- 岩波書店 (1954年12月25日発売)
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感想 : 8件
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Amazon.co.jp ・本 (204ページ) / ISBN・EAN: 9784003127131
みんなの感想まとめ
テーマは人間関係の複雑さと悲劇的な運命であり、登場人物たちの身勝手さが際立つ作品です。舞台的な構成が特徴で、場面の切り替わりが分かりにくい一方、情熱的な着物の描写が印象を深めています。『辰巳巷談』では...
感想・レビュー・書評
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初泉鏡花。いやあ、中々に難しい。
舞台的というか、脚本的というか…。
まず、場面の切り替わりが分かりにくい。
解説を読んでから再読してようやっと理解した感じ。それでもやっぱりよく分からない部分も。
あと、彼らがなぜそんな行動を取るのか理解できないってのもある。
着物についての描写が詳しく、そこに情熱をかけていることは伝わってくる。 -
フェミニストな鏡花の二篇。
『辰巳巷談』
静まり返ったお月様の夜からドタバタへの展開。全てがわかってからは悲しくてどうにもやり切れない。橋の上の様々な場面が深い印象を残す、舞台映えしそうな一品。
『通夜物語』こちらは鏡花の人間観が強烈に出ている。同じく悲劇ではあるが、冴え冴えとして衝撃的なほど美しかった。 -
再読。「辰巳巷談」は、ひらたく言えば四角関係。両想いの若い男女お君と鼎、しかしお君のほうには落籍したときの借金を負ってくれた宗平という男がおり、鼎には母のように(実際母だったのか?)溺愛してくる沖津という女がいる。正直みながそれぞれに身勝手で、あまり誰にも同情できない。もっと長編になりそうな物語を端折って詰め込んだ感もあってイマイチ。
「通夜物語」も、なんだか微妙だった。売れない絵描きでチンピラみたいな色男の清さんとその愛人の遊女・丁山、金に困って清の伯父の家に強請タカリに出かけるも、失敗。かつて清を慕っていた従妹のお澄のピュアさの前に清はくじけ、そのお澄の夫や母に嘲られて丁山は逆上。血でもって襖に絵を描くというラストシーンは凄絶だけど、正直同情の余地があまりない。そもそも強請に出かけているので、正義がどっちにあるのかよくわからないんだよなあ。モヤモヤ。 -
2編収録。
どちらもさほど長い話ではないが、濃厚な鏡花の世界を堪能した。
個人的には『通夜物語』の方が好きかな。 -
どちらも花街のもと花魁が物語の重要人物として登場する、鏡花らしい小説。花街といってもいわゆる素人、身請けされたあとの女性で、苦界を抜けてもなお苦しい生活に苛まれる美しい女性達の描写はさすが鏡花といったところ。「辰巳巷談」でお君が花街を出ていく時の文章がとても精巧で、華やかな街の裏に隠された(というかそれが本来の顔であろう)切なさや悲哀がひしひし伝わってきた。それでも花街憧れるなあ。タイムスリップして一度吉原や島原や新町を体験してみたい…いや、私は女子だけど、花魁や太夫じゃなくて、遊ぶ方で^^;
鏡花らしいと言えるもう一つの側面は相変わらずとんでもない血みどろな展開で物語を占めること。そのこと自体がすでに作品をホラーに絞り上げてるw 学校であった怖い話とかに出てきそうじゃんwとか思ってしまうw 辰巳巷談も通夜物語もあらあれあらと言ううちに登場人物が死んだり胸を突き刺したりして話が終わります。通夜物語は胸を刺した丁山の血で襖に絵を描くっていうんだからもうね…どうしてこうなった!どうしてこうなった! 鏡花はやっぱり過激だなあと思うのです。普段の人柄(というか癖とか)を思うにつけても。
今更何を言う感じだけど、鏡花の小説の魅力の一つに会話文があると思う。ものすごく正確に描いているから、日本語学の資料にもなりえるんじゃないかってくらい、会話がリアル。言葉の何気ない合間とか、チョッ、とかいう音とか。んー落語に通じるところがあるな…とも思った。
相変わらずわけのわからない展開でもうどうにでもしてくれって言いたいところですがまだまだ読んでない作品は沢山あります。卒論は終わったけれども、一生付き合いたい作家としてこれからも読んでいければと思います。
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