- Amazon.co.jp ・本 (124ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003210611
感想・レビュー・書評
-
ギリシャ悲劇の代表作の一つ。訳が昔のものですが、そんなに読みにくくはありません。ギリシャ劇って、なかなか面白い。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
戯曲なうえページも少ないのですぐに読了。
世界史の授業などでエウリピデスが悲劇を得意としていたのは知っていたが、ちゃんと触れるのは初めて。
現代の戯曲に比べると短く、場面も少なく、正直消化不良な部分もあった。だが、古代の演劇というのはこういうものか、と思うと興味深い。
解説によると、エウリピデスは同じ題材を扱った、前身となる舞台を上映したことがあったのだとか。その作品では、パイドラーは単純に誘惑者として描かれ、「淫乱な妻」であったらしい。そのため、悲劇性が劣ったという。
確かに彼女の人物造形が「貞淑な妻」の方が、この物語の悲劇性は増すもんなあ。求めてはいけないと知りながら焦がれる姿も、想い人の冷淡さに傷つき復讐を企てる様も、恋ゆえの気持ちがよく理解できる。古典であっても、心の動きは今と変わらないな。
あと、ギリシア舞台の終わらせ方として有名な「デウス・エクス・マキーナ」とは、なるほどこういうことか、と思った。他のギリシア悲劇も手に取って幕引きの仕方を比べてみようと思う。 -
義理の息子ヒッポリュトスに恋するパイドラー。乳母が気持ちをヒッポリュトスに伝えるが拒絶。自殺したパイドラーの手に握られたヒッポリュトスを告発する手紙。テーセウスの疑惑。
市川図書館
2010年4月29日読了