- Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003220436
感想・レビュー・書評
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さすが名作。愛と友情を以って悪を打ち破る王道ストーリーを綺麗に描ききってます。また、キリスト教の改宗を迫ったり、三つの箱の内、鉛の箱があたりだったりと、細部まで考察するポイントも多数あります!
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名前を知りながらもずっと触れられず、今般漸く読了。登場人物それぞれに個性があり、シャイロックはもちろん、個人的にはポーシア、ロレンゾあたりが印象的だった。人肉裁判のみならず、恋愛や友情等様ざな角度から楽しめる作品。
シャイロックへの扱いはいかがなもの?と思うシーンもあったものの、当時のユダヤ人に対する見方がそれだったのだろう。
ややまわりくどい言い回しは所々に出てくるも、物語の展開は秀逸で、今尚語り継がれる作品としての面白さは流石の一言。
是非演劇でも拝見したい。
『お喋りが過ぎましたのね。でも、これもみんな時の脚に錘をつけ、少しでも引き延ばしたい、箱選びをお待ち願いたい一心なのです。』
『数々の不安も、早合点の絶望も、そしてドキドキするほどの気懸りも、緑い(あおい)眼をした疑念も、感情という感情は、全て空に消えてしまったわ。恋よ。静かに落ち着くのだよ、興奮するんじゃない、喜びの雨も適度(そどほど)に降っておくれ、こんなに度を過ごしちゃいけないわ。なんだか幸福すぎる、どうかもっと抑えて。でないと、幸福に食べ飽きるかもしれないから。』 -
世界で一番有名な裁判が描かれる『ヴェニスの商人』であるが、繰り返し読んでいくと、「ジェンダー」や「金銭」、「宗教」といった種々雑多な価値観と観点が入り込められていることが分かる。テクストを咀嚼すればするほど、劇作品として傑作であると感じさせられる。本当に喜劇であるといえるのだろうか。
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シャイロックのキャラが立ちすぎ。
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ヴェネツィアに行くこともあって読了。
期待していた″ヴェネツィア″の世界観を感じることは出来なかったが、当時金貸しで儲けていたユダヤ人がどの程度嫌われていたかを作品を通じて感じ取れた点に価値があった。
というのも、アリストテレスの「政治学」で金に繁殖能力があるかのような不自然なものとして非難され、ナチスのユダヤ人大虐殺に至るまで歴史的に長らく迫害の対象となっていた。
作品ではシャイロック(ユダヤ人)がキリストの男性に惹かれた娘が改宗し離れていき、終盤では裁判にてキリスト的″慈悲″に相対する″正義″を頑なに貫く結果、後者が徹底的に論破され、財を失う様子が描かれている。一見悲劇のように思えるが、皮肉にも喜劇とされている。どうやら本作は反ユダヤ思想が過熱していた頃のイギリスで書かれているため、その感情を煽るように書かれたのだろう。
最後に、表現には脱帽の連続だった。戯曲ならではの愛、そして裁判でのシャイロックを極悪剥き出しに仕立て上げる表現には一種の清々しさすら感じた。特に愛の表現は引用して女性を射止める時に使っていきたい。(ドン引き)
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「千年読書会」の課題図書。実に20数年ぶりにシェイクスピアを読む。
・台詞言い回しが長い、くどい。台詞というよりも詩(実際そうなのだが)
・男装はシェイクスピア劇でよく用いられる手法。
・ユダヤ人への偏見がありあり。今、こんな作品を出したら大問題。
・『ヴェニスの商人』は喜劇。
・シャイロックへの判決後の三組のカップルのやり取りがおもしろい。
・『ヴェニスの商人』は、誰が主人公(正義側としての)なのかが分かりづらい。アントーニオ?ポーシア?
2014.08.13 読了 -
ユダヤ人への露骨な差別にびっくり。日本にいると、ユダヤ人問題ってあまり身近ではないですが、本当に古代から大変な目に遭われた人たちなのだなと思います。キリスト教も、一国の政府が他国を敵として刷り込むことで自信の求心力を保つ必要があったということでしょうか。恋する二人のテンポの見事さは、読んでいて気持ちよく情熱的で、恋愛のめんどくささを描き切っているwポーシア聡明ですねー、最後の指輪のくだりはなんのためにあんなことしたくなるのか、意味わかんないけどそれに頭の上がらない男たちもチャーミングではないですか。
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イギリスに行ったあと、何かイギリスに触れたいと思って買ったんだと思う。
全てセリフでの構成。
最初は台本みたいで読みづらかった記憶が…。
でも場面や人物の解説は、全て登場人物のセリフで分かるから、気づけば舞台を観てるような感覚でのめり込んだ。
だいぶ前に読んだから再読しないとはっきり思い出せないけど、初めてのシェイクスピア本、面白かったのは覚えてる。