鴛鴦帳 (岩波文庫)

著者 :
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レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003127117

感想・レビュー・書評

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  • 作者が七八年懐に暖めてあったもので、執筆にとりかかるも苦心して書いたという作品。
    陳腐な言い方をすると純愛で勧善懲悪。こうありたいという鏡花の理想がまっすぐに描かれているよう。

    しっとりとした大人の雰囲気と滑稽さの中に、何となく『化鳥』などに通じる純粋さを感じた。そしてそれが鏡花が心に持ち続けていたものなんだと改めて思った。

    お新が妖艶で、何度かある大八との偶然のようなエピソードがミステリアス。木の葉たちのおしゃべりも鏡花らしくてとても好きです。

  • 2016.6.1(水)¥180(-2割引き)+税。
    2016.6.1(水)。

  • 再読。珍しく序文があり何かと思えば、締切が迫っているのに全然書けない、出版社に前借しちゃったから書かなきゃいけないのに書けない、挿絵とか装丁まで出来上がっちゃってるのにまだ書けない、スランプで困ってる、やっとのことで締切数か月破って書き上げた、という言い訳というか泣き言というか(苦笑)鏡花先生大丈夫ですかー

    そんな序文の先入観もあってか、どうも筆にいつもの勢いがないというか、つっかえつっかえでイマイチ読むほうも乗り切れない、終盤でやっといつもの鏡花節が戻ってきた・・・と思いつつ読んだら、解説で佐藤春夫もやっぱり同じことを言っていました。ですよねー

    ストーリー自体もイマイチ。回想で時間がいったりきたりはいつものことだけど、いつも以上に解り辛くエピソードの順番が把握しきれない。基本は芸者・照吉と板倉という男の恋愛ものなのだけど、相変わらず鏡花は女性ばかり気風が良くて魅力的で、男のほうの魅力はとんと伝わってこないので、本作ではとくに、ほんとにその男でいいの?感が否めない。

    芸者の貞操観念というのも現代人には理解がむつかしいなあ。現代に置き換えたら、惚れた女をキャバクラで働かせておきながら、他の男には指一本触れさせるなみたいなことでしょ?そこまで嫉妬するならお前が彼女を働かせないくらい稼いでこいよこの甲斐性なし!と思っちゃう(苦笑)ちょっとストーカーぽかったけど板倉よりは大八のほうがマシだった。

  • 二十年ぶりくらいに再読。佐藤春夫の解説に、前半は読みにくいが後半からは名調子…といったようなことが書いてあるが、私の読解力では全編が読みにくくもあり名調子でもあり。鏡花の作品の中では時の前後も少なく分かりやすい方ではなかろうか。価値観云々は言うだけ野暮だ。そういう世界と思って読むがいい。惜しむらくはお新と大さんが活躍して主人公・板倉の魅力が今ひとつ伝わらない。

  • 鏡花独特の流れが今一つ感じられない迷いがみられる作品でした

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著者プロフィール

泉鏡花(いずみ きょうか)
1873年11月4日 - 1939年9月7日)
石川県金沢市生まれの小説家。本名は「泉鏡太郎」。明治後期から昭和初期にかけて活躍。尾崎紅葉『二人比丘尼 色懺悔』を読んで文学を志し、上京し本人に入門、尾崎家で書生生活を始める。師弟の絆は終生切れることがなかった。
1893年、京都日出新聞に真土事件を素材とした処女作「冠弥左衛門」を連載。以降、『夜行巡査』、『外科室』、『照葉狂言』、『高野聖』、『婦系図』、『歌行燈』などの作品を残す。1939年に癌性肺腫瘍のため逝去、雑司が谷霊園に眠る。その後1973年に「泉鏡花文学賞」が制定され、1999年金沢に「泉鏡花記念館」が開館。

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