漱石日記 (岩波文庫)

著者 : 夏目漱石
制作 : 平岡 敏夫 
  • 岩波書店 (1990年4月16日発売)
3.65
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  • 本棚登録 :159
  • レビュー :13
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003190029

作品紹介・あらすじ

漱石は明治三十二、三年から大正五年の死の年まで全集版で800ページを超す大部の日記や断片を残している。ここにはそのうちからイギリス留学中の日記、修善寺大患時の日記など7篇の日記を収録。人間漱石の内奥の声が響いてくる。

漱石日記 (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 妻・鏡子『漱石の思い出』読了後すぐに読み始めた。本書でいう「ロンドン留学日記」には漱石が神経衰弱で疲弊している様子がなく(本人の日記なのだから当然)、西洋の文明に迎合しない漱石の姿があった。「大正三年家庭日記」に見せる怒れる漱石。しかし、これが神経衰弱のなせる技なのか長文で、そうではない日記は短文での記述というのが面白く感じられる。それにしても、多彩な人々との交流には眼を見張るものがある。

  • 人に読ませる前提の顕示欲が横溢したブログとか、それに私の日記とかとも、比べるもんじゃないけど、やっぱ全然違う。

    天気のみの、一行日記もあれば、
    修善寺大患直後の肉迫した回復記。
    昇華された漢詩や俳句は心浄。
    かと思えば、家庭の日記では、妻や下女への被害妄想。神経症が暴走しと思われる、発狂した私小説のような日記。
    お茶に誘われて「嫌だなー」、めっちゃ凡庸。これには嬉しくて破顔。

    ひとりの時、考えてる事が、何時よりもその人だとしたら、この日記は、金之助の裸より全裸。
    撃実に生きる人間の営みの手触りが、言葉から届く。読み耽る。
    摩耗して失くしてしまった自分の純粋さを思い出せたと錯覚して、ポケットに持ってる少ない種を、現今に、ひたむきに、播き続ける、死ぬまで。

  • 46,8 52

  • 資料番号:010756278 
    請求記号:915.6ナ

  • 日記を読むのが好きな私。
    弟に言ったら「書簡も良いよね」と言われた。
    うん、でも書簡も良いけど、日記もやっぱり良いよね。

    ずっと本棚にあって、読んでいなかったこの本。

    夏目漱石の残した膨大な日記の中の、
    超・ダイジェスト版、と言ったところ。

    イギリス留学の時の日記、「それから」執筆時期に書いていた日記、
    病気で転地療養中、重態となった時の日記、などなど…。

    イギリスの時の日記が中では私には興味深かった。

    周りの人の頭が悪い、行儀が悪い、態度が悪い、顔が悪い、と
    漱石先生はご立腹だ。
    (大体が何もわからない馬鹿のくせに生意気だと思っているようだ)

    そして一方、顔が黄色くて、服がぼろくて、英語がまずい自分に
    引け目を感じている。

    ある日、お兄ちゃんに置いてかれて泣いていた少年とカルタで遊んであげて、
    その後のある日、その少年と一緒に散歩に行っているところが、良かった。

    ロンドンから、正岡子規に、手紙を書いている。
    子規からも雑誌、手紙が届く。
    (『ホトトギス』届く。子規なお生きてあり。)
    漱石先生、正岡子規に、たくさん手紙を書いてあげてくれ!と私は思う。
    (子規が漱石からの手紙を待ちながら死んだ、と聞いたから)

    その他、漱石夫人が「悪妻」と言うことの証拠になっているような
    家庭内のことを主に書いた日記がある。

    私はこれを読んでも、もちろんこれがダイジェスト版と言うことを考えても、
    全然悪妻だなんて、思わなかった。

    半分くらいは漱石先生の聞き間違いと思い込みがあるのではないかな?と感じた。

    嫌味で偏屈で神経質な人が自ずから、「怒ろう、怒ろう」と
    つとめていると言う印象。

    自分がとっても体調が悪いときの感覚(誰が何をしても腹が立つ)が甦ってきた。

    あと、亡くなる間際の日記。
    植物のことばかり沢山書いてあるのが、しんみりと悲しい。

    これは夏目漱石と言う人を知るうえで、重要なものだとは思う。
    あとは中勘助や百閒や、もちろん子規や虚子など、
    「お、出てきた、出てきた…」と言う楽しみはある。

    でも、この本だけでいうと、
    折々に読み返したくなるような楽しい内容という訳ではない。
    だけど、何度も言うけどダイジェスト版、だから、ね。

    全集の日記のところだけの巻、
    この間調べたら結構安く売っていたから、
    それをちゃんと読んでから、ちゃんと感想を言います。

  • 趣の異なる日記(時期も違う)がいくつか入っているので感じはそれぞれ異なる。

    ロンドン留学日記でいきなり船酔いで苦しんでて吹いた。夏目さんかわいいです。茶会に呼ばれて「厭だなー。」(原文ママ)って書いてる夏目さんかわいい。

    後半家庭の中での日記になってくるとすでにちょっと精神的にまずいことになってそうな文面でかわいそうだった。なんであんな風になってしまったんだろう。寄ると触ると奥さんと下女に文句つけてる。夏目さんと奥さんの不仲は有名ではあるけど、病気している時の日記ではいい奥さんだと感じたのになぁ。

    しかし英語できて、漢文できて、時代的には当然だけど古文もできて…チートだな夏目さん。

  • 夏目漱石が周りにイライラしてるのを楽しむ本だった。
    半分くらい面白い。
    残り半分はそんなに面白くない。

  • 漱石は作品のほかに膨大な日記・その断片を残している。ロンドン留学時の日記・「それから」連載中の日記・修善寺大患時の日記・明治の終焉時の日記など、七篇の日記を収録。

    日記ってそもそも誰かに読まれることを想定されて書かれているものじゃないと思うので、いざ読もうと思っても結構難しかった。特に最初は文語文体っぽいもので書かれているので一苦労。倫敦の日記が一番読みものとしては面白いかも。満韓紀行記はよくわかんなくてほとんどスルーする感じで読んでしまいましたワ。すみません。
    修善寺の日記は「思い出すこと」の補完的な要素もある感じがした。いやしかし文章にしてみると相当漱石弱ってたんだなあとしみじみしました。ひどかったのね、よくぞ生き返ってくれた。
    しっかし大正三年の家庭日記は鏡子夫人や下女への文句が辛辣過ぎてかなり鬱になりましたはい。でもこれらの漱石の負の面を小宮たちが隠してたのはもっと嫌。そりゃ小宮からすれば偉大な先生だったんだろうし病的な部分全部隠して讃えたかったんだろうど、本当のことを伝えるのも大事だと思う。だから私は鏡子夫人の言葉や次男の伸六氏の言葉の方を信じます。
    大正五年の晩年日記は最後の方は植物の描写に終始してて何となくわびしい感じがしました。これで日記が終わるっていうのが何とももの悲しいです。

  •  
    ── 夏目 漱石/平岡 敏夫・編《漱石日記 19900416 岩波文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4003190025
     
     平岡 敏夫 国文学 19300301 香川 20180305 88 /群馬県立女子大学長
    /透谷、漱石ら近代文学研究/詩人/喪主は妻 豊子&長男 可奈之(,Kanashi)
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%CA%BF%B2%AC+%C9%D2%C9%D7
    (P208-209)
     
    (20091108)(20180313)
     

  • 英国留学日記や満洲・朝鮮記者旅行日記、修善寺大患日記、家庭問題日記、明治終焉日記などが採録されている。読み手を意識していない純粋な日記なので、多少読むのがしんどいところもあるけど、漱石の頭の中や無意識を読むことのできる本。<HR SIZE=1 NOSHADE>「未来は如何あるべきか。自ら得意になる勿れ。自ら棄る勿れ。黙々として牛の如くせよ。孜々として鶏の如くせよ。内を虚にして大呼する勿れ。真面目に考えよ。誠実に語れ。摯実に行え。汝の現今に播く種は、やがて汝の収むべき未来となって現わるべし。」p48

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