一国の首都 他一篇 (岩波文庫 緑 12-15)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003190357

作品紹介・あらすじ

一国の首都は譬へば一人の頭部の如し-。全国民に首都への愛情と自覚を訴え、善美なる「世界の東京」建設を、雄大な構想と緻密な観察のもとに書き上げた大論文。今なお痛切な問題提起と卓見に満ちた露伴の筆は、市街整美から教育機関、道路、上下水、衛生、防災、警察、公園、娯楽、売淫史に及ぶ。「水の東京」を付す。

感想・レビュー・書評

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  • 1899年に刊行された幸田露伴の東京論。教育、道路、水道、ゴミなど広範に論じられている。なかでも遊郭など性風俗についての叙述は、その江戸時代以来の歴史にも触れるなど、極めて分量が多い。当時の東京の様々な問題のなかでも、ここに江戸育ちの露伴が最も関心を示していたのは、興味深い。

    解説は詩人の大岡信。正岡子規の東京論との比較などがなされている。

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著者プロフィール

1867年(慶応3年)~1947年(昭和22年)。小説家。江戸下谷生まれ。別号に蝸牛庵ほかがある。東京府立第一中学校(現・日比谷高校)、東京英学校(現・青山学院大学)を中途退学。のちに逓信省の電信修義学校を卒業し、電信技手として北海道へ赴任するが、文学に目覚めて帰京、文筆を始める。1889年、「露団々」が山田美妙に評価され、「風流仏」「五重塔」などで小説家としての地位を確立、尾崎紅葉とともに「紅露時代」を築く。漢文学、日本古典に通じ、多くの随筆や史伝、古典研究を残す。京都帝国大学で国文学を講じ、のちに文学博士号を授与される。37年、第一回文化勲章を受章。

「2019年 『珍饌会 露伴の食』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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