開高健短篇選

  • 岩波書店 (2019年1月17日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (568ページ) / ISBN・EAN: 9784003122112

作品紹介・あらすじ

ノンフィクションや釣魚紀行など様々な分野に多芸多才ぶりを発揮した作家、開高健(1930―89)。その創作の原点である短篇を、文庫としてはこれまでにない規模で精選・収録。デビュー作、芥川賞受賞作から、ヴェトナムでの戦場体験や阿片吸引をモチーフにした中期の傑作をへて、死の直前に書き遺された絶筆まで、作家の生涯を一望する全11篇。

みんなの感想まとめ

多様なテーマと深い人間理解が織りなす短篇集であり、戦争や生きることの不安を鮮烈に描写しています。特にベトナム戦争を背景に、そこで生きる人々の選択肢や苦悩を通じて、命の輝きとその影を浮き彫りにしています...

感想・レビュー・書評

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  • 図書館の読書会での課題図書で『巨人と玩具』だけ読んだ。

    内容は現代でも通用しそうなビジネスのお話だった。よく分析されていて緻密に進んでいくストーリーは素晴らしかった。

    最後は、自殺するのか、あるいは自殺はしないまでも転職を考えてそうな終わり方だった。現代お仕事あるあるで、今の言葉を使えば社畜みたいな、斉藤和義の『歩いて帰ろう』みたいな印象を受けた。

    週休三日制やリスキリング、ベーシックインカムなどが導入されれば社畜的なことは減るのだろうか。少なくとも今の俺はそれらの言葉が当てはまるような暮らしをしているのだけれど。。

  • ベトナム戦争という終わらない悪夢の中での、そこでしか生きる選択肢のない人々、兵士、メディア。
    死と隣り合わせの中であるからこそ、そこで生きることの強烈な輝きを切り出してみせる視点と言葉の選び方に古さを感じない。
    研ぎ澄まされた印象。
    作家は、何を求めて、そこに身を投じたのか?
    その時代の日本の閉塞感が透けて見えるような気がしました。
    ただ、今の日本は、更に煮詰まっている気がしていて、彼が抱えた問いに正面から向き合う作家は誰?

  • デビュー作「パニック」、芥川賞受賞作「裸の王様」、「巨人と玩具」、「なまけもの」、「玉、砕ける」、べトナム戦争体験をモチーフとした佳作などを収めた短篇選。
    行動派作家と称されたが、その行動の源は生きることそれ自体の不安と恐怖、焦燥、そして倦怠からの逃避にある。何かから逃げるため外へ外へと遠心力でもって内面を描き続けた。それが開高文学の本質であり魅力でもある。辺境への紀行、釣り、酒、ベトナム戦地従軍はその一変化でしかない。旺盛な執筆と語彙の豊富さでさえ作家の苦しみと生への慄きを示しているようで、読んでいて胸が疼く。
    それがまた読者をいつまでも惹きつけるのだけれども。

  • 名前だけは知っていたが、読んだのは初めて。「パニック」はすごい面白かった。

  • 「掌のなかの海」を読みたかった。
    これは、『珠玉』というものの一部なの???

    「パニック」「裸の王様」がおもしろかった。

  • 文体が開高健でいい。

  • ネズミの生態と心情が面白いな

  • 考えてみれば、彼の(エッセイやノンフィクションではなく)文学作品をじっくり読んでみたのは初めてかも。
    コレが非常に面白かった。
    特に、なんというか、豊富な語彙と文章力を思い切り駆使することで、「映画的」「映像的」な表現とも大きく異なる、謂わば「純粋に文学的な表現によって、読者の心象に読者独自の色鮮やかなイメージを表出せしめる」力を持つ、彼の文章の特異な魅力を初めて痛感した。同じような力を持つ作家を、彼の他にはすぐには思いつかない。
    全11編が収められた短編の中では特に、「裸の王様」と「飽満の種子」、それに「掌のなかの海」の3編が良かった。
    次は是非、長編を読んでみたい。

  • 最高
    開高氏大好き
    嗅覚・触覚、その他の感覚までもが彼の文章に冒されます。味わい深すぎる
    ワードチョイスが的確すぎる、、、

    飽満の種子 裸の王様 なまけもの 一日 掌のなかの海
    好きやなぁ

  • 開高健の短編選集。11編を収録。
    硬質でねちっこい描写は時代がかってもいるけど、
    これだけ精緻に描いているからこそ、今でも伝わってくるものがあります。

    「パニック」

    増殖するネズミへの対応に苦慮する田舎の役所の山林課。
    イタチを放つ、パチンコや罠による「駆除」、アウシュビッツのようなネズミの「野焼き」。
    ありとあらゆる手段を講じ、ネズミ撲滅に挑む俊介ら「僕ら」。
    ネズミへの勝利はあらゆるものに優先するこの街の「死活問題」となっていた。

    「森と骨と人たち」

    ルーマニア、ポーランド、ソ連。
    寒い東欧を不自由な旅を続ける「わたし」の脳裏にうかんでいたのは
    かつてナチスの手で無残に殺されていった人たちの「血」と「骨」のことだった。

    「一日」

    ベトナム戦争下のバンコクで戦場カメラマンのわたしは
    昨日なにげなく話していた友人が爆撃にまきこまれ、亡くなったことを知る。
    たまたま新しい家に引っ越し、たまたまその日家に残るという選択をし、
    死んだ友人。不条理さと熱気と突然の恐怖。

    空気感が文章に凝縮されているというか、この本の中の東南アジアの描写には独特の熱さ、切迫感がある。

  • パニック
    巨人と玩具
    裸の王様
    なまけもの
    森と骨と人達
    兵士の報酬
    飽満の種子
    貝塚をつくる
    玉、砕ける
    一日
    掌のなかの海

    第38回芥川賞、第6回川端康成文学賞
    著者:開高健(1930-1989、大阪市天王寺区、小説家)
    編者:大岡玲(1958-、東京、作家)

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著者プロフィール

1958年生まれ、東京外大卒。「黄昏のストーム・シーディング」で三島由紀夫賞。「表層生活」で芥川賞。小説執筆の他に書評、美術評論、ワインエッセーなど幅広い分野で活躍。「本に訊け!」「男の読書術」「ワインという物語 聖書、神話、文学をワインでよむ」などの著作がある。東京経済大教授。





「2022年 『一冊に名著一〇〇冊がギュッと詰まった凄い本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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