バガヴァッド・ギーター (岩波文庫)

制作 : 上村 勝彦 
  • 岩波書店
3.86
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本棚登録 : 429
レビュー : 49
  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003206812

作品紹介・あらすじ

インド古典中もっとも有名な本書はヒンドゥー教が世界に誇る珠玉の聖典であり、古来宗派を超えて愛誦されてきた。表題は「神の歌」の意。ひとは社会人たることを放棄することなく現世の義務を果たしつつも窮極の境地に達することが可能である、と説く。サンスクリット原典による読みやすい新訳に懇切な注と解説をくわえた。

感想・レビュー・書評

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  • こりゃ凄い。私のバイブル。

  • 個人的な思い出なのだが、上村先生にこの「ギーター」の講読の指導を受けたことがある。その時、先生がおっしゃっていたのは「『マハーバーラタ』を訳すと死んじゃうからね」ということだ。「バーラタ」の全訳に外国人で成功した人は一人もいないので、複数の人間で取り組んだ方が良いという趣旨のことをおっしゃっていたように思う。あとから考えるに、その頃はお身体をこわして、「マハーバーラタ」の全訳を半ば諦めかけていた時期だったようだ。その後、全訳に着手したことを喜んでいたのだが、あのような結果に終わりとても残念だ。

  • この世に生まれたからには、定められた行為に専念する事。

    あらゆる者の身体にあるこの主体(個我)は、常に殺されることがない。それ故、あなたは万物について嘆くべきではない。

    もしあなたが義務に基づく戦いを行わなければ、自己の義務と名誉を捨て、罪悪を得るであろう。

    相対を離れ、常に純質に立脚し、獲得と保全を離れ、自己を制御せよ。

    あなたの職務は行為そのものにある。決してその結果にはない。行為の結果を動機としてはいけない。また無為に執着してもならない。

    執着を捨て、成功と不成功を平等のものと見て、ヨーガ(実践)に立脚して諸々の行為をせよ。ヨーガは平等の境地。

    愚者が行為に執着して行為するように、賢者は執着する事なく
    、世界の維持のみを求めて行為すべき。

    賢者は専心して行為しつつ、愚者達をして一切の行為にいそしませるべき。

    諸行為は全てプラクリティ(根本原質)の要素によりなされる。我執(自我意識)に惑わされた者は、「私が行為者である」と考える。しかし、要素と行為が自己と無関係であるという真理を知る者は、諸要素が諸要素に対して働くと考えて執着しない。

    思考器官(マナス)は諸感官より高く、思惟機能(ブッデイ)は思考器官より高い。そして、彼(個我)は思惟機能よりも高い。自らの自己(アートマン)を確固たるものにして、欲望という難敵を殺せ。

    自ら自己を克服した人にとって、自己は自己の友である。しかし、自己を制していない人にとって、自己は敵のように敵対する。

    梵天(ブラフマー)の世界に至るまで、諸世界は回帰する。だが、
    神に達すれば、再生は存在しない。

    非顕現なものに専念した人々の労苦はより多大である。全ての行為を神のうちに放擲し、神に専念してひたむきなヨーガによって神を瞑想し、念想する人々は、生死流転の海から救済される。

    神に知性を集中せよ、それができないなら常修のヨーガによって神に達する事を望め。もし、それもできないなら、神の為の行為に専念せよ。神の為に行為をしても、あなたは成就に達するであろう。もし、それもできないなら、神へのヨーガに依存して、自己を制御し、全ての行為の結果を捨てよ。

    知識は常修より優れ、瞑想は知識より優れ、行為の結果の捨離は瞑想より優れている。捨離により、直ちに静寂がある。

    全ての者に敵意を抱かず、友愛あり、哀れみ深く、「私のもの」という思いなく、我執なく、苦楽を平等に見て、忍耐あり、

    常に満足し、自己を制御し、決意も堅く、神に意(こころ)と知性(ブッデイ)を捧げ、神を信愛する事。

    苦楽を平等に見て、自己に充足し、土塊や石や黄金を等しいものと見て、好ましいものと好ましくないものを同一視し、冷静であり、非難と賞賛を同一視する。尊敬と軽蔑を同一視し、味方と敵を同一視し、一切の企図を捨てる。このような人が要素を超越した者と言われる。

    世界には二種のプルシャ(人間)がある。一つは可滅のもの。可滅のものは一切の被造物。不滅のものは揺るぎなき者と言われる。しかし、実は三つ目のプルシャがあり、それは最高のアートマンと呼ばれる至高のプルシャ。

    なすべきであると考えて、定められた行為を、執着と結果とを捨てて行う場合、それは純質的な捨離である。

    最初は毒のようで結末は甘露のような幸福、自己(アートマン)の清澄さから生ずる幸福は純質的な幸福である。感官とその対象の結合から生じ、最初は甘露のようで結末は毒のような幸福。それは激質的な幸福である。最初においても帰結においても、自己を迷わせる幸福、睡眠と怠惰と怠慢から生ずる幸福、それは暗質的な幸福である。

    何ものにも執着しない知性を持ち、自己を克服し、願望を離れた人は、放擲により、行為の超越の最高の成就に達する。

    神に最高の信愛を捧げ、神の信者達の間にこの最高の秘密を説く人は、疑いなく神に至るであろう。

  • 行為に専心することに人の幸福があるという哲学を説いたインド思想の名著。
    詩的表現の美しさとあいまって不思議な魅力を放っている。
    ある種カースト制度の維持に欠かせない根本思想となっていた側面もあり、批判的な言説も多いが、ここまで人を魅きつけるのは一定の普遍性を帯びたメッセージがあったからであろう。
    ともすれば、自由意志の放棄とも取られかれない主張でもあり、そのことが批判を生み出しもしたが、カウンターカルチャーという文脈からは強力な言説にされもした。

  • 本編と解説を軽く読んでみた。
    古い聖典だけど、わかりやすく訳してあると思った。
    予備知識を強化しつつ、何度も読むとさらに面白そう。

  • ヒンズー教の聖典の一つ。

    世界がどのようにできているかと英雄に対して神クリシュナが語るという内容。注釈もわかりやすく、くわしい。

    読んでみるとなるほど、と言える記述に出会える。

  • 王子アルジュナが、戦いの地に赴き、敵軍の中に、自らの血縁や、同朋の姿を見て、そのあまりの空しさに、戦いを放棄しようとする。

    しかし、そのとき、御者に身をやつした、最高神ヴィシュヌの化身である、クリシュナが、肉体は討たれても、魂の不死不滅を説き、武人としての責務を全うするよう、叱咤激励する……。

    そして、王子アルジュナの様々な疑問に対する問いかけに、クリシュナが応えるという形で、詩頌は展開していきます。

    ―――――

    「バガバッド・ギーター」とは、ヒンドゥー教の聖典で、「聖なるものの歌」という意味だそうです。

    『マハーヴァーラタ』という大叙事詩の一部であるとのことですが、特に、この「ギーター」は、インドをはじめとする、多くの人々に愛好されているとのことです。

    僕自身は、表現の難解さや、固有名詞の知識不足から、つっかえつっかえ読んだのですが、もともと、こうした書物は、頭で読んで理解する、というものではなく、その指し示す所に、意識を広げる、という意味で「読む」のではないかと思います。

    訳者である、鎧敦氏の序文にもあるように、「私利私欲を離れ、執着なく、なすべき行為を遂たす」ということが、この詩頌の骨子であると思うのですが、数千年たっても読み継がれ、語り継がれていく「書物」というものは、ひとにとっての、普遍的な内容を伴うものなのだと、改めて、実感しました。

    この「聖典」をものしたどなたか、サンスクリットで書かれた、難解なその内容を、研究に研究を重ね、現代の日本人にも分かるよう、訳された、鎧敦氏に、素晴らしい本を後世へ伝えて下さったことに、感謝したいです。


     荘厳なる詩頌

  • インド最古の古典で西暦1世紀頃にかかれた。インドの慣れない言葉で全てを理解はまだできていないものの教えは普遍的。例えば執着を捨て成功と不成功を平等のものと見てヨガに立脚して行為をせよ。行為の結果を動機としてはいけない。など。体で理解を近づけるためにヨガを再開したいと思う。

  • 原爆実験の直後にオッペンハイマー博士が引用したことでも知られるインド哲学の古典。


    親族との運命の決戦を目の前に怖気づいてしまう王と、

    その前に姿を現した神の対話を通じて、

    心を平静に保つことや義務を遂行することの重要性を説きます。

  • カルマヨーガの神髄が描かれています。
    まさにバイブルです。
    あなたのなすべきことは行為そのものにあり決してその結果にはない
    生まれたものに死は必定であり死んだものには生は必定であるからそれ故不可避なものに嘆くべきではない

    は決して生まれず死ぬことはない 彼は生じたこともなく、また存在しなくなることはない
    物質との接触は寒暑苦楽をもらたし来たりては去り無常である それに耐えよ

    • gendernさん
      カルマヨーガの神髄が描かれています。
      まさにバイブルです。
      あなたのなすべきことは行為そのものにあり決してその結果にはない
      生まれた...
      カルマヨーガの神髄が描かれています。
      まさにバイブルです。
      あなたのなすべきことは行為そのものにあり決してその結果にはない
      生まれたものに死は必定であり死んだものには生は必定であるからそれ故不可避なものに嘆くべきではない

      は決して生まれず死ぬことはない 彼は生じたこともなく、また存在しなくなることはない
      物質との接触は寒暑苦楽をもらたし来たりては去り無常である それに耐えよ
      2010/06/26
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