- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003120019
作品紹介・あらすじ
家と職場、生活と仕事の描写のうちに根源的なものを凝視する力強い詩を書きつづけ、戦後の女性詩をリードした詩人、石垣りん(一九二〇‐二〇〇四)。そのすべての詩業から、手書き原稿としてのみ遺された未発表詩や単行詩集未収録作品をふくむ、一二〇篇を精選した
感想・レビュー・書評
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石垣さんは
14歳で銀行に事務見習として就職し
定年まで家族の生活を一人で支えつづけた
職業婦人。
そういう背景を知ってから読むと
仕事と生活の描写が多い詩に納得がいきます
雄々しく力強かったり 生活に疲れていたり
何度も自分の背負う重荷に
負けそうになりながらも
厳しく 強く 温かい -
私は、まえへ、
あごをあげて、 -
フォロワーさんのお勧めより。とても胸打たれる詩集でした。戦中、戦後を生きた彼女の生々しい肉声が深く刻まれている。平和への思い、戦争へのやるせなさ、親や兄弟を養っていくことの重さ、日々の生活に倦み疲れながらも、ささやかな幸福を噛み締めて。石垣りんという1人の人間の生き様が詩の中に立ち現れている。彼女は本当はどんなふうに生きたかったのだろう。読んでいると慎ましく、平凡な毎日がどれだけ有難いかが身に染みる。彼女の鋭く温かい言葉が突き刺さって涙が溢れてくる。『戦争の記憶が遠ざかるとき、/戦争がまた/私たちに近づく。/そうでなければ良い。』『信頼はそう性急であってはならない。/せっかちに手を組んだって/すぐ離れることもある。/日本の政治家たちがそのいい例だ。』石垣りんが今の世の中を見たらどう思うのか。私の若い頃とちっとも変わっていないと憤るような気がしている。
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言葉が強い。戦争と戦後すぐ、ふんばって生きている女性の叫び。時が経つなか、年を重ねるなか、家族の重みに耐えながら毎日仕事に向かう生活者の姿。まっすぐで簡明な言葉が刺さる。
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100分で名著でこれから紹介される若者のための本である。伊藤比呂美が解説している。この解説がなければ石垣りんがどこのひとかよくわからない。東京の銀行で長らく勤めた。国際女性デーにふさわしい詩集であるばかりでなく、とてもわかりやすく同意しやすい詩集である。学生にとっても読んでこれほどわかりやすい詩集はないであろう。
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銀行員として働きながら詩を書き続けた人。
昔国語の教科書に載っていて名前は知っていたけど、日経新聞の特集で関心を持ったから買った。
初期の頃は、戦後間もない日本の社会風景を、一般庶民の目線から表現していて興味深かった。
短い言葉の連なりで、人生や社会の根源的なものを描写する表現力があると感じた。 -
第二次大戦を経た戦後から活躍した詩人。
当時の戦後の混乱に基づく苦しみもさることながら、
複雑な家庭環境。母はおらず、父は半身不随で義母に甘えている。弟は精神遅滞で自分の稼ぎに家族全員がのしかかっているという当時の社会情勢を差っ引いても厳しい生活の中で生き抜いた人。
そんな背景の人であるから、詩の内容も反戦や反体制、家族へのやるせない気持ちなど、怒りや憎しみと取れる内容が多い。
詩に何を求めるかは人それぞれだが、私は前を向く勇気や癒しを求めているので、強い敵意や憤怒の詩風はちょっと合わなかった。
とはいえ、過酷な日々の中で詩による心情の吐露が癒しになっていたのではと想像する。 -
伊藤比呂美の好みでない石垣りん後期の「穏やかな人生詩」が少ないなど、選詩に偏りはあるが、それでも石垣りんの言葉の凄まじさを味わえる内容に満足。
私は彼女の穏やかな優しい詩もとても好きなので、それは別詩集を買おうと思う。 -
「家と職場、生活と仕事の描写のうちに根源的なものを凝視する力強い詩を書きつづけ、戦後の女性詩をリードした詩人、石垣りん(一九二〇‐二〇〇四)。そのすべての詩業から、手書き原稿としてのみ遺された未発表詩や単行詩集未収録作品をふくむ、一二〇篇を精選した」
「雪崩のとき」の
しかない、しかたない、しかたない
と言う言葉が今も鳴り響いています。
「雪崩のとき」の
しかない、しかたない、しかたない
と言う言葉が今も鳴り響いています。
コメントありがとうございます。
石垣りんは、私は2冊目ですが「雪崩のとき」は、この詩集で初めて知...
コメントありがとうございます。
石垣りんは、私は2冊目ですが「雪崩のとき」は、この詩集で初めて知りました。
今日は終戦の日なので、投稿しました。