ソポクレス コロノスのオイディプス (岩波文庫)

著者 : ソポクレス
制作 : 高津 春繁 
  • 岩波書店 (1973年4月16日発売)
3.23
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  • 本棚登録 :98
  • レビュー :10
  • Amazon.co.jp ・本 (101ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003210536

ソポクレス コロノスのオイディプス (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • ソポクレスのオイディプス三部作で話としては中間部にあたる。ソポクレスの人生においては最後の作品。技巧的にはアンティゴネーより上に感じられる。劇的な要素はあまり感じられない。つまりアンティゴネーという最終章に繋げる役割として作品全体が感じられた。アンティゴネーと兄ポリュネイケスとの対話がある点は喜ばしい。前途の作品アンティゴネーではこの兄との関係が何も描かれなかったために。オイディプスの悲劇、死、そして生涯に対しての最後の救済だが、ひとの手ではこのように書くのが限界なのかも知れない。

  • 演劇の技法という点についてまではわからないが、少なくともここに『オイディプス王』ほどの魅力はない。テーマ自体の衝撃度もさることながら、『オイディプス王』には勢いと物語の強さがあった。後半の一部を除いて、ここにはそれがないのだ。

  • (2015.07.13読了)(2015.07.13拝借)
    「オイディプス王」関連の本を三冊読んだのですが、内容的な順序としては、
    「オイディプス王」⇒「コロノスのオイディプス」⇒「アンティゴネー」
    でした。作品の発表順としては、「コロノスのオイディプス」が最後とのことです。
    作者の死後に上演されたとのことです。
    知らずにやったこととはいえ、オイディプスは、父を殺し、母と結婚し、四人の子供をもうけたのですが、自国に多くの災いが訪れ、災いのもとは自分であることがわかったので、自分の両目を潰してしまいました。母であり、妻であった、イオカステは、自殺してしまいました。
    国を追われたオイディプスは、娘のアンティゴネーに付き添われ放浪の旅にでます。そして、神の啓示により終焉の地となるコロノスにやってきます。
    オイディプスの治めていたテーバイは、いまは二人の息子たちの争いの場となっています。オイディプスを味方につけたほうが勝つという神託があったので、両者ともオイディプスを味方に付けようとやってきますが、オイディプスは断ります。
    力づくでオイディプスを連れて行こうとしますが、この地の支配者テセウスの協力で斥けます。そして、コロノスでこの地の守護神となり、消えます。昇天したということなのでしょう。
    二人の息子と、娘たちの運命については、「アンティゴネー」に描かれています。
    運命にもてあそばれて、絶望のあまり我を失ってもおかしくないオイディプスですが、最後は、自分の果たすべき役割を見つけて、この世を去っていった、ということです。
    この本は、解説がついていない? と思ってよく見直したら、解説は冒頭についていました。冒頭にあるから「まえがき」とは、決まっている訳ではないんですね。

    ●エジプト人(26頁)
    (オイディプス)奴ら二人の心もやり方もエジプト人にそっくりではないか。あそこでは、男どもは家に座って機を織り、その妻たちが世すぎの糧を得るために外に出る。
    ●さすらい人(47頁)
    (クレオン)わたしはあなたのこの不幸を誰よりも嘆いている、老人よ、あなたが不幸な他所者、さすらい人として、ただ一人の付添いの女を頼りに、世すぎの糧もなく、さまようていられるのを見て。その娘が、さあ、わたしは、今この不幸せな女が陥っているほどに、虐い有り様にあろうとは思いもかけなかった。いつも目の見えぬあなたに、物乞いの暮らしの間にかしずいて、この年で、夫もなく、出会ったもののよい餌食だ。
    ●意に反した親切(48頁)
    (オイディプス)意に反した親切には、なんの喜びがあり得ようぞ。それは、まるで、何かを欲しているときに、何も与えず、何も施そうとはせず、望むもので心がもう満たされていて、恵みは何の有難味もない時に、与えるようなものだ。
    ●勝利を(76頁)
    (ポリュネイケス)わたしを押し出し、祖国を奪うた弟への報復に向かう私に対して、きびしいお怒りをお解きください。神の言葉が少しでも信ずることができるものなら、あなたがついたそのほうが、勝利を得るということです。
    ●兄弟(78頁)
    (オイディプス)かの町をお前が覆すことは決してあるまい、いや、その前にお前と兄弟は、同じく血にまみれて殪れるであろう。

    ☆関連図書(既読)
    「オイディプス王」ソポクレス著・藤沢令夫訳、岩波文庫、1967.09.16
    「アンティゴネー」ソポクレース著・呉茂一訳、岩波文庫、1961.09.05
    (2015年7月14日・記)
    (「BOOK」データベースより)
    『オイディプス王』で我が目をつぶしたオイディプスの、その後の放浪の旅と父子の葛藤、神との和解を描く。人知人力をもってはいかんともしがたい運命、そしてそれを知りながらも屈服せずに我が道を歩むオイディプス。この悲劇は、運命の底知れぬ恐ろしさと、それに対する人間の強さというものを考えさせずにはおかない。

  • ギリシア悲劇ではコロスが中世の劇の道化師の役回りなんだな・・・。

    作者のメッセージを彼らを通じて伝えていく。

  • コロノスのオイディプス
    「オイディプス王」の続編。自ら盲目になった後、テーバイを追われ娘のアンティゴネと共に放浪生活をしていたオイディプス。信託により最後の地であるコロノスにたどり着く。オイディプス追放後の王位を巡る争いに利用利用しようとする叔父と息子。アテナイ王テセウスの庇護により神々と和解し自らハデスの元へと去っていく。残酷な運命に翻弄されたオイディプスは最後は自分の意志を貫き通した。辛い放浪生活がオイディプスを強くさせたのだろう。
    コロスのセリフでこの世に生を受けないこと、生まれたからには死が望ましいというのが印象的だ。

  • 無知は罪だ。無知によって犯した罪は、それがどうしても知り得ないことでも、相応の罰を受けなければならない。

    どんな事情があれ、自分の行動の結果は受け入れなくてはならない。その上で、それから先の自分の行動、自分がどんな人間になるかは、選ぶことができる。

    何もかもを予知して準備を整えることはできない。知り得ないことがあって罪を犯したとしても、そこからどうするかは自分で選べる。人は自分自身を幸せへ導く力を持っていると信じている。

  • 一度姿を消す演出!

  • 不幸のどん底でも精神が高潔だからか。難しいけど読後すがすがしい。

  • ¥105

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