西遊記 9 全十冊 (岩波文庫)

  • 岩波書店 (2005年6月17日発売)
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本 ・本 (446ページ) / ISBN・EAN: 9784003202098

作品紹介・あらすじ

三蔵の凶星はいまだ消えず。鎮海禅林寺でわずらいつくと、すっかり気弱になり、唐の天子に遺言を書く始末。またも弟子たちに手をひかれ、ようようたどりついた先は滅法国。そこでは和尚1万人を殺すという国王の願掛けが、あと4人でめでたく満願になるところ。一行は頭巾であたまをつつみ、長持にもぐりこむ。改版。(全10冊)

感想・レビュー・書評

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  • 1. 鎮海寺で小坊主が失踪する事件があって、陥空山で玄奘に求愛する侘女(地湧夫人、金鼻白毛の鼠精)との戦いになり、李天王やナタに出馬してもらって解決する(第81〜83回)
    2. 僧侶を一万人殺害することを誓った王が治める滅法国の話、師弟は馬商人に変装して、通りすぎようとするが、正体を露見しないように長持ちの中に隠れて眠ったところ、山賊に長持ちが盗みだされ、山賊が討伐されて王の前に引き出されるはめに。悟空が先に抜けだして、分身の術で王宮の全員を剃髪してしまった。(第84回)
    3. 南山大王との戦い。分瓣梅花の計(偽物による分断作戦)で三蔵をさらわれ、取り返しに行くが、妖怪たちがもう三蔵を食べてしまったとニセの生首まで差し出す。弟子達は師の墓までつくる。悟空の潜入作戦で、三蔵と木こりを救出する。南山大王は豹の精だった。木こりと八十三歳の母は再会し、食事の礼をうけて、もうすぐ天竺国に着くことが告げられる(第85回〜第86回)
    4.天竺国鳳仙郡の上官という姓の官吏が収める街で、雨乞いをする話。上官が夫婦げんかの腹いせに天地を祭る供え物をひっくり返し、イヌに食わせたために、玉帝が三つのしかけを作って罰していた。悟空がそれを調べ、上官が正道に返って天を拝したので、竜王らが雨をふらす(第87回)
    5. 天竺国玉華県の話、ここでは三人の王子が悟空・八戒・悟浄に弟子入りして武芸を習う。三人の武器のコピーをつくろうと外に出しておいたら、豹頭山の黄獅に取られる。ねぐらに押しかけて武器を取り戻し、洞を焼き払うが、黄獅が祖父の九頭獅子をつれて復讐にきて、三蔵、王、王子を連れ去る。悟空が九頭獅子の主人である太乙救苦天尊を連れてきて引き渡す(第88回〜第90回)

  • 天竺までもう少しなのに、相変わらず妖魔が襲い掛かる。この巻で特に面白かったのは、王のふとした行動から、仏様の怒りを買い、罰として3年間、雨が降らなくなった国のお話でした。悟空が仏様たちに掛け合い、救ってあげるお話。妖魔を退治する話の合間に、こういうちょっと変わったエピソードがあるのがまた楽しい。
    次が最終巻か。

  • 旅の期間はこの巻で14年。三蔵法師は40代?それにしても師匠と弟子のご一行には過ぎ去りし年月が感じられないのである。相変わらず三蔵法師がさらわれる場面が多い。いずれも彼が一人ぼっちになったときに起きている。反省がないなあ。さあ、次回はいよいよ最終巻!

  • 旧訳版。
    この巻は、化け物を調伏できんくて困って援軍を求める、みたいなのがあんまりなくて、悟空らが自分たちだけの力で乗り切ってる回が多くて読んでてスカッとする。
    なた太子(変換めんどくさい)の出生の秘密や、悟空と八戒と悟浄の空中妙技も見所だぞ!

  • そろそろネタ切れですね^^;
    次冊で最後、いよいよ到着。
    結末を知らないので楽しみだ。

  • 女妖だけでなく、菩薩が飼っている獅子が逃げ出したという設定がある。国王が仏を粗末にしたために日照りがあったという設定は珍しい。

  • 作者が代わっているので、細かい違いが気になります。
    この巻に限った話ではないけれど。
    この巻で言うなら、那托親子が悟空に協力的じやないところがちょっとがっかり。
    仲良く手助けしてくれている方が嬉しい。
    親子の仲も、その方が良さそうに見えるし。


    言葉遊びのようなものも多くて、訳すのにそんなところまで
    考えなければいけないのかと思うと、凄いなと思う。なんて奥が深い。
    つっこみどころも満載ですけども。


    世間でよく知られている、他のアニメなんかでモチーフにされていることって
    本当にほんの、途中の一部なのだなとよく分かりました。
    牛魔王とか芭蕉扇とか、この物語の中で特に強い敵や武器というわけでもないんだよね。

  • ようやく天竺に!でも天竺=お経じゃないのね。天竺の中にたくさん街やら山やらがあるわけね。おk把握。いよいよ八戒が可愛いです。この巻には完全に脇役扱いな悟浄のレアな戦闘シーンも収録されてて、マニア垂涎。これっぽっちじゃ物足りない!と言う悟浄ファンには、中島敦「悟浄嘆異・悟浄出世」がお勧め。

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著者プロフィール

1933年生まれ.
1956年,北海道大学文学部中国文学科卒業.
北海道大学文学部助教授.
主 著:
砂漠に埋もれた文字—パスパ文字のはなし (塙書房,1971)
海燕(長編小説) (潮出版社,1973)
中国人の思考様式—小説の世界から (講談社,1974)
カニバリズム論 (潮出版社,1975)
悪魔のいない文学—中国の小説と絵画 (朝日新聞社,1977)


「1979年 『辺境の風景 日本と中国の国境意識』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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