縛られたプロメーテウス (岩波文庫 赤104-3)

制作 : 呉 茂一 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 69
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (118ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003210437

感想・レビュー・書評

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  • アイスキュロスのギリシア悲劇です。
    とても小品なので、読むテンポさえ合えばあっという間に読めます。
    ギリシア神話の神々のどろどろの権力争いが垣間見れて、少し意外でした。(笑)
    クロノスの息子ゼウスは、プロメーテウスの力を頼み、父を追い出して王座を手中に収めたが、ゼウスが反感を持つ人間どもへいろいろと知識を与えるプロメーテウスに対し、火をも与えた罪により磔刑に処してしまう。そのプロメーテウスを見に従姉妹のコロス舞唱隊!が慰めにきたり、プロメーテウスがいまにみていろゼウス!という話をしたり、はたまた、ゼウスの愛人ということで、ゼウスの妻の怒りを買って牛にされたイーオーの愚痴話があったり(虻に刺され続ける牛という設定ですが、可哀そうと思う反面、なぜか面白みもあって・・・(笑))、ゼウスの息子ヘルメースが茶化しにきたりと、プロメーテウスやイーオーの悲惨な話が語られる割には、プロメーテウスの周囲が賑やかしいことこの上ありません。(笑)ラストの場面は劇的でなかなか優れているのではないかな。
    きっとこれは詩的旋律で語られる会話劇なんでしょうね。劇場で観たらより面白いかもしれない。

  • (2015.08.23読了)(2015.08.22拝借)
    どのような物語なのかと問われても、説明の難しい本です。
    主人公の『プロメテウス』をネットで検索してみると以下のような解説が出ています。
    大辞林 第三版の解説
    プロメテウス【Promētheus】
    ギリシャ神話のティタン神族の一人。アトラスの兄弟。先に考える者,の意。粘土から人間を創ったとされる。天上の火を人間のために盗み与えたことで,ゼウスの怒りをかい,カフカス山の岩に鎖で縛られ,鷲に肝臓をついばまれるという責め苦にあうがヘラクレスに救われる。

    この物語は、岩山に縛られているプロメテウスとゼウスの部下やゼウスの息子たち、プロメテウスの親族たちとの対話劇のようです。
    プロメテウスは、ゼウスの意に反して人間に火を与えたために永遠の責め苦にあっているけど、後悔することはなく、未来に予見されている「ゼウスが権力の座を追われ、自分が解放される」日を待っている、という物語です。(多分)

    アイスキュロスの著作は、これで三冊目ですが、「テーバイ攻めの七将」が一番わかりやすかったかな、と思います。
    とはいえ、ソポクレスの「オイディプス王」「コロノスのオイディプス」「アンティゴネー」と合わせて読んだからと思います。

    ●人間の技術(44頁)
    人間のもつ技術(文化)はみなプロメーテウスの贈り物と知れ。
    ●希望(46頁)
    うれしいことです、もし人が、明るく輝く喜悦の中に心を養い、確信に満ちた希望に、長いその一生を過ごせたならば。

    ☆関連図書(既読)
    「オイディプス王」ソポクレス著・藤沢令夫訳、岩波文庫、1967.09.16
    「コロノスのオイディプス」ソポクレス著・高津春繁訳、岩波文庫、1973.04.16
    「テーバイ攻めの七将」アイスキュロス著・高津春繁訳、岩波文庫、1973.06.18
    「アンティゴネー」ソポクレース著・呉茂一訳、岩波文庫、1961.09.05
    「ソポクレス『オイディプス王』」島田雅彦著、NHK出版、2015.06.01
    「アガメムノン」アイスキュロス著・呉茂一訳、岩波文庫、1951.07.05
    (2015年8月23日・記)
    (amazonより)
    天界から火を盗み出して人類に与えたプロメーテウス。主神ゼウスの怒りをかい、彼はいま酷烈な刑に服すべく岩山に縛りつけられようとしている。ギリシア三大悲劇詩人の一人アイスキュロス(前525/524-456)はこの神話の主人公を、勇気に満ち堂々と神に対抗する力強い姿に描き出した。強い詩的感動を呼ぶ一篇。

  • 劇の初演は紀元前5世紀初頭。ギリシャ悲劇は本篇を含めても、まだ4作目なので確たることは言えないのだが、どうも他のギリシャ古典劇とはその趣きを異にするようだ。まず、登場するのは主人公のプロメテウスをはじめとした神々であり、そこで刻まれる時間は100年、200年の単位ではなく永遠であり神々は不死である。したがって、そこには人間のような葛藤がなく畢竟、劇はきわめて動きの少ないものになる。ギリシャの円形劇場を想像してみるに、この劇はいわばそこで朗唱されるようなタイプの叙事詩的な性格を持っていたのではないだろうか。

  •  プロメテウスとはギリシャ神話に登場する神々の一人であり、ゼウスの反対を押し切り、人類に「火」の技術を与えた。しかしながら、それ故ゼウスの逆鱗に触れることになった。そして山において岩で束縛され、拷問され続けることになる。

     この「縛られたプロメテウス」はプロメテウスのそんな場面を描いたものである・・・・が、元来3部作で構成されており、この作品はその第一部である。つまりこの作品だけでは完結せず、起承転結のひいき目にみても「承」までしか描かれていない。そして残りの2部は消失してしまった。そのため、これだけでは未完成であり、評価を下すことは難しい。
     正直この作品はそんなに文学的価値はないと思う。物語は展開しないため、動きはほとんどない。印象に残る場面はほとんどなく、文学的表現を考察することがやりづらい。強いて印象に残った部分を挙げるとすれば、終わりあたりのプロメテウスがゼウスに対して反抗の意志を示すことぐらいではなかろうか。

     繰り返すがこの作品の感想を述べるのは難しい。未完成、という意味でこの作品を他人にオススメすることは私はしない。

  • ううむ……ギリシア神話のおさらいのような感じになってしまうなあ。一つの作品と言うよりは長編作品の名場面だけを抜き出したような感じ。この時代の演劇というのは、大体そういう感じなんだろうか。

  • 紀元前6世紀頃のギリシャ悲劇…悲劇?

  • 難しい・・・。だからいつもにまして適当な感想。プロメテウスは自分の正当性を主張しているように見えけど、良い意味で情けなくも見えて、この辺りが面白かったかも。でも人類に火を与えたっていうスケール感は良いなー!

  • 第一印象、どこが面白いのかよくわかりません。

  • 不屈なプロメーテウスが泣き言いってて天女(じゃないけど)が好き勝手な同情の歌うたってて、でこのラスト笑。ギリシア悲劇はとことん悲劇、がカタルシスでいいけど、悲劇過ぎて逆に喜劇でいいね。

  • はるか昔に一度読んだだけなので内容忘れた。
    またいつか機会があったら読むかもね。

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