色ざんげ

  • 岩波書店 (2019年2月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784003122211

作品紹介・あらすじ

欧州から帰朝した洋画家湯浅譲二は、毎日手紙を寄越す不思議な女に翻弄されるうちに、女は失踪。女の友人つゆ子と捜索の旅に出た彼はつゆ子に魅かれるが、さらに湯浅の絵のファンだという女学生が現れ……。深く誰か一人を愛するわけではない男と、男の愛を摑んだようで常に不安な女の姿を情感豊かに描く。(解説=尾形明子・山田詠美)

みんなの感想まとめ

恋愛の複雑さと人間関係の葛藤が織りなす物語が展開され、読者を一気に引き込む作品です。主人公の洋画家が不思議な女性に翻弄される中で、彼の周囲には様々な女性たちが現れ、恋愛や友情、そして心の不安が交錯しま...

感想・レビュー・書評

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  • 恋愛小説だと思いますが巻末にある通りホラー小説や推理小説と考えるほどに異質な作品でした。
    読んでいて物語に夢中にさせられ、終始主人公が苛立つ場面で私もカッとなってしまいました。
    昔の恋愛はあんなにも難しく、駆け落ちや心中といった今では珍しい事が平気であったりするのが興味深かったです。
    作者である宇野千代さんも離婚を繰り返して恋愛とは何たるかを熟知している方なんだなとこの作品を通して知る事ができました。

  • プレイボーイの画家と3人のお嬢様、夫婦関係が破綻した妻との物語。東郷青児がモデルらしい。昼ドラのようだが、かなり事実に即した内容であったよう。テーマも内容も大衆文学的。

    読む手が止まらず、仕事帰りに読み始めて寝るまでに一気読み。面白かった。

    なんせ読みやすい。昭和初期とは思えないほど。
    あと、フランス文学っぽさを感じる。

  • これぞ日本の文学。
    お笑い芸人のヤーレンズが、海原やすよともこのことを「あれが"漫才"だから」と評していたけど、それで言うなら宇野千代こそが"文学"だなと思った。「これが"小説"」だよなって。
    恋愛小説なんだけど、主人公とともに旅をする冒険小説でもあるし、後半は恐ろしいホラー小説にもなるし。文章自体は簡単で、分かりやすいんだけど、こんなの、誰にも書けない。なんてかっこいい小説家なんだろう。

  • 故事是照自己前夫真人真事以第一人稱男性角度撰寫。文風並未特別喜歡,略嫌冗長,但故事實在太曲折離奇,後半節奏加快,很有張力。

  •  1933(昭和8)年から1935(昭和10)年にかけて「中央公論」に連載された宇野千代さんの小説。
     巻末の解説を読むと、モデル小説というより人から聞いた体験談をほぼ完全にそのままなぞったプロットであるようだ。もちろん人名は変えてあるが、主人公の名前がなんと「湯浅譲二」。日本の現代音楽の領域では知らぬ者のない大御所作曲家と同名である。作曲家の湯浅さんは1929年生まれだから全くの偶然だ。
     改行が異常に少ないのだが、実際に読んでみると文体は恐ろしく平易で、同時期の林芙美子作品よりもはるかに読みやすい。さほど濃密な描写もなく、読者はすらすらとストーリーを追うことになる。これが波瀾万丈な恋愛遍歴で、事実に基づいているというのは面白い。
     妻子のある主人公は離婚する意志はあるものの養育費などの面で決着がついておらず、同居したままの状態だが、まったく好き勝手に出歩いて「色ごと」にふけっている。当時はそういうことがあり得たらしく、「重婚」の状態にもなったりする。しかし女性を獲物として扱うような軽さはなく、単に自分の(あまり激しくはない)情動やなりゆきに任せて放浪しているようである。
     登場する「色ごと」の相手は3人の女性で、そのうちの真ん中の人が本命。しかし先方の家族との折り合いが付かない。3人目の女性と重婚するのだがこの人のフレンドリーな両親との交際が平穏な温かい家庭生活をイメージさせて主人公を魅了している。
     心理描写は(たとえば林芙美子の作品よりも)淡泊なのだが、最後の方で2番目の女性と心中をもくろみるくだり、「なるほど、そういう心情であったか」と納得させられるように感じた。淡い恋心にフラフラと揺れるような心理が続いていたが、その淡さのうちに切迫した真摯さがあったのだと察せられた。
     この時代の作品としては奇妙なまでの読みやすさで波乱に満ちたストーリーを楽しめ、さらに作家の淡々とした描写の積み重ねが意外と効果を発揮していると思った。良作。

  • 日本文学読んだ~という感じ。実在した画家、東郷青児の自由奔放な恋愛、心中未遂を本人から聞き、それを宇野さんが小説にしたもの。大正昭和の初期でも自由な人は自由だったのだなと驚いた。まだ離婚していないのに別の女性と結婚式を挙げるが結ばれずに別れた女性から連絡があれば会いに行き心中を企てる。主人公の語り口で物語はドラマチックに進むが主人公から誠実さは感じられない。いいかげんな男。恋愛を芸の肥やしにするタイプか。展開が早く激しいので最後まで退屈せずに読了。

  •  
    ── 宇野 千代《色ざんげ 1933-1935 中央公論 20190216 岩波文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4003122216
     
    ── 宇野 千代《生きて行く私 19960219 角川文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4041086027
     
    ♀東郷 盈子(みつこ)の油彩画。旧姓=西崎 盈子 洋画、1909‥‥ 19‥‥‥ ‥ /
     192803‥(19)心中事件を起こすが、一命を取りとめます。それから
    5年後の昭和9年秋、二人は念願叶って結婚。この一部始終は、の小説
    『色ざんげ』のモデルとなり、広く知られています。
    http://www.f-style-antiques.com/?pid=132261994
     
    https://tx696ditjpdl.blog.fc2.com/blog-entry-2379.html
    “七光り三人娘”
    https://twitter.com/awalibrary/status/1382994867131805699(20210416 18:50)
     
    (20210416)
     

  • 著者:宇野千代(1897-1996、岩国市、小説家)
    解説:山田詠美(1959-、板橋区、小説家)、尾形明子(1944-、東京都、文芸評論家)

  • 妻子ある画家との恋愛、駈落、心中……

    画家の湯浅のどうしようもなさ、いい加減さ、どうしようもなさ(大事だから繰り返す)といったら、男ってやぁねぇ、としか言い様のない

    湯浅が三人の女に翻弄されてるのか、それとも三人の女が魅了されるほどの男なのか
    忘れちゃいけないのは湯浅の妻。流石強か

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著者プロフィール

宇野千代
明治三十年(一八九七)、山口県に生まれ岩国高等女学校卒業後、単身上京。自活のため、記者、筆耕、店員など職を転々とし、芥川龍之介はじめ多くの作家に出会い、文学の道へ。昭和三十二年(一九五七)『おはん』により女流文学者賞、野間文芸賞。四十七年、芸術院賞受賞。平成二年(一九九〇)文化功労者に選ばれた。八年(一九九六)死去。ほかの主な著書に、『色ざんげ』『生きて行く私』『宇野千代全集』(全十二巻)など。

「2023年 『九十歳、イキのいい毎日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

宇野千代の作品

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