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Amazon.co.jp ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784003200490
感想・レビュー・書評
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杜甫詩選
岩波文庫 赤4-9
編:黒川 洋一
出版社:岩波書店
杜甫(712-770) は、盛唐の人で、詩聖と呼ばれる。
曰く、詩経から唐代までの2千年の歌謡・漢詩の伝統の上に立って、その伝統を統合し、深く掘り下げた詩人である。また、杜甫以前にはなかった修辞や、感情的表現を取り入れ新しい時代を拓いた。
こうした話を聞くに、ベートーベンを思い浮かぶ。まさに、伝統の完成者であり、次なる時代への継承者と感じる。
ただ、長い詩が多く、初心者には、気が重い。律詩(8句1首)の達人であり、七言律詩56文字がくらいまでが読みやすい。
私感ですが、酒句については、李白に及ばず、人からみは、ちょっと暗くて、季節、特に、春、秋の歌が響きがよい。
杜甫の歌は、杜工部集という詩集にまとめられていて、旧唐書曰く、60巻とあるが、残念なことに、20巻しか伝わっていない。呉若本と、王琪本の2つの底本があり、1400首あまりが当代に伝わっている。
本書は、その中から、140首を選び、時系列に並べたものである。
気になった漢詩は以下のとおりです。春望、登高などは有名ですが。
登兗州城楼 五言律詩
春望 五言律詩
春宿左省 五言律詩
春夜喜雨 五言律詩
江亭 五言律詩
落日 五言律詩
登楼 七言律詩
倦夜 五言律詩
旅夜書懐 五言律詩
秋興(八首)七言律詩
日暮 五言律詩
登高 七言律詩
冬至 七言律詩
目次
1 浪人生活の歌
2 安史の乱時の歌
3 成都流寓の歌
4 南国漂泊の歌
ISBN:9784003200490
出版社:岩波書店
判型:文庫
ページ数:400ページ
定価:1050円(本体)
1991年02月18日第1刷発行
2020年05月15日第24刷発行詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
事前知識無しで挑んだせいかもしれないが、面白さがいまいちわからず親しめず、読了までに3日もかかってしまった。
しかし漢詩の知識がほぼなくとも、杜甫の詩の巧みさや技量はひしひしと伝わってきた。本書では年代順に杜甫の詩をまとめているが、その人生の歩みに合わせてなのであろう、詩に描かれる対象も変化しており、社会的事象、旅の風景、老いの悲しさや客人との付き合いなど生活のさまざまも描かれている。
個人的には自然の風景を描いた詩が好みであった。フレーズ登録をしたいと思ったのだが使われている漢字が難しく変換で見つけられないため骨折り損のくたびれもうけとなった。
また個人的に大層驚いたのが、社会(政策や新たな王への)批判の詩が少なくなかったことであった。年表にいわく杜甫は罪のある廷臣を庇ったかどで有罪となったとあるが、当時の社会(政策)批判をしても身に危険は及ばなかったのであろうか。 -
謝霊運しゃれいうん。※南朝・宋。
盛年(せいねん)重ねて来たらず、一日(いちじつ)再び晨(あした)なり難し。時に及んで当(まさ)に勉励す(つとめはげむ)べし、歳月(さいげつ)は人を待たず。陶淵明『雑詩』※南朝・宋。
花間 一壺の酒、独り酌んで相親しむ者なし。杯(さかずき)を挙げて名月をむかえ、影に対して三人と成る。李白『月下独酌』※盛唐。安史の乱で投獄される。山中で気ままに暮らす詩仙。
募兵集団のリーダー(節度使)安禄山が反乱を起こし、長安に侵入すると、玄宗と楊貴妃は逃げ出した。長安は暴徒に破壊された。杜甫は荒れ果てた長安を見て言う。国は滅びて、もとの姿はなくなってしまったが、山や川だけは昔のままの姿をのこしている。国破れて山河あり。杜甫 -
岩波文庫 杜甫 詩選
この本も吉川幸次郎「杜甫ノート」同様に 詩を 浪人生活、安史の乱、成都、南国漂泊の4時代に区分している
1区分(浪人生活時代)から2区分(安史の乱時代)において、詩が大きく変化していることがわかる
2区分の詩は ストーリー性があり、虚構が著者の感情を代弁していて、日本語訳だけでも面白いのに対して、1区分の詩は 季節感のない風景と不平不満ばかり目立って、日本語訳にすると面白みがない
3区分(成都時代)以後の詩は 松尾芭蕉の原型を感じる。モチーフの中から無常観、自然の秩序と人間界の無秩序の対比 を捉え、一喜一憂することなく、軽々と生きている感じ。
漢詩の単調な強さは 中国の強さなのかもしれない。助詞(てにをは)がないことで、漢字そのものの意味を強調しながら、類似音や韻字の繰り返しでリズムを作っている
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李白より杜甫の方が、自分には合っている。
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この書籍は、中国の唐の時代の「詩人」で有名な人「杜甫」の詩を選んで掲載されています。
掲載の仕方は、他の書籍とは違っていまして「詩」を「杜甫」の生きていた「人生」通りに掲載していますし、上部に原文をその下に書き下し文。その次にその「詩」の意味が載っていますので、読者が解るようになっています。 -
山上憶良を思い出してしまった。
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かの俳聖芭蕉翁が愛好したという杜甫の詩。
好きではあるが、李白に比べて整いすぎた詩風や、愚痴じみた長ったらしい詩が多いことからむしろ苦手だったりもする。
しかし、「春夜喜雨」「落日」「旅夜書懐」「夜」
「秋興」「登高」「登岳陽楼」など、成都に流寓してからの詩と南国を漂白していた頃の詩には自然、景勝、感懐を巧みに詠み込んだものがあり、これが非常に好みでやはり疎かにはできない詩人だと改めて感じた。
編者の嗜好なのか、「貧交行」「飲中八仙歌」
「曲江」「蜀相」「絶句」などが載っていないようで、非常に残念。 -
題名のすぐ後に、詩の形式、書かれた年号、歳、場所の説明がある。説明の次に原文が上、下に書き下し文がならんで置かれる。さらに訳、注釈がついていて非常に良い。巻末に略年譜と短い解説も付いている。文字の大きさもちょうど良い。140首、年代順。
好きな詩は「登岳陽楼」(p. 371) -
杜甫の素晴らしさはその人間賛歌です。
大昔の、異国の地の作品にも関わらず、
親近感すら抱かせる普遍性もあります。
杜甫の作品
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