- Amazon.co.jp ・本 (130ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003202531
感想・レビュー・書評
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岩波文庫
魯迅 「 朝花夕拾 」
幼年時代から日本留学時までの自伝的回想録。政府や名士への批判、辮髪など清朝風俗 への皮肉は、随所に見られる
構成は、文学革命や儒教思想の矛盾、医療の低さ、遠野先生や友人范愛農との出会いと別れ のエピソードなど
遠野先生や友人范愛農との出会いと別れのエピソードは印象に残る。魯迅の誠実さと後悔、藤野先生の教育者の姿勢、不器用な友人の哀しい死 が伝わる文章。タイトル通り、時間を経ても変わらない意味を知り、人生を見直している感じ
祭礼や鬼神など 民間信仰のエピソードの意味が よくわからなかった。宗教的な意味なのか? 民俗学的興味なのか?
暗黒時代の中国で、民衆に 自分たちこそ 世界の中心であるという中華思想を思い出させたのが 魯迅なのだと思う。外国排斥ではなく、まず変わるべきは 自分たち という姿勢が伝わってくる
名言
*もう思い出しかないという風になっては、生きていてもつまらない
*世の中の出来事も相変わらず螺旋みたいなものだ
*何か書く場合〜一部の人々に痛い処を突いてやる時が多い
*神様は〜勝手に人を殺してよい権利を持っているようだから、人民の生死の大事を掌るものと言った方がいい
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私は中国で成長した。三年前、父は死んでしまった。
「父の病」、魯迅の留学の原因、読むたびに、涙が悲しくなる。その無力感を,私は感じることができます。 -
初魯迅。
予想に反してなかなか読みやすかった。
加えて魯迅の思想、考え方はとても公平で
変な見栄、偏見といったものがなく、
全体的に好感が持てた。
とは言いながら。
面白く読みはしたが、
国語の勉強のようでなかなか読み終わらなかったので
★4とつけたら嘘になる。
私は昔から古文や漢文が苦手で、
旧かな使いの文章が出てくると
途端に理解度が落ちる。
そのため殆ど字を追っているだけの箇所もあり。
いつかもう一度読み直したいけれど…、
多分しないだろうな。
高校生とかの時に読みたかったかも。 -
ちょうかせきしゅう、と読む。
大学の講義でトヨオに読めといわれた。
中国のインテリは桁外れにインテリで始末に終えない。
彼の文学はイマイチのクォリティだが、彼の目は素晴らしい。