オセロウ (岩波文庫)

  • 岩波書店 (1960年6月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (232ページ) / ISBN・EAN: 9784003220504

みんなの感想まとめ

男女の愛と嫉妬が引き起こす悲劇を描いたこの作品は、シェイクスピアの四大悲劇の一つとして知られています。約400年前に初演されて以来、今なお多くの人々に感動を与え続けています。主人公オセロウは、外的な悪...

感想・レビュー・書評

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  • シェイクスピアの四大悲劇の一つ。昨年から今年にかけて読んだ本やドラマの中で、オセロウが比喩として使われることが多かったため、読んでみようと思い立った。

    ものすごく簡単に概略を示すと、この話は、オセロウが根も葉もない告げ口を部下のイアーゴウから吹き込まれ、愛する妻を失ってしまうというストーリーである。
    読んで最初に感じたのは、なぜオセロウはこんなにも簡単に部下の告げ口を信じてしまったのだろう、という違和感だった。純粋で人を信じやすい性格のようだが、信じるのはイアーゴウではなく妻のデズデモウナの方ではないか。
    でも、読んでいくうちに、この悲劇はオセロウのコンプレックスが原因なのかもしれない、と思えてきた。オセロウは勇猛で人徳があり、地位も名誉も持っているが、ムーア人で黒人である。この戯曲が初めて公演された1604年現在、ヨーロッパでどのくらい人種差別があったのかはわからないが、劇中でオセロウはしばしば名前ではなく「ムーア」と呼ばれる。私が「日本人」とか「東洋人」と呼ばれるようなもので、いやがおうにも自分がベニスの白人たちとは違う人種だと日々つきつけられる状況だったのではないだろうか。
    また、オセロウはデズデモウナの白い肌をことさらほめたたえる。ここにオセロウのコンプレックスが見え隠れしているように感じる。
    さらに、オセロウは若くはない年で、デズデモウナと年の差婚であった。体力も知力もまだまだ衰えはないだろうが、副官の優男キャシオウに対する態度から、オセロウの若さへの羨望が感じられる。
    もし彼がそんなことを気にしなかったら、イアーゴウの嘘を笑って過ごしただろう。でも、隠れたコンプレックスをつつくような嘘は、一滴でも心の中に入ると、どす黒い疑惑と嫉妬に増殖してしまう。
    イアーゴウも謎の多い人物である。彼がなぜオセロウをそんなに貶めようとしたのか、劇中でははっきり明かされない。独白でただただむき出しの憎しみと嫉妬が吐き出されるのである。

    女性の嫉妬やコンプレックスについては古今東西さまざまな作家たちによって描かれてきたが、特に現代作家で男性の醜い感情を描く人はあまりいないように感じる。どちらかというと、反目しあっていたけどやっぱり俺たち仲間だ、というような、きれいなストーリーにまとめられることの方が多いのではないだろうか。
    シェイクスピアは、避けられがちな男性の醜さをちょっとデフォルメしながらもリアルに描いている。その正直で潔い描き方が新鮮に感じられた。

  • 世界最高峰悲劇作家シェイクスピアの四大悲劇の一つ「オセロウ」。

    男女の間の愛の悲劇の物語。

    今から約400年前に上演されて今尚残り続けている物語だ。

    トリスタン・イズー物語を連想させる魔女の薬の話が盛り込んである。
    シェイクスピアももちろんのことながら、世界最古の恋愛小説と言われるそれを読んだのだろう。

    素晴らしい名著。

  • イアーゴウの言葉だけを信じるオセロウの浅はかさは理解できないが、戯曲として面白かったので◯

  • いわゆるシェイクスピア4大悲劇の1つ。

    シェイクスピアの悲劇の中でも、とりわけ主人公が悲劇的な作品である。というのも、主人公オセロウの言動に何ら起因することなく、純粋に外的な悪意――ここでは、彼の旗手(部下)の策略のことであるが――によって、彼は疑心暗鬼に陥り、最愛の妻をその手で殺害することになってしまう。

    間違いなく旗手がキーパーソン。同時に作中で最も謎の多い人物でもある。上司であるオセロウを罠に嵌めようと暗躍し、他人を利用して切り捨てるなど手段も選ばないものの、彼をそこまで駆り立てる動機については不明。彼の口から言及はされるものの、彼の煙に巻くような話術のせいもあり、本心だとはとても思えないのだ。
    演劇には疎いが、きっと旗手をどう演じるかは一つのポイントなのであろう。ぜひ演劇でも見てみたい。

  • 根拠のない思い込みは人を滅ぼす。
    素直すぎる性格も弱点となり得る。

  • 面白かった。
    注釈を都度読まないと文化的・時代的な背景が頭に入ってこない一方、劇作特有のテンポの良さでサクサク読み進めたい気持ちとの相性は少し考えるところがある。おそらく公演を見たら跳ね上がって面白く感じると思う。
    イアーゴウだけが積極的に純粋に悪いなと思ったけれど、その時々で悪意の方向がバラバラなのが人間的で魅力があるとも感じた。

  • デズデモーナが「お願い、一言お祈りを言う間だけでも!」
    オセロー「もう遅い!」
    「ヴェニスのムーア人」は副題。シェイクスピアの四大悲劇の一つ、あとの三つは「ハムレット」、「リア王」、「マクベス」。部下の戯言から愛する妻の不貞を疑い扼殺を図り、結果妻は自死の道を選んだ。家元、中学生時代から演劇を本格的にやり始めたが、いかんせん座付き作家が自作にこだわり、シェイクスピアなどの王道芝居に触れなかった。大学生になって入った『演劇集団漠』や『冥風過激団』、途中入団試験を受けて落ちた『夢の遊眠社』。やがて、元嫁と旗揚げした『浸透圧』、アングラ芝居全盛期。社会人になってからも一人芝居(1992.5@茗荷谷絵本の店ピッピ、1993.9@京都近代国立美術館の免疫紙芝居)は続けた。1997年には駒場アゴラで再結成『浸透圧』の「エンジェニング」を上演。離婚後は2010年9月Dance (in TOKYO BOREDOM vs The Uni. of Tokyo)を今は無き駒場小劇場で披露。2008年には一人芝居「その後のエイズ物語」@江古田カフェフライングティーポット、等など。「その後のエイズ物語」の脚本はwordpressとFBにアップ。
    基本ができていない役者は駄目だなぁ、(自戒)
    ちなみに家元が一番好きなシェイクスピアの戯曲は「真夏の夜の夢」。

  • 事実確認はちゃんとしよう
    事実と妄想は分けよう

  • 232P

    シェイクスピア4大悲劇の一つで1602年頃に書かれたとされる

    ウィリアム・シェイクスピア
    イングランドの劇作家・詩人であり、イギリス・ルネサンス演劇を代表する人物でもある。卓越した人間観察眼からなる内面の心理描写により、もっとも優れているとされる英文学の作家。また彼の残した膨大な著作は、初期近代英語の実態を知るうえでの貴重な言語学的資料ともなっている。

    オセロー
    by シェイクスピア、大山俊一
    【イァーゴー】 わたしゃこれをイギリスで覚えました。あそこの連中の酒の強さはまさに天下一品。ご存じデンマーク人だろうが、ドイツ人だろうが、はたまた 太鼓腹 のオランダ人だろうが……おおい、飲め飲め!……イギリス人の比では到底ないね。 【キャッシオー】 イギリス人はそんなに酒飲みの達人かね? 【イァーゴー】 そりゃもう、連中はデンマーク人なんかいとも簡単に飲みつぶしてしまいまさあ。ドイツ人を打ち負かすのに汗をかく必要もありません。連中が干した 杯 に酒を 注いでいるあいだに、オランダ人はゲーッとなってしまいます。

    【エミーリア】 でも嫉妬深い人はそんなお答えでは承知しませんよ。 連中は何か訳があって嫉妬するというんじゃなくて、 嫉妬深いから嫉妬するというだけのことなんです。嫉妬は 自分で自分に たね を植え、自分で自分を生む怪物なんです。

    【イァーゴー】 いや、そうじゃない。オセローはモーリタニアに行くのだ。美しいデズデモーナももちろん一緒だ。何か事件が起きて彼の滞在が延ばされるようなことになれば別だがね、そしてそれにはキャッシオーを片づけちまえば決定的だがね。

  • シェイクスピア作品の中でも読みやすいと感じた。

    嫉妬に狂わされた一人の男とその周りの人達の悲劇を描いた作品。

    イアーゴウという人を騙すのに長けてる奴がいて、こいつの何が凄いって周りから高評価なんだよな。
    だから、周りからはイアーゴウが嘘ついてると全く疑われない。

    現実にもこんな奴いそうだよな。
    この本を読んだおかげで、こんな奴もいるんだと思い知らされた。

  • オセロウが抱いた嫉妬の念は自分の身にも覚えがあるものだった。我が身を振り返らずに読んだならば、オセロウは愚かな人物として自分の目に映ったのかもしれない。しかし、もし自分がオセロウだったならばと考えた時、恐怖に似た感情が心の内に湧き上がってきた。
    シェイクスピアは人の繊細な心を完璧に描き出すことができていた。感服である。

  • 何回読んでも、イアーゴウは頭が切れて、嫌なヤツだなって思う。そしてロダリーゴウはあまりにも愚かで、オセロウは素直すぎる。

  • 初シェイクスピア日本語訳。
    ストーリーは言わずもがなだが、菅さんの注釈/解釈がとてもおもしろい。
    人の感情コントロールって何世紀も進歩してないんだなあと思うと絶望的。抗わず、自由奔放に生きるのも今なら許されるか。

  • シェイクスピアのすごいところは、主人公以外のただの悪役とか脇役さえも、活き活きとした魅力的なキャラクターにしてしまうところ。それでいて、ストーリーはしっかり進んで、最後のカタルシスまで持っていく。消化不良なところがない。天才だなあと思う。

    この作品は、とにかく悪役イアーゴウの魅力につきる。彼の嫉妬を動機とした企みは、鮮やかな立ち回りによって、オセロウの恐ろしい嫉妬心を呼び起こす。嫉妬が生み出す悲劇。イアーゴウは、だけど憎めない人物だ。罪悪感など全く感じずに、周りの人間を話術で自分のコマのように動かす。気持ち良いくらいに。

  • 4003220501  232p ?

  • 栄誉ある人間も人を見る目がなければ、その地位も失墜する。

  • 初めから最期まで嫌な感じ。
    イアーゴーと比べたらマクベスの魔女たちだって可憐な乙女に思える。

    差別は未来に対する犯罪。
    差別による犯罪は許してはいけない。

    「悲劇作品傍注」コールリッジ
    心に決めた信念や強さがない(個性に欠け、感情が激しい――ちょうど空き家に吹く風が最も騒々しいのと同じように) 無節操

    イアーゴーの本当の気持ち――他人を軽蔑する気持ちを心の中に掻き立て、それを感じたり表したりすることに無上の喜びを味わう人々によくある心理、すなわち自分自身が軽蔑されるのを怖れる気持ち

    オセローは無知を理由に自分を弁護したいのである。しかもただ弁護するのではない――自分を責める事によって、弁護しているのである。

    憎しみに心を支配されている人に、成長し変わってゆくことを期待するのは時間の無駄だ。黙って立ち去るのがよい。

    シェイクスピアの四大悲劇のうち、『ハムレット』、『マクベス』、『リア王』は素晴らしい。ただ『オセロウ』は我慢できない。イアーゴーの台詞は一文字も読みたくない。間抜けな軍人が嫉妬に駆られて健気な妻を殺すなんて。

  • シェイクスピア4大悲劇(?)

    なが~~~~いお話でしたが、結局のところ、

    軍人で黒人のオセロウが不釣合いな美人・デズデモウナと恋をして結婚をした。
    親がどんな手を使ったんだと嘆いたが、二人は本当に愛し合っていた。
    イアーゴウはせんだっての戦で同輩のキャシオーが自分より昇進したのをねたみ、お酒に弱いキャシオウに酒を勧め、けしかけて騒ぎを起こさせた。
    オセロウはキャシオウを副官から降ろした。
    それをとりなしてもらうようにデズデモウナにお願いしてもらえとイアーゴウはキャシオウに口添えする。
    そして、イアーゴウはオセロウにデズデモウナがキャシオウと深い仲だと語って聞かせ、巧妙に仕組み、思い込ませた。

    イアーゴウを信じきったオセロウはイアーゴウにキャシオウを殺すように言って、本人はデズデモウナに手をかけた。しかし、デズデモウナが潔白であることをイアーゴウの妻が暴露する。イアーゴウの裏工作をすべて知り、オセロウはデズデモウナに口付けながら自殺する。

    と言う。これだけの話ですた。長かった。

  • 愛と嫉妬についての作品。人を描いているなあと思いました。
    オセロウを陥れるイアーゴウにしても、嫉妬狂いの権力を憎む奴。
    オセロウはばか正直にまっすぐな「坊ちゃん」みたいな人で突っ走っちゃう。悪を憎むのに自分がだまされてるのに気付かない。
    これまで読んだシェイクスピアよりも、テーマが分かりやすくて読みやすい作品でした。

  • 他の四大悲劇も読んでいても思ったのだが、まるで小説の教科書を読んでいるようだ。でもなんつうか、流れとかそう言うのがキレイすぎて、読後あんまり印象に残らない。でも、ラストとか当時からしたらやっぱ衝撃だったんだろうと思う。でも、どれも劇のための本って言うこともあって、結構展開が急だったりする。

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著者プロフィール

ウィリアム・シェイクスピア William Shakespeare
1564-1616 英国の詩人・劇作家。

「2026年 『デンマークの王子、ハムレットの悲劇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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