四つのギリシャ神話: ホメーロス讃歌より (岩波文庫 赤 102-6)

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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003210260

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  • 古代ギリシャの詩人ホメーロスの名を冠する諸神讃歌集『ホメーロス讃歌(Hymmi homerioi)』の抄訳。同讃歌集の中でも「四大讃歌」と称される長編讃歌4編を収録しており、それぞれでギリシャ神話の著名な神々の事績を歌い上げる。
    本書は、古代ギリシャの讃歌集である『ホメーロス讃歌』から「四大讃歌」、即ち『デーメーテールへの讃歌』・『アポローンへの讃歌』・『ヘルメースへの讃歌』・『アプロディーテーへの讃歌』の4編を日本語訳したものである。底本はAllen, Thomas W., William R. Halliday, and Edward E. Sikes, eds. The Homeric Hymns (Oxford 1936 repr. Amsterdam 1980)である。豊穣神デメテルの娘ペルセポネーの略奪とエレウシスの密儀の由来を語る『デーメーテールへの賛歌』、青年神アポロンとその聖地デロス島・デルポイの縁起を説く『アポローンへの讃歌』、抜け目ない盗賊神ヘルメスの活躍とそのオリュンポスへの仲間入りを称えた『ヘルメースへの讃歌』、美神アフロディーテと人間アンキセースの逢瀬を描いた『アプロディーテーへの讃歌』――「四大讃歌」にて歌われるのはオリュンポス十二神の錚々たる顔ぶれ、ギリシャ神話中でも有名な彼らにまつわるエピソードである。本書には同時に詳細な注記や解説も収録されており、ギリシャ神話を原典で味わえる短編集としても読めるだろう。
    (なお、4つの讃歌の内個人的に一番好きなのは『ヘルメースへの讃歌』である。生まれたその日に兄神アポロンの牛をまんまと盗み出し、問い詰められてものらりくらりと弁を振るってしらを切るヘルメスの姿は、滑稽な調子の讃歌の文体も相まってトリックスターな彼の面目躍如と言える)

  • デメテル、アポロン、アフロディーテ、ヘルメス、四神のエピソード。

    農神デメテルへの讃歌は、農業のサイクルを比喩的な面、
    また娘を奪われた母親の放浪する物語的な面、両者楽しめた。

    ヘルメスの讃歌は十二神の中でも新入りの彼の立場を考えさせられる。

  • とってもおもしろい。わかりやすいし説明もていねい。いちいち照らし合わせてじっくり読みました。散文も慣れてくるとすごく美しく感じるし ギリシアの素敵な風に巻かれてるみたいなふわふわした気分になります。それにしてもギリシア神話の神々の物語はおもしろい。あえてひとつだけとりあげるとすれば
     彼ら、2メートルくらいあるんですね・・・
    いろいろすごいです。

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著者プロフィール

1946年大阪生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退、英国セント・アンドルーズ大学Ph.D.所得。東京大学名誉教授。西洋古典学会会長。
著者は『ラテン語のはなし』(大修館書店)、『ソフォクレース『オイディプース王』とエウリーピデース『バッカイ』』(岩波書店)、Pindaric Metre: the ‘Other Half’(Oxford U. P.)など。

「2018年 『ギリシャ・ラテン文学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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