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Amazon.co.jp ・本 (354ページ) / ISBN・EAN: 9784003121733
作品紹介・あらすじ
明治維新から高度経済成長期までの100年間に生まれた、「東京」を舞台とする文学作品を時代順に配するアンソロジー。社会制度、文化、世相・風俗などの変遷を浮かび上がらせ、「東京」という都市の時空間を再構成する。第3分冊には、太宰治、林芙美子、中野重治、安岡章太郎、三島由紀夫、吉本隆明ほかの作品を収録した。
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みんなの感想まとめ
時代の変遷を通じて「東京」という都市の姿を描き出す短篇集で、1941年から1967年までの作品が収められています。収録された作家たちは、戦中から戦後にかけての社会を背景に、現実と向き合い、様々な思いを...
感想・レビュー・書評
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【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/720673 -
「時代のにおいを感じさせる」(のがおそらく目的である)短篇集と暢気に評してきたが、恥ずかしい限りである、それは誤りだった。
文学は「東京」といかに切り結んできたのか。本集の帯にそうあるように、それぞれの作品は作者(私たちと同じく人間である!)にとって現実と向き合ってもがき苦しみながら、また過去を振り返って懐かしんだり懊悩したりしながら残した爪痕(『現実』への搔き傷――一種の抵抗)であろう。
文学とは現状を訴え、共感を求め、救いを得たり乞うたりする一種の祈りだと書かれた方がどこかにいらした。私は「物語」と「文学」の類似点相違点に思いを馳せながら、その「文学」の果たす役割の大きさに戦いている。
この3巻では戦中~戦後の文学(1941~1967と題下にも表記されている)が取り上げられている。生物的な、或いは人間的な抵抗の証に、文学が文学たる所以に唸る。 -
東京八景 / 太宰治(1909-1948、五所川原市、小説家)
鷺宮二丁目 / 壺井栄(1899-1967、香川県小豆島町、小説家)
国民酒場 / 上林暁(1902-1980、高知県黒潮町、小説家)
有楽町の思想 / 稲垣足穂(1900-1977、大阪市、小説家)
灰色の月 / 志賀直哉(1883-1971、石巻市、小説家)
飢えの季節 / 梅崎春生(1915-1965、福岡市、小説家)
下町 / 林芙美子(1903-1951、小説家)
おどる男 / 中野重治(1902-1979、坂井市、小説家)
ジングルベル / 安岡章太郎(1920-2013、高知市、小説家)
街の故郷 / 森茉莉(1903-1987、文京区、小説家)
橋づくし / 三島由紀夫(1925-1970、新宿区、小説家)
お守り / 山川方夫(1930-1965、台東区、小説家)
アジンコート / 内田百閒(1889-1971、岡山市、小説家)
札の辻 / 遠藤周作(1923-1996、豊島区、小説家)
佃渡しで / 吉本隆明(1924-2012、中央区、詩人)
廃墟の眺め / 吉行淳之介(1924-1994、岡山市、小説家)
編者:ロバート・キャンベル(Campbell, Robert, 1957-、アメリカ・ニューヨーク市、日本文学)、十重田裕一(1964-、日本文学)、宗像和重(1953-、福島県、日本文学) -
【新着図書ピックアップ】明治維新からの東京の姿を描いた短篇のアンソロジーです。第3巻は1941年から1967年まで。そのうち三島由紀夫の「橋づくし」は、満月の夜に連れだって、7つの橋を渡って願掛けをする4人の女性、すなわち、料亭の娘と女中、ふたりの芸妓、のそれぞれの首尾を綴っていきます。さて、願いがかなったのは誰?
【New Book!】Yukio Mishima is one of the most important Japanese authors. In his short story “Seven Bridges,” four women, Masako, Koyumi, Kanako and Mina attempt to cross seven bridges without speaking and not to go back over the same road in order to grant their wishes. Can you guess whose wish comes true? -
「東京」を舞台とする文学作品を時代順に配するアンソロジー。全3冊のうちの3冊目は1941年(昭和16年)~1967年(昭和42年)が対象。
目次から引用すると、
Ⅰ 東京に根ざす 出生と銃後
Ⅱ 東京車中 復員と占領
Ⅲ 東京で生きる 遠ざかる焼け跡
といった項立て。
太宰の「東京八景」に始まり、戦争中の困窮と戦後の餓えと苛立ち、復興を建物や物資が豊かになってきた筈の中に漂う空虚さ…といった感じで、今回3冊の中で特に「風景が劇的に変化していく東京」以上に「東京に住む人々のメンタル」の変遷がヒシヒシと伝わってくるラインナップだったような。
面白かったのは稲垣足穂「有楽町の思想」。徴用工として働いている最中の日記の体裁の作品なのですが(東京空襲までを描く)、足穂が書くと戦時中の風景ですらタルホタッチになるのが凄い。
あとは山川方夫の「お守り」。このショート・ショートは既読作で内容は知っていたのですが、このアンソロジーの中でこれらの作品達の中に並んで編集されると、また違った視点にフォーカスが当たる感じの印象が得られて面白かったです。
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