ブレイク詩集 (岩波文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003221730

作品紹介・あらすじ

書誌学者としても知られる英文学者・寿岳文章(一九〇〇‐一九九二)は、若き日から並々ならぬ熱意でブレイク(一七五七‐一八二七)に打ち込んできた。ダンテ『神曲』の翻訳とともに寿岳の最も重要なライフワークとなったブレイク詩の翻訳の精髄を一書に集成。

感想・レビュー・書評

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  • 2019年6月29日に紹介されました!

  • 「無心のまえぶれ」・・・人間の宿命を、よく動物に喩えて顕していると思います。赤子・幼子を大切にすること・敬うこと・自分に対して正直であること、「大人」を行うほど分からなくなっていく事が書かれていると思います。人間や社会の風刺も在りました。作者は比喩や隠喩を描くのが上手いと思います。

     「ひとつぶの砂にも世界を  いちりんの野の花にも天国を見  
      きみのたなごごろに無限を  そしてひとときのうちに永遠をとらえる」 


     「天国と地獄の結婚」・・・前半は、世の中で、良いことと思われていることが悪いこと・悪いことと思われていることが良いことという考えを、表現を変えて顕していると思います。箴言が書かれていましたが、作者はここでも動物を人間に喩えています。詩的な観察力があるのでしょうか。史実では、ブレイクは幻視を見たとの事。

     「もし知覚の扉が浄められるなら、あらゆるものはそのありのままの姿の無限を人に顕すであろう」


     「永遠の福音」・・・罪=絶望の赦しが、キリストの教えで価値があるとの事。多数派(majority)ではなく、少数派(minority)に、作者の考えるキリストが味方するとの事。最後の数行に書かれていた、イエスの生き方は、ヘッセの「クヌルプ」の主人公の行き方と似ていると思いました。

     「この形而下の人生はつくりもの、土台も屋根も矛盾だらけ」
     
     

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