完訳 カンタベリー物語〈中〉 (岩波文庫)

著者 :
制作 : Geoffrey Chaucer  桝井 迪夫 
  • 岩波書店
3.42
  • (3)
  • (5)
  • (18)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 145
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003220320

作品紹介・あらすじ

五度結婚したバースの女房が明かす女心の本音。互いにけなし合う托鉢僧と召喚吏。学僧が語る貞女グリゼルダの受難。さらに貿易商人、近習、郷土、医者、免罪符売り、船長、尼僧院長が話した後、作者チョーサーも一枚加わり物語を披露する。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • バースの女房の話
    托鉢僧の話
    召喚吏の話
    学僧の物語
    貿易商人の話
    近習の物語
    郷士の物語
    医者の物語
    免罪符売りの話
    船長の話
    尼僧院長の物語
    トパス郷の話
    メリベウスの物語

  • 一部説教臭い話もあったけど、全体としてはそれなりに楽しめた。しかし、上巻のあの充実した訳注はなんだったのかと思ってしまうほど、訳注は質も量も物足りない。(上巻出した時点でメインの方が亡くなっているのがやはり大きいのか)

  • PDF

  • 長い。

  • 13篇の話を収めている。「バースの女房」の話は序の方が面白いパタンで5回の結婚を繰り返した女による亭主の攻撃方法、話の方はアーサー王伝説のガヴェインの話である。不器量な女と結婚した男が誠実によって魔法を解く内容である。「托鉢僧の話」は召還吏が悪魔といっしょに老婆に財産をたかりにいくが自分も悪魔のものになってしまう話、「召還吏の話」は托鉢僧への当てつけで、修道院への寄進をたかりにきた托鉢僧が屁を寄進される話である。「学僧の話」はロンバルディアのワルテルという伯爵が器量のいい貧民の娘グリセルダと結婚し、彼女の貞淑を試し、二人の子供を取り上げ殺したように見せ、最後に祝福する話である。「貿易商人の話」は年をとって若々しい妻を娶った騎士が青春を取り戻すが、盲目となり、妻に浮気される話である。「近習の物語」はモンゴルが舞台で、謎の使者が、ジンギス・カーンに真鍮製のどこにでもいける馬や、未来がみえる鏡、鳥の話がわかる指輪などを贈る話だが未完である。「郷士の話」は人妻に恋した騎士が自然魔術師に頼み、海にみえる岩礁を消すのだが、結局、人妻をあきらめる話である。当時の天文学や地球が丸いことなどが書かれていて興味深い。また、中国の二十八宿の記述もでてくる。「医者の話」は裁判官に恋慕された美しい娘が手籠めにされる前に父に斬り殺される話である。「免罪符売りの話」は序で彼の商売のいろいろな手口が書いてあるが、話は金をとりあった三人の男が互いを殺し合い、全滅する話である。「船長の話」は商人が僧に金を貸し、女房も寝取られる話である。「尼僧院長の話」はユダヤ人街でマリアの賛美歌を歌った少年が殺され、厠に捨てられるが、奇跡が起きて、捜索者に賛美歌が聞こえた話である。最後の二つは宿の主人からチョーサーに話をするように勧めがきて、まず話だすのが騎士の叙事詩である「トバス卿」の話、巨人と戦うためにいざ出陣というところで、宿の主人に面白くないからやめろといわれ、終わりになる。かわって話したのが「メリベウスの話」で、妻と娘を襲撃され、一族郎党をあつめ、復讐をちかった騎士が妻から復讐を断念するように説得される話である。助言や友情などについて、ソロモン、キケロ、ペトルス・アルフォンス、イノケンティウス教皇などの言葉が50ページくらい延々引用される。

  • 登場人物の中で、一番キャラが立っているのはバースの女房だろう。「バースの女房の話」では本題前の「序」で結婚観に長広舌をふるい、34ページも費やしている有様。そのうえで披露する話が20ページなのだから、どっちが本題なんだと思わず笑ってしまった。
    過去に5人の夫と結婚し、そして今後もチャンスがあれば新たな男性と床を共にする、と言い切る彼女。身勝手な主張なのに一方で真実を言い当ててる部分もあって、見ていて何だか爽快になった。本題で出てくる騎士にはちょっと腹が立ったけどね。
    しかしそれ以上に腹立たしかったのは「学僧の物語」。読んでいて渋面を作らないようにするのに苦労した。現代の感覚で読んではいけないと思いつつ、それでもワルテルの振る舞いはないだろう。最後、「妻の愛を試したりしてはいけない」と結んではいるが、これはワルテルの振る舞いを非難するというよりも、グリセルダほど素晴らしい妻が現実にはいないから、という皮肉の意味だろうなあ。
    それにしても話の内容もそうだが、語り手同士の関係も面白い。上巻の粉屋と家扶がお互いいがみ合って相手を中傷するような話をするし、この巻だと托鉢僧と召喚吏が同様の流れで話す。一方で話の合間に聞き手が茶々を入れることもある。
    個人的には近習の話の続きが気になる。馬と鏡がこれからどんな役割を果たすのか楽しみにしていたのに、郷士が話を遮ったせいで結末が分からない。まあでもその郷士の話もなかなか面白かったのでよかったけどね。
    気に入ったのは「郷士の物語」「近習の物語」「免罪符売りの話」。

  • なんと結婚、恋愛の人間学の宝庫ではないか!

  • ひとりの人の人生はそれだけで物語になるのならば29人もいればとてもおもしろい物語集になるはずだ。

  • 2回目の三年生のときに英文学系の授業のレポートのために読んだ本。

全10件中 1 - 10件を表示

チョーサーの作品

完訳 カンタベリー物語〈中〉 (岩波文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする