湯島詣 他一篇 (岩波文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003127162

感想・レビュー・書評

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  • ベタな恋愛ものなのにものすごく泣いてもうしばらく泉鏡花読まないことにした。
    当時は兵役があったから堕胎は犯罪だったんですね。
    太宰治も泉鏡花の本の世界の真似をして粋ぶって、田舎者だとばれたって何かに書いてたけど、それくらい、ベタ。
    でも彼の描く江戸っ子は好き。

  • 煌びやかさは抑えられグッとシリアスだった。
    芸者蝶吉に対する周りの人たちの仕打ちがあんまりで読むのが辛くなるほどだった。
    だからこそこの結末だったんだと理解できるけど、人形の件など本当に可哀想。
    鏡花を読んで初めてこんなに落ち込んだ。
    蝶吉が犬を怖がるところなどは可愛くとってもユーモラスでいい。

    併録されてる「葛飾砂子」はホッとできる。船頭の七兵衛が心の優しい人。
    七兵衛が船を漕ぎながら唱える念仏は“尊い音楽”。

  • 再読。「湯島詣」は、鏡花お得意の学士と芸者でロミオとジュリエットばりの悲恋もの。梓と蝶吉、二人が恋に落ちる過程は、梓の生い立ちが綿密なこともあって感情移入しやすい。しかし当時の倫理観がイマイチわからないので、なぜ蝶吉の堕胎を梓がそこまで責めるのか理解できず。そもそも蝶吉と子供できるようなことしたのはアンタでしょうが(苦笑)堕胎した女が無知、可哀想だけど無知は罪だから別れるとか意味わからない。それ以前に梓は既婚者だし。その梓の奥さんも嫌な女みたいなエピソード描かれて、だから梓が他の女好きになっても仕方ないみたいにしてあるけど、現代人から見てさほどひどい奥さんとも思えず。男の身勝手に腹が立つ。

    同時収録の短編「葛飾砂子」は、友達の家に遊びにいった娘が履物だけ残して行方不明になり、身投げしたところを親切な船頭に助けられていた・・・という人情ものだけど、身投げの理由が、贔屓の歌舞伎役者が死んだから後追い、というのはどうなのだろう。船頭のおじいちゃんが良い人でよかったけれど。

  • なんだいっ!死ぬやつがあるかよ!
    花柳小説の系譜?幽霊はでてこなかったけど、蝶吉のお人形さんから梓の『雨月物語』あたりが物凄くもゾッと。

    菊枝の「然う、」と言ってこぼれた涙はほろりと熱かったろう…死にきれずに大川にずっくり濡れ冷え切った身体だったものね…

  • 学士・神月梓と芸者・蝶吉の悲恋物語。何が悲しいかって蝶吉の純粋さが堕胎を引き起こすことで、それで梓が離れていくことだよなあ。そして最後蝶吉いじめぬかれて死んでる。無惨だー!どちらかというと展開も急だし観念小説より。葛飾砂子の方は小編ですが、あまり過激ではない、しっとり系の話。

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