白楽天詩選 (上) (岩波文庫)

著者 :
制作 : 川合 康三 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 41
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003204412

作品紹介・あらすじ

白居易、字は楽天。位は人臣を極め、唐代の詩壇を席巻し、古来日本で最も愛誦された大詩人(七七二‐八四六)。世の不正を憤る諷諭詩、日々の幸せを慈しむ閑適詩、玄宗と楊貴妃の愛の賛歌「長恨歌」、名高い「琵琶行」等々、清新多彩な作を生涯に沿い精選。上巻には六十九首を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 私の手元に、「白楽天詩選」上下(岩波文庫)があります。
    中唐の詩人で字が楽天、白 居易という。
    古来より多くの日本人に愛され、
    菅原道真、、『枕草子』、『源氏物語』などに多大な影響をあたえたことは有名。

    「白楽天詩選」中で気に入った一篇の詩を紹介しましょう。

    「洛陽に愚叟(ぐそう)あり」

    洛陽に愚叟あり
    白黑の分別無し
    浪跡 狂に似たりといえども
    身を謀(はか)ること 亦た拙(せつ)ならず
    盤中の飯を点検すれば
    精にあらず 亦た糲(れい)にあらず
    身上の衣を点検すれば
    余りなく 亦た闕(か)くるなし。
    天の時 方(まさ)に所を得て
    寒からず 複(ま)た熱からず
    体氣(たいき)正(まさ)に調和し
    飢えず 仍(な)お渇(かっ)せず
    閑(しず)かに酒壺(しゅこ)を將(もっ)て出で
    醉(よ)いて人家に歇(やす)む
    野食 或(ある)いは鮮を烹(に)
    寓眠 多く褐(かつ)を擁(よう)す
    琴を抱く 栄啓期(えいけいき)
    酒を縦(ほし)いままにす 劉伶の達
    眼を放(はな)ちて青山を看
    頭(こうべ)に白髪生ずる任す
    知らず 天地の内
    更に幾年の活くるを得ん
    此れ從(よ)り身を終うるに到るまで
    尽(ことごと)く閑日月(かんじつげつ)と為(な)さん


    (訳) 洛陽に愚かな翁がいる
     
     洛陽に愚かな翁がいる 
     白と黑の区別もできない
     ふらふら歩き回るのは頭がおかしいようだが、処世の点では拙くもない
     皿の中の飯を調べてみると、高い白米でもなく、安い黒米でもない
     身に付ける服を調べてみると、余るほどの数はないが足りなくもない
     天の時節もちょうど折りよく、寒くもなければ暑くもない
     身体の気も調和がとれ、腹も減ってないし喉も渇いていない
     のんびり酒壺を手に出歩き、酔っては人の家で休む
     野では野菜を煮て食らい、どこでも粗布にくるまり眠る
     琴を抱いた栄啓期、好きなだけ酒を飲む劉伶の闊達さ
     飽きるまで山々を眺め、頭の白髪は生えるにまかせる
     この天地のなかに、この先、何年生きられるだろう
     今から生を終えるまで、すべて気ままな時間にしよう


    尚、栄啓期は古代の自由人。「栄啓期の三楽」として知られる。
    孔子が泰山に旅をした時のこと、
    琴をかきならしながら、楽しげに歌っている栄啓期を見かけた。
    「何がまたそんなに楽しいのかね」。孔子がそう尋ねると、栄啓期は答えた。
    「この世に人として生まれることができた、これが一楽である」
    「なかでも、わしは男として生まれた、これが二楽である」
    「若くして亡くなる人もあるが、わしは九十歳になる、これが三楽である」
    「貧乏は男のさだめ、死は人生の終わり。
      さだめに安んじ終わりを全うできるなら、
      何をくよくよと思い悩むことがあろうか」

    また、劉 伶は、竹林の七賢の一人。
    因習にとらわれず、自由闊達に生き、こよなく酒を愛した賢人

  • 岩波文庫:赤 080/I
    資料ID 2011200222

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