- 本 ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003222225
感想・レビュー・書評
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1813年に出版されたが、執筆されたのは1796年、作者が21歳の頃だったようだ。
この作品はずっと昔どこかで読んだ記憶があるのだが、昨年『マンスフィールド・パーク』を読んでとても面白かったので、再読したのである。
ジェーン・オースティンは彼女自身が育った環境、イギリスの田舎に住む「中の上」くらいの階級の、平凡な家庭生活の日常ばかりを書いたのだが、人間観察・描写が優れているため、このような凡庸な生活風景が面白い小説として結晶した。
現在我々が彼女の小説を読む際の面白さは、人間描写の他に、「当時のイギリスの社交界ではどうしてこんな変なマナーに全員縛られていたのだろう?」といった、人類学的な興味にもある。
それにしても、今回は読んでいて、「ほんとにヒマな人たちだなあ」と感嘆した。
この中の上くらいの階級も世襲で獲得した土地の所有権のおかげで、下層の農民らから搾取しつづけ、不労所得によって贅沢な暮らしをしていたわけだ。彼らはあまりにもヒマなので、天気の良い日は毎日散歩ばかりしている。
働かないでも暮らしていけるなんて羨ましいけれども、こんなに社交界の世間がうるさくていちいち作法に縛られるというのも疲れそうである。
本作は主人公エリザベスと、「高慢な男」ダーシー氏との恋愛のなりゆきが中心テーマであるが、その過程もなかなか楽しく、凡庸な生活もこうしたささやかな悲喜劇に満ちているのだなという感想が湧く。 -
それにしても・・・
翻訳モノを読むときには訳者というのがミソなんだなぁ
古典だと思って読みました。
正直、平行読みしていた、「○○の××」が素晴らしい文章だったので
耐えられました。交互に読んだから。 -
数年ぶりに「高慢と偏見」を読みました。
19世紀はじめのイギリスの小説です。
5人姉妹の次女、エリザベスが主人公。
闊達な心と批判精神に富んだ彼女は、金持ちの男性ダーシーと出会うが、「高慢」な彼の態度に、いやな人だ、と強い「偏見」を持つ。
マイナス地点から出発する二人。
いろいろな人が現れ、さまざまな出来事が起こり、「大どんでんがえし!(古い)」にいたるまでの物語です。
ドラマチックさは「嵐が丘」に劣りますが、登場人物それぞれのキャラクターがきっちりと描かれていて、楽しませてくれます。
特に、勘違い男のコリンズ氏が面白い。 -
ジェーン・オースティンがめっちゃ好きになった本。
ぜひ20代の女性には一度は読んでほしい。
ロマンスがぎっしりつまってます☆ -
恋は盲目を表している。正しくあろう(偏見を持たずにありのままを受け入れる)ことの難しさや、無意識のうちに先入観で判断してしまっていることを感じさせられた。
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【本学OPACへのリンク☟】
https://opac123.tsuda.ac.jp/opac/volume/82530 -
時代背景の違いはあるが、現代にも通じるところがある。2人の登場人物が一貫して高慢と偏見を持つ存在として描かれているためストーリー展開もわかりやすい。
原典で読みたい。 -
ロマンス小説にどっぷりつかるきっかけになった一冊。
何度も読み返しました。 -
18世紀のイギリスの片田舎を舞台に上流階級と上流中産階級のいくつかの家の間で巻き起こる、人間模様、恋愛を扱った作品。タイトルの「高慢」はミスタ・ダーシーの性格を、そしてそんなダーシーへのエリザベスの思いを「偏見」と表していると感じるが、この作品の登場人物には誰しもがもつ人の心の裏に見える高慢な心を持ち、互いに探り合っている偏見を見ることができたと感じた。当時のイギリスの気品高いそう言った作法や言葉遣いの裏に、互いに探り合ってアイロニーな含みを持たせてる点に非常に面白みを感じた。そういった、当時の上流中産階級社会規範をうつしながらも傑作と呼ばれる現代の人々にも万人ウケする恋愛小説を書き上げたオースティンはまさに英国女流文学の頂点と言われる所以だと感じる。
最初は偏見や地位によってすれ違い続けていた2人が最終的にはお互いの真の心を知り惹かれあっていく様は、近年のドラマや映画に通ずるものがあったと感じた。シンプルに面白かったです。
ジェーン・オースティンの作品





