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- Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003220917
作品紹介・あらすじ
人間は本当は卑しい現世的欲望に動かされている、もったいぶった体裁はそれを隠すための巧みな仮面にすぎないと喝破して、宗教界の争いを徹底的に諷刺した『桶物語』。近代と古代の学問の愚劣な優劣論争を痛烈に暴露した『書物戦争』。いずれにも、若き日のスウィフトの自信に満ちた諧謔と皮肉が躍動している。
感想・レビュー・書評
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挫折
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魔書というものがこの世にはある。うっかり読むと引き込まれてしまって、帰って来れなくなる本だ。ガリバー旅行記で一度それを体験しているのだけれど、いままた、スウィフトの呪力に飲まれそうになっている。精神の余裕のないとき、絶対に読んではいけない。もう遅いけれども。 本書はキリスト教を弾劾する、風刺悪辣痛罵冷笑に満ちた、まっくろなユーモアの本である。予備知識がないと笑うことはおろか理解することもできないうえ、昭和二十八年版は旧字旧仮名遣、わかりにくいことこのうえないが、いったん慣れてしまうと後はただ彼(スウィフト)の怒りに身をゆだねるばかりである。青少年が読んだらたぶん人格が暗く偏る。青年が読めばきっと鬱になる。おすすめしない。
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