西遊記 7: 全十冊 (岩波文庫 赤 20-7)

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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (460ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003202074

作品紹介・あらすじ

火焔山の炎をおさめ,祭賽国を乱す妖怪をとらえ,道々,恩沢をもたらしつつ歩を進める一行の行く手にたちはだかるは荊棘嶺.八戒はおおまぐわを振り回し,悟空とともにいばらをかきわけ,夜を日に継いで師匠を導く.またも日が暮れかかるころ,折よくあらわれた廟の前で馬を降りた三蔵を,一陣の妖風がさらう.改版.全10冊.

感想・レビュー・書評

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  • 旅は続く。この巻で特に面白かったのが、孫悟空が病に伏せる王に薬を処方するくだり。国中から多くの薬の素材を集めさせながら、使ったのは2つだけ。あとは馬の尿と雨水で薬のできあがり(もちろん王は知らない)。それで王の腹がくだって、体内に残留していた固形物がでて、王は健康を取り戻す(もちろん王は薬の効果と信じている)。病は気から。薬が効くのも気持ち次第。

  • 悟空が医術を披露するとは思わなんだ。うつ病の国王の体調を回復させ、お妃救出に向かうのだが…。その国を通るためとはいえ、おせっかいが過ぎるのでは?ただ興味の赴くままに国王に接近して挙句妖怪退治を約束。正義感と興味が彼の底知れない能力を引き出しているのだなあ、と感心。一方で三蔵の無力さが歯がゆくなる。早く続きが読みたい。

  • 旧訳版。
    後半の、でかいうわばみとか悟空がお医者さんになるとかの話すごい平和でにやにやしながら読んでしまったわ。
    八戒も何かいい奴になってきたし、悟空もちゃんと力あるんやなっていうのが分かる。
    白馬も喋ったで。

  • 終巻に近づくにつれ、妖怪たちもパワーが増している。
    観音や天帝そして神々に応援を頼んで解決しているのが
    「困ったら上長に相談」「関係者を巻き込む」など、
    マネジメントぽくっていいね。
    更に、その妖怪が神々の(上長の)管理ミスで誕生しているところが面白い。

  • 読めば読みほど、悟空が可愛い。
    三蔵さんはたまにむかつくけれど、へなちょこぶりがいいかなとも。
    やっぱり、人間ですから。どんなに偉い人でも。
    そして周りは大抵が妖怪ですから。
    獲って食われるっていう危険て、少なくとも現代日本人の私には
    わからない恐怖だし。

    自分の印象、ドラマやアニメなどのリメイクでは、悟浄って普通に活躍しているけれど、
    原作はそうでもなくて、三人の弟子の中では普通の人で、
    妖怪を倒す力とかはそんなにないんです、みたいなことを自分でも言ってる。
    妖怪に誘拐されたお師匠様を助けなきゃ!ってときも、
    悟空がひとりで行くか、八戒を連れて行くかで、
    悟浄は大抵が馬と荷物を見張ってひとりでお留守番。ちょっと意外でした。

    それにしても、神様って、お経と取りに行かせるんだったら
    普通に行かせてくれればいいのに、受難は修行に必要だから与える。
    けど、助けてくれる。
    黙ってても助けてくれることもあるけど、悟空が頑張って、
    駄目なときは助っ人を頼みに行く。その繰り返し。
    やっぱり神様って、不思議だなあ。
    本当に昔話の神様って、結構ひどかったり人間ぽかったりする。
    どこの国や種族のでも。

  • 読んでますよー

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著者プロフィール

1933年生まれ.
1956年,北海道大学文学部中国文学科卒業.
北海道大学文学部助教授.
主 著:
砂漠に埋もれた文字—パスパ文字のはなし (塙書房,1971)
海燕(長編小説) (潮出版社,1973)
中国人の思考様式—小説の世界から (講談社,1974)
カニバリズム論 (潮出版社,1975)
悪魔のいない文学—中国の小説と絵画 (朝日新聞社,1977)


「1979年 『辺境の風景 日本と中国の国境意識』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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