高慢と偏見 下 改版 (岩波文庫 赤 222-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003222225

感想・レビュー・書評

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  • 上下読了

    言わずと知れた名作
    端的に言うと、昔のイギリスの貴族たちの婚活恋愛小説といったところでしょうか。

    めちゃくちゃ面白かった!!

    翻訳小説で、しかもかなり昔の作品ということで、読みにくさはかなり有るだろうとは思いますが、それを凌駕する構成力でまんまと惹き付けられてしまいました。
    こんなにスラスラ読み進められる翻訳小説初めてかも!
    登場人物も多いですけれど、みんなキャラが立っていて面白いしわかり易かったです。

    見どころたっぷりでしたが、やはり1番の見どころはエリザベスとダーシーの恋愛でしょう!
    めちゃくちゃときめきました!!
    読めば読むほどエリザベスの誰にも屈しない強さに惚れてしまって、ああ、どうかエリザベスが幸せになりますようにと願いながら読み進めました。
    ダーシーとはすれ違いもありながら、結ばれて本当に良かった。
    キャサリン夫人にダーシーとの結婚を咎められた際、真っ当に抗議したエリザベスにはほんとにスカッとさせられました。
    どうか幸せに暮らして欲しいですねえ

    やはり時代を超えて愛される作品というのは、面白いなあと思いました。すごく楽しかったです。

  •  1813年に出版されたが、執筆されたのは1796年、作者が21歳の頃だったようだ。
     この作品はずっと昔どこかで読んだ記憶があるのだが、昨年『マンスフィールド・パーク』を読んでとても面白かったので、再読したのである。
     ジェーン・オースティンは彼女自身が育った環境、イギリスの田舎に住む「中の上」くらいの階級の、平凡な家庭生活の日常ばかりを書いたのだが、人間観察・描写が優れているため、このような凡庸な生活風景が面白い小説として結晶した。
     現在我々が彼女の小説を読む際の面白さは、人間描写の他に、「当時のイギリスの社交界ではどうしてこんな変なマナーに全員縛られていたのだろう?」といった、人類学的な興味にもある。
     それにしても、今回は読んでいて、「ほんとにヒマな人たちだなあ」と感嘆した。
     この中の上くらいの階級も世襲で獲得した土地の所有権のおかげで、下層の農民らから搾取しつづけ、不労所得によって贅沢な暮らしをしていたわけだ。彼らはあまりにもヒマなので、天気の良い日は毎日散歩ばかりしている。
     働かないでも暮らしていけるなんて羨ましいけれども、こんなに社交界の世間がうるさくていちいち作法に縛られるというのも疲れそうである。
     本作は主人公エリザベスと、「高慢な男」ダーシー氏との恋愛のなりゆきが中心テーマであるが、その過程もなかなか楽しく、凡庸な生活もこうしたささやかな悲喜劇に満ちているのだなという感想が湧く。

  • それにしても・・・
    翻訳モノを読むときには訳者というのがミソなんだなぁ

    古典だと思って読みました。

    正直、平行読みしていた、「○○の××」が素晴らしい文章だったので
    耐えられました。交互に読んだから。

  • 数年ぶりに「高慢と偏見」を読みました。
    19世紀はじめのイギリスの小説です。

    5人姉妹の次女、エリザベスが主人公。
    闊達な心と批判精神に富んだ彼女は、金持ちの男性ダーシーと出会うが、「高慢」な彼の態度に、いやな人だ、と強い「偏見」を持つ。
    マイナス地点から出発する二人。
    いろいろな人が現れ、さまざまな出来事が起こり、「大どんでんがえし!(古い)」にいたるまでの物語です。

    ドラマチックさは「嵐が丘」に劣りますが、登場人物それぞれのキャラクターがきっちりと描かれていて、楽しませてくれます。
    特に、勘違い男のコリンズ氏が面白い。

  • ジェーン・オースティンがめっちゃ好きになった本。
    ぜひ20代の女性には一度は読んでほしい。
    ロマンスがぎっしりつまってます☆

  • 18世紀のイギリスの片田舎を舞台に上流階級と上流中産階級のいくつかの家の間で巻き起こる、人間模様、恋愛を扱った作品。タイトルの「高慢」はミスタ・ダーシーの性格を、そしてそんなダーシーへのエリザベスの思いを「偏見」と表していると感じるが、この作品の登場人物には誰しもがもつ人の心の裏に見える高慢な心を持ち、互いに探り合っている偏見を見ることができたと感じた。当時のイギリスの気品高いそう言った作法や言葉遣いの裏に、互いに探り合ってアイロニーな含みを持たせてる点に非常に面白みを感じた。そういった、当時の上流中産階級社会規範をうつしながらも傑作と呼ばれる現代の人々にも万人ウケする恋愛小説を書き上げたオースティンはまさに英国女流文学の頂点と言われる所以だと感じる。

    最初は偏見や地位によってすれ違い続けていた2人が最終的にはお互いの真の心を知り惹かれあっていく様は、近年のドラマや映画に通ずるものがあったと感じた。シンプルに面白かったです。

  • ↓貸出状況確認はこちら↓
    https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00087116

  • これぞthe文学! ちょっと待って、何この作家さん?! なんかとんでもない作品を書く人がいたんですねえ。それこそ行政権力者がよく使いまわす「淡々と粛々と」筆を進めている感じがするのですが、それが返ってこの作品の完成度を高めているという感じです。もう少し具体的に言うと、淡々と粛々と書かれているのですらすら読めるしすらすらストーリーを追っていけるという読者に負担をかけさせない作風なのに、それだからこそこの作品の価値を理解することも読者に容易にさせているという、なんだか著者に手籠めにされているような感覚を持ってしまうほどの完成度の高さよ。ほんとにいるんですね、こんな文学の達人て!人類史上最高最強の作家さんじゃないですか、この人。
    ーーーーー
    溌剌とした知性を持つエリザベスと温和な姉ジェインは、近所に越してきた裕福で朗らかな青年紳士ビングリーとその友人ダーシーと知り合いになる。エリザベスは、ダーシーの高慢な態度に反感を抱き、彼が幼なじみにひどい仕打ちをしたと聞き及び、彼への嫌悪感を募らせるが…。ダーシーの屈折した恋の告白にエリザベスは反発した。だが、ダーシーの手紙で己の誤解に気づき、数ヵ月後の思わぬ再会で彼への感情は変化していく。そこへ、末妹の出奔、彼の叔母君の横槍が…。恋のすれ違いを笑いと皮肉たっぷりに描く、英国文学の傑作、決定訳登場。

  • あれだけ嫌っていたダーシーにエリザベスが惹かれていく心の機微がよく描かれていた。エリザベスは賢くて勇気があって良い。ハッピーエンドだった。人物描写が分かりやすくてハッピーエンドで、婦女幼童の読み物って感じ。

  • 下巻に入るとぐっと萌えどころが増える!
    とりわけペムバリーでダーシーとエリザベスがばったり出会してお互い赤面するシーンはきゅんきゅんしちゃった。楽しい〜。ラブロマンス楽しい〜。
    ダーシーがあまりにも身を粉にしてベネット家つまりエリザベスのために親切なものだから、そんなに尽くして大丈夫!?とかえってハラハラしちゃった。
    身分差のある結婚についての是非というより、こんな狂人めいた家族と身内になるのは古今東西問わずイヤよね…と思っちゃったり。それでもぐっとこらえてエリザベスを選んでくれてありがとうの気持ち。

    ずっと名前は知ってる名作だったけど、私にとって読むタイミングも良かったかも。
    高慢くんと偏見ちゃんってタイトルで漫画化しても楽しめそう。

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