アンティゴネー (岩波文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (102ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003210512

感想・レビュー・書評

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  • 「葬りもせず死骸をほっておかせるとしたら、そのほうがずっと辛いに違いありません。」(p.35) コロナウィルス感染症のパンデミックで世界的に死者に対する扱いが以前に増してぞんざいになっている.

  • 呉茂一訳の旧版。字が小さい。

  • 新書文庫

  • (2015.07.09読了)(2015.07.08拝借)
    「オイディプス王」を読んだついでに、その娘の話も読んでみました。
    オイディプス王が退位したあとは、王妃イオカステーの弟のクレオンが王位についていたのだと思っていたのですが、そうではなく、オイディプス王の二人の息子が交代で王位についていたようです。ところが、途中から王位の交代がうまくいかず、二人で王位を争うようになり、戦争で二人とも死んでしまいました。
    その後、王位についたクレオンが、テーバイの王として亡くなったエテオクレスは丁重に葬るけれど、国を出てテーバイに敵対して亡くなったポリュネイケスは葬ってはならぬという布令を出しました。もし違反したものは、死罪に処すというのです。
    アンティゴネーにとっては、ポリュネイケスも同じ兄弟なので、放っておくわけにはいかず、弔いの儀式お行い処罰されることになります。
    そこから悲劇の連鎖が引き起こされてしまいます。何とも痛ましいことです。

    ●辛い(35頁)
    もしも同じ母から生まれたものが死んだというのに、葬りもせず死骸をほっておかせるとしたら、そのほうがずっと辛いに違いありません。
    ●国(51頁)
    (ハイモン)だって、一人の人のものならば、国とはけしてもうせません。
    (クレモン)だが、国というのは、その主権者に属するはずだ。
    (ハイモン)では、お立派に一人きりで、砂漠の国でもお治めがいいでしょう。

    ☆関連図書(既読)
    「オイディプス王」ソポクレス著・藤沢令夫訳、岩波文庫、1967.09.16
    (2015年7月10日・記)
    (amazonより)
    ソポクレースの悲劇三部作の一つ。テーバイの王オイディプス一家にまつわる悲惨な運命を描く。筋としては『オイディプス王』に続くもので、王女アンティゴネーは、王位を襲う兄弟の抗争に巻きこまれ、兄弟が互いに刺し違えて死んだあと、禁じられていたその埋葬の儀を行おうとして、王位にのぼった叔父クレオンの怒りにふれて死ぬ。

  • 「借」(大学の図書館)。

    ギリシア悲劇の名作。
    オイディプス王の娘、アンティゴネーの悲劇。
    お気に入りの作品に追加。

  • 年代記的には『オイディプス』3部作の最後に位置するが初演はこれが最初であったらしい。その初演もなんと紀元前400年頃の事だ。テーバイの王オイディプスの娘という宿命を背負ったアンティゴネーの悲劇と、現テーバイの僭王クレオンの悲劇。ややもすると主題の分裂とも見えかねないが、その両者を含んで、テーバイの王国全体が崩壊していく壮大な悲劇と見ることもできる。しかし、その場合においてもアンティゴネーこそが、この劇の中軸を担うだろう。虚勢と予言の前に揺れ動くクレオンに対して、アンティゴネーにあるのは愛であったのだから。

  • かの有名な『オイディプス王』の後日譚というか、オイディプスの娘アンティゴネが主人公の悲劇。『オイディプス』ではわりと善人ぽい弟クレオンも、こちらではただの悪役。よくもまあこれだけ悪いことばっかり起こるよなあと思いつつ、物語そのものよりも、古代ギリシャでの演劇の発祥に思いを馳せてみたりもします。

  •  これまた傑作でした。訳が秀逸なのかもしれませんが、戯曲を読んでいると、その時代のその舞台に自分が透明人間になって話を聞いているような錯覚に陥ります。そして、それは個人的にはシェークスピアよりもソポクレスの方が強いイメージとなって喚起されることがおおいです。とっても興味深い本です。

  • 翻訳がひでえwww

    内容は何か、一読したところでは『アンティゴネ』ってか『クレオン』じゃね?みたいな…

    せめてラストもう一回アンティゴネ出てきて欲しかったなあ。

  • バトラーの『アンティゴネーの主張』をはじめ、しばしば親族構造や歴史への抵抗として読まれるテクスト「アンティゴネー」。
    王の命令に逆らって兄を埋葬し、刑に処されるアンティゴネーの行為、言葉にはどきっとさせられる。
    兄の埋葬に協力しなかった妹イスメーネーが、姉と同じ罰を受けると言ったとき、アンティゴネーはそれを拒絶する。
    「いっしょに死ぬなんて止めてよ。手も掛けなかったことを、自分のものにしないでね」
    権力に従ってともに刑を受け入れることではなく、権力に抗してともに行為することが求められている。
    アンティゴネーの言葉は行為を呼びかけているのである。

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