バガヴァッド・ギーター (岩波文庫)

制作 : 上村 勝彦 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 471
レビュー : 52
  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003206812

感想・レビュー・書評

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  • なにしろ怒涛の「まえがき」がすごい。
    2クールのアニメを「忙しい人のための」とかいって3分でまとめた動画を見たような感慨をおぼえる。そんなもん見たことないけど。

    弟の嫁が先に長男うんじゃって、「あっちゃー、王子の権利がァ」とか思った兄嫁が自分の腹をおもくそ殴ったら鉄の玉のようなものが出てきて、それを「ギー」(バター状の乳脂らしい)を満たした容器にいっしょに入れて二年間保存しておいたらなんとそこから百人の子供が生まれたというくだりは、いくらなんでも天才すぎるだろと思った。天才!

    とかとか、谷で神様を喜ばせたら(なにしたの?)好きなときに好きな神様を呼べる呪文を教えてもらったクンティー様が、あらゆる神様を次々に呼びだしてそれぞれの子を授かるというくだりも面白い。
    女は貪欲だなァ、というかね。「神様1000万ください」とかじゃないものね。一度でハイ終わりってお願いはしない。神様の子供が欲しいなんて最高にゼータクな願いだろうに。

    そして本編は。親戚同士の抗争に尻込みした戦士アルジュナを、クリシュナ(実は最高に偉い神様)が説き伏せ鼓舞するという内容。

    ざっくり。
    おまえは殺すっちゅーけどこの世にもあの世にも「殺す」なんてことはないのだぞ。輪廻転生ですね。クリシュナ様の境地だけが唯一、生を繰り返さないですむ場所みたい。
    えーとそれで、行為のヨーガをしろと。もうぶっちゃけ行動しろよと。

    仏教の人とかも(そんなこと言ってない)よく禁欲とか捨離とかいってね、行動すること自体を投げちゃうけど、それちょっと違くない? 行動しなきゃおまえ、いる意味ねーじゃん。いないじゃん。だから行為はしろ。そのうえで行為の結果を投げちゃえばいいの。それが正解。

    まあ行為できないなら、私、信じちゃえば? 信じるものは救われるっていうしねー。(舞城王太郎読んでるからその口調になってきてる)

    というわけで人間の性格として律すべきもの唾棄すべきものをクリシュナ様は次々に並べたてるわけです。だけどこういう「唾棄すべきもの」としてあげられる人間の性質って、あらゆる宗教でわりと似通ったところがあると思う。しかしここが東洋っぽいのかもしれんが、その理屈は決して「幸福のため」とか幸福に通ずる道として説かれているわけではなくて、もっと義務的なものなんだよなあ。

    まあ、でもあれです。

    解説読めばいいかもね。

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