遊女の対話 他三篇 (岩波文庫 赤111-2)

  • 岩波書店 (1961年4月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784003211120

みんなの感想まとめ

人間関係や社会の風俗を巧みに描きながら、遊女たちのユーモラスで愛らしい対話が繰り広げられる作品です。登場人物たちは、時にコミカルに、時に鋭く、周囲の権力者や社会の矛盾を浮き彫りにします。特に、軍人たち...

感想・レビュー・書評

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  • こういう軍人のお客のお情をうけると、こういうことになるんだよ、打たれたり、裁判沙汰になったり。ほかの時にゃ将軍だ、千人隊長だなんて言ってるくせに、お金を下さいって言うと、「待て」と言う。「給料を貰うまで。貰ったらなんでもしてやるから。」あんな法螺吹め、くたばってしまうがいい。このわたしは、だから、あの連中は全然受けつけないのよ。当り前だわ。漁師や船乗やお百姓、わたしと同じ身分の人がいい、お世辞はあまりよくはないけれど、うんと貢いでくれて。兜の前立を振りかざして戦のことを話すあの連中、口先だけさ、ねえパルテニス。

  • ルキアノスにジャーナリズムというものはなく、面白小話を創作する人で、当時の世相風俗の「実録」を収めてはいません。でも引用されるときには風俗史資料のように扱われることが多いです。この遊女達も写実よりはコミカルなキャラクターとして一喜一憂しますが、罪のないそれが今読んでも心和む、可愛らしい・微笑ましいとも思える目線こそ貴重です。ルキアノス作とされる内でも多くは臭みに落ちて失敗している場合がありますけど、本篇は高津春繁先生の訳の良さもあって、とくに成功している作品と思います。

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