菜根譚 (岩波文庫)

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本棚登録 : 629
レビュー : 49
  • Amazon.co.jp ・本 (390ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003202319

作品紹介・あらすじ

「人よく菜根を咬みえば、則ち百事なすべし」。菜根は堅くて筋が多い、これをかみしめてこそ、ものの真の味わいがわかる。中国明代の末期に儒・仏・道の三教を兼修した洪自誠が、自身の人生体験を基に、深くかみしめて味わうべき人生の哲理を簡潔な語録の形に著わした。的確な読み下し、平易な訳文。更に多年研究の成果は注と解説にも充分に盛りこまれている。

感想・レビュー・書評

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  • 人生の処世術を深めるために、机の横に常に置いておき、毎日、何度も少しずつ繰り返し読んでいきたい。
    置かれた立場、また時期によっても、響くところが変わってくると思うのだが、現在、自分として記録しておきたい箇所は以下の通り。

    以下引用~

    ・富貴や名誉も、徳望によって得たものは、たとえば自然の野山に咲く花のようで、ひとりでに枝葉が伸び広がり十分に茂ってゆくものである。(これに対して)事業の功績によって得たものは、たとえば人口の鉢植えや花壇の花のようで、移しかえたり、捨てたりまた植えたりされるものである。もし権力によって得たものであれば、たとえば花瓶に差した切花のようで、その根がないのだから、しぼむのはたちどころの間である。

    ・真に清廉なる者には、清廉という評判は立たない。清廉という評判が立っている人は、実はそれを手段とする欲張りな人である。また、真に巧妙な術を体得した者は、巧妙な術などは見られない。巧妙な術を用いる人は、実はそれがまだ板につかない全く拙劣な人である。

    ・悪事をなして、人がそれを知ることを恐れる者は、悪事をなす中にもなお善に向おうとする心がある。(これに反して)善行をなして、人が早くそれを知ってくれるようにと願う者の方が、善行の中にも悪に向おうとする心があるものだ。

    ・苦しんだり楽しんだりして、修行を重ね練磨して作り出した幸福であってこそ、その幸福は永続する。
    また、疑ったり信じたりして、苦心を重ね考え抜いた知識であってこそ、その知識は本物になる。

    ・まだ成就していない事業の完成をあせるよりも、すでに完成している事業を永く保ち発展させる方がましである。また過去の過失をいつまでも後悔するよりも、将来の失敗を早く予防する方がましである。

    ・文章というものは、最高の域に達すると、特別に珍しい技法があるものではなく、ただぴったり合った表現をするだけである。人格も、最高の域に達すると、特別に変わった点があるものではなく、ただ自然のままだけである。

    ・人を信用する者は、人は必ずしも皆が皆、誠実であるとは限らないが、少なくとも自分だけは誠実であることになる。(これに反して)人を疑う者は、人は必ずしも皆が皆、偽り欺くとは限らないが、少なくとも自分がまず偽り欺くことになる。

    ・他人のあやまちは許すがよいが、しかし自分のあやまりは決して許してはならない。また、自分のつらいことはじっと耐え忍ぶがよいが、しかし他人のつらいことは決して見逃してはならない。

    ・自分の功績に得意になり、自分の学問を見せびらかすのは、みな自分以外の外の物にたよって人間として生きているに過ぎない。この人たちは知らないのだ。心の本体が玉の輝くように明らかで、本来の光りを失わなかったならば、たとえ少しの功業もなく、一字も読めなくとも、正々堂々たる人間として生きていけるということを。

    ・つまらぬ小人どもを相手にするな。小人には小人なりの相手があるものである。また、りっぱな君子にこびへつらうな。君子はもともとえこひいきなど、してくれないものである。

  • この本の内容を、物心が付く頃から自分に教えてくれる人がいたなら、どんなに良かっただろうと思う。
    『菜根譚』は明代の末期に洪自誠という人によって書かれたという。
    どの頁を読んでも、何百年も前に生きた賢人が知恵を授けてくれるという有り難さ、古典の素晴らしさを感じた。
    我々が、一から経験し失敗してやっと悟って、としていると短い人生では時間が足りない。
    古人の経験と知恵の上に乗り、よい人生を歩むために古典を読むべき、と言われる意味を痛感する本だった。
    人の世で生きる知恵が盛り沢山で、心に染みる言葉が沢山あった(特に前半)。

    どんな本を読むのか、読む本を選ばなければいけな、とつくづく思えた本。

    繰り返し読みたいと思う。

    いろいろな訳がありますが、自分にはこの岩波の訳がすっと入りました。

  • 本当におすすめ。人生の悩みや考え方について向き合うことができる。

  • 外界が境遇に左右されず、安定した精神で愉しく生きることの肝要が説かれる。無為自然、清貧、中庸、といったキーワードを感じた。似たような内容の処世訓がずらりと並ぶが、読み進めるうちに、味が出てくる。心のガイドラインとして現代でも充分有用と思う。

  • 性格にしても生活にしても素朴で普通が一番というのが、一つこの本が持っているメッセージだと思います。

    無意識に思い上がってるような時、落ち込んでいる時など、気持ちのアップダウンを調整してくれる本、読む度に重要な気づきを与えてくれる本として枕元に置いておき、この先ずっと付き合っていきたいと思える本です。

  • 元上司の方に読んでみ?と言われいただいた本。

    人生訓というか処世術というか、仕事関係だけでなく広くこれからの人生において指針となる内容だった(中学生並みの感想)

    人から勧められる本を読むのってあんまりないんだが、普段だったら絶対興味を示さないジャンルの本なのでこうやって読む機会が持ててよかった。

  • 本のタイトルすら読めなかったが、訳が上手いのか 頭に入りやすかった。

    中でも 際立っているのが
    24「清いものは常に汚れたものから生まれ、光り輝くものは常に暗闇から生まれる」だから 潔癖にならず、汚れや けがれを 全て飲み込め とまで言っている。その通りだと思う


    他にも 何となく 聞いたことがあったり、知らぬうちに実践していたり しているのもあり 汎用性の高さに驚いている

    80「未完成をあせるより 完成したものを長続きさせる方がまし。過去を後悔するより将来の失敗を早く予防する方がまし」

    109「老後の病気は若い時に摂生しなかった報い、下り坂での災いは 盛んな時に無理をした罰」

    156「人格は事業の基礎である」

  • 清貧の教え。昔の中国の良さ。

  • 新書文庫

  • 処世術が細かく書かれている著書。前編は抽象的ながら考えさせられる文が書かれていて、後編には具体例の多い書かれ方がされていた。また、こちらの著者が悩んでいた部分があるのではないかというものがあった。人間が書いた人間の本という感じがする。かなりおすすめ。

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著者プロフィール

中国明代の著作家。 本名は洪応明で、「自誠」は字。号は、還初道人。万暦年間(1573年 - 1620年)の人物とされる。著書に、儒仏道の三教を融合した『菜根譚』、仙界・仏界の古典のなかから逸事や名言を抜き出して編集した『仙仏奇蹤』四巻がある。詳しい経歴は不明ながら、若い頃科挙の試験に合格して官界に進んだが中途で退き、もっぱら道教と仏教の研究に勤しんだとされる。

「2018年 『1分間菜根譚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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