日本近代随筆選1 出会いの時 (岩波文庫)

制作 : 千葉 俊二  長谷川 郁夫  宗像 和重 
  • 岩波書店
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003120316

作品紹介・あらすじ

「私は一つの星を拾ったという事に微笑むのだ」(荻原井泉水「星を拾う」)。-人生を映し、見える世界をふと変える、たった数ページの小宇宙たち。作家・詩人から科学者まで、随筆の魅力に出会う、とっておきの四十二篇を精選。

感想・レビュー・書評

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  • 随筆、四十二篇が収められている。
    なんてことない日常、いっけん退屈にみえるものでも、一流の作家が随筆としてその情景を描けば、特別なものに変わる。私自身も、こんなふうに日常を過ごせたらなと思った。

    正直、「なんだか読みにくいな、とっつきにくいな」という作品はいくつか読み飛ばしたので、読了とはいえないのだが、何作かとても印象に残ったものがある。以下。

    『夢殿の救世観音』広津和郎
    『変な音』夏目漱石
    『結婚』中勘助
    『雨粒』石原純

  • 人に勧められて読んでみた1冊。

    北原白秋の「桐の花とカステラ」がお気に入り。
    荻原井泉水の「星を拾う」の夜の描写が好き。
    井伏鱒二の「が」「そして」「しかし」のラスト一文に笑った。
    小出楢重の「雑念」には、「うわー!わかる」としか思えなかった。今風に言えば「わかりみしかない。」これもまた、お気に入りの一つ。

    作者各々によって、文体も全然違うものだが(当たり前なんだけど)、全体を通して、日本語がとても綺麗だと思った。
    せっかく表現豊かな日本語が話せるのだから、綺麗な言葉を使いたいと、改めて思わせる1冊だった。

    学生時代に現代文の授業で習ったが、随筆は実際の出来事の見聞や感想を書き連ねたものという事らしいので、作者が書いている実際の空気を感じ取れたらいいなーと、漠然と思った
    時代背景等々、色々知りたいことも出てきて、普段小説を主に読む私も、とても楽しめた1冊だった。

    短編集だと、色んな人の色んな文章が読めるので(短時間でも読みやすいし)、そこで興味を持った人の本を読む足掛かりにもなるし、良いとこ取りである!

    好きな本が、また1冊増えた正月だった。

  • まず何より、冒頭の「サフラン」が(森鴎外)がいい。
    他には、柳田国男の「浜の月夜」「清光館哀史」、中島敦の「十年」、中勘助の「結婚」、湯川秀樹の「具象以前」などが印象に残った。

  • 2012年に全六冊で刊行された「日本近代短編小説選」の姉妹編ともいえる随筆選の刊行が始まったので、即買いしました。大町桂月や吉井勇などなかなか読めない作家の随筆がたくさんあって秀逸なアンソロジーです。

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