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Amazon.co.jp ・本 (448ページ) / ISBN・EAN: 9784003120910
みんなの感想まとめ
自然や動物への愛情が詰まった詩が特徴で、シンプルながらも深い感性を持つ作品が多く、読者の心に響く。詩の中には、親しみやすい言葉で描かれた動物たちや自然の美しさが表現されており、子どもから大人まで楽しめ...
感想・レビュー・書評
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日本人初、アジア初の国際アンデルセン賞はまどみちおさん。アンデルセン賞はたいてい童話作家が取るものとの思い込んでましたが、意外にも詩人。ボブ・ディランがノーベル文学賞取った事も記憶に新しいので、ありなんでしょうね。
知っている詩(詞)は、ぞうさん、やぎさんゆうびんやさん、ドロップスのうた…だけでした。動物を愛し、植物を愛し、自然を称えた、シンプルで子どものように純粋な詩ばかりでした。
[国際アンデルセン賞受賞作家 21/35] -
荒れた心にまどさんの言葉が響く。
娘が気に入ったのは「なっとうぼうや」「ドロップスのうた」「てんぷらぴりぴり」「おならはえらい」
やはり食べものが好き。 -
このとても美しい感性に圧倒される。なんかこんな繊細な方が生きていくのはとても大変なのではないかとか、心配になってしまったくらい。。繊細できれいなこころを持った詩人。尊敬します。
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「ぞうさん」、「不思議なポケット」、「1ねんせいになったら」童謡として多くの詩が唄われている作家。動物、植物、自然などへの素直な親近感、感動が多く詠む材料となっていることに、子ども心を持っていた方なのだと痛感する。この人がプロテスタントの洗礼を受けていたということも、うべなるかなと思うのである。今回私自身の印象に残った詩2つ。
「ふたあつ」「いちばんぼし」 -
気になる詩をパラパラと読んだ。
小さきものに対するまどさんの視点や感性がすごい!本当に尊敬する。
「蚊」という作品が面白かった。
今まで虫が苦手だったけど、本作のおかげで少し好きになれたかもしれない。少なくとも嫌いではなくなった。 -
シンプルで、深い。
こんな詩を書きたい。 -
ぞうさんだけじゃなくて、反戦の詩も書いていたということを発見した。
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あぁ この人には
敵わない
かなわないけど褒められたい -
本屋でなんとなく手に取って、最初の幼少期の真夏に感じた孤独を回想する文章や「深い夜」「樹」の美しさや胸がきゅーっとなるような切なさに惹かれて呼んでみることにした。
詩集を読むのは初めてだったけど、章ごとにまど・みちおさんの体験や感じたところを綴った文章が置かれていて、後ろにその内容がよく現れている詩を置くという構成ですごく読みやすかった。
まどさんの周りのものに対する平等な目線、自分も含めたあらゆる生き物や無生物が今この瞬間ここにあること、その意味を考えるのではなく、ひたすらにただ感じて言葉にしていく、その姿勢がすごいと思った。
わたしたちはあらゆるものに囲まれて生きているけど、日常では決して目を向けられない日々の一点に向ける眼差しが、少し恐ろしくもあり、不思議な気持ちになる。
以下印象に残った文章や詩
p.16
聴覚の例を思い出してみますと、たとえばニイニイゼミの声です。私はあれを幾度聴いたでしょう。夏の真昼の町じゅうが寝入っている静けさの中で、あれはひとり覚めている私の耳のためだけのように響きつづけました。その静けさを計る時間の流れそのものとなって。しかもそれはただら平らにではなくて、休みなく昇り下りを繰り返しました。それが昇りに昇り、身も世もなく昇りつめて危うく躱し下降し始めるあたりでは、わたしは身も世もないように切なくなりました。
p.21
深い夜
あばらに手を置けば
深い夜である
生きて
年齢をもち形をもち血さえ流れている自分である
あばらの数は
ひとつひとつ深い夜である
生きて
しみじみと女でない自分である
あばらの中のかけそさは男の
深い夜であるのか
生きて
限りなく他の人でない自分である
p.23
樹は土に立っている
樹はそこから歩かない
樹は空へ向いている
土がにじんだのであろうか
その幹の色と匂い
空がしみたのであろうか
その新芽の色と匂い
きっとその根は土になってる
そして枝先は空に溶けてる
樹は土のように静かだ
樹は空のように明るい
樹は樹で生きている
p.80
他の生物たちのは、腹がすいた時にだけ食糧として他の生命を自分の中に取り入れるのであって、全生物共存共栄の原則にのっとっている。だが人間のは、腹がへろうがへるまいが、その尽きる所をしらない快楽の追求を目的に、ありとあらゆる生命を大量に殺戮しているのだ。そしてその長い殺戮の歴史が習い性となって、今やすべての人間がこれという理由もなしに「生きている物」を見れば殺してしまいたくなっているのだ。
そこで私たちは、私たちが持たされているこのどうしようもない性に対して、無意識に自責の念を抱いているのではないだろうか。つまり空をとぶ鳥を見送るとき、車窓を走りすぎる野の草の花々を見送るとき、むこうは知らないのに私たちだけが彼らをいとおしく思うという胸の痛みを堪えなくてはならないのは、結局私たちの無意識的なささやかな罪の償いなのではななかろうか。
p.84
カ
あるひとが
ふとあるひ
手にした ほんの
とある ページを ひるくと
ある ぎょうの
とある かつじを ひとつ
うえきばちに して
カよ
おまえは そこで
花に なって
さいている
そんなに かすかな ところで
しんだ じぶんを
じぶんで とむらって・・・
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童謡「ぞうさん」の作詞でお馴染みのまど・みちおさんの詩集。
詩人・谷川俊太郎さんの編により集められたまどさんの詩。
このお二方、なんとなく同じベクトルを感じる。
谷川さんは大きなスケールで、まどさんは身の回りの小さなことから、命、ということにアクセスしているような印象。
この詩集は、まどさんのエッセイ的なものが収録されていて、そこからもそのひととなり、人生が垣間見える。
エッセイ→その時期の詩、という繰り返しの構成で進むため、詩の読解の参考にもなる。嬉しい。
特に、【カ といういのち】という章が私はすごく響いて、
「人はなぜ生き物に慈しみを感じるのか」という疑問から、人間は多くの場合、命を奪う側だからだ、という答えに到達する流れが、なんとも沁みた。
そこから続く「カ」というタイトルの詩たち。
「カ」は「蚊」のことで、普段私たちが厄介に感じる、血を吸うあれで、当然の如く叩き潰してしまいがちなあの虫だ。
まどさんは寝ている間に蚊に刺されていたことから、「寝ていて良かった、つぶさないですんだ、良い子を育てろよ」と綴る。
血を吸う蚊はメスであり、卵を産むための栄養としての血、という視点に慈しみが溢れる。
この生き物への愛情、命への慈しみが、この章に限らずテーマとして強い。
魚を食べる、というエッセイでは、魚を食べている時に、海を泳いでいる魚をイメージする、と始まり、
そのイメージが最も強く感じられるのが、
今は魚だったことを微塵も感じさせない「かまぼこ」だ、そこにはたしかに魚がいる、と読み、
そこから「かまぼこのような詩を書きたい」と結ぶ。
なんとも独創的な、しかし強く納得させられる文章だ。
思考がくっきりと言葉になっていて、読んでいるとまどさんの思考を追体験しているような感覚になる。
果ては、石ころとかの無生物への愛情、ずっとそこにある、すごいものなんだ、という感覚にまで到達し、なんだか宇宙の真理に触れているような気にすらなる。
あるがままに生命を考え、謳歌するような詩たちが詰まった、ずっと手元に置いておきたい一冊だ。 -
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https://indus.andrew.ac.jp/opac/volume/1189844 -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/701200
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