校で習った懐かしいものもありつつ、特にシャガールと木の葉がすごく好きだ、と発見した。
    読み手も当時の状況も様々あるから、いつ読んでもきっとひっかかるものがあると思う。

  • 初読。唐突に何となく詩を読みたいと思ったので買った。読むまですっかり忘れてたけど「かっぱ」は昔読んでた。あの響きで思い出した。「空」「色」「にじ」「ポラロイドカメラ」「ケトルドラム奏者」「ひも また」このあたりが個人的にはすき。

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