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Amazon.co.jp ・本 (470ページ) / ISBN・EAN: 9784003222713
作品紹介・あらすじ
19世紀初頭、ロンドン。上昇志向のベッキーと淑やかなアミーリアが女学校を終え世間へ踏み出す。大英帝国の上層社会、そこは物欲・肉欲・俗物根性うずまく〈虚栄の市〉。植民地経営とナポレオン戦争を背景に浮沈する、貴族、有産階級の人生模様。作者自身の挿絵でいろどるサッカリーの最高傑作。まっさらの新訳でお目見え!
みんなの感想まとめ
19世紀初頭のロンドンを舞台に、上昇志向のベッキーと淑やかなアミーリアの友情と葛藤を描いた物語は、恋愛や社会的地位の争いが織り成すドラマが魅力です。二人の性格は対照的で、ベッキーは強い意志を持ちながら...
感想・レビュー・書評
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「虚栄の市(一)」サッカリー著・中島賢二訳、岩波文庫、2003.09.17
434p ¥840 C0197 (2017.10.13読了)(2017.07.21購入)
以下は読書メモです。
10月10日から読み始めました。
著者は、1811年インド生まれ。1863年に亡くなっています。この本が書かれたのは、1847年ということです。この本の挿絵もサッカリーが描いたものとか。
先日読んだアレクサンドル・デュマは、1802年に生まれ1870年に亡くなっています。『モンテ・クリスト伯』は、1845年に書かれています。ほぼ『虚栄の市』と同じころですね。
『虚栄の市』の時代は、1813年ごろということです。ナポレオンがロシアと戦っていたころです。まさにトルストイの『戦争と平和』の時代です。
アミーリアとレベッカが女学校から出てゆくところから物語が始まります。アミーリアは、いいところのお嬢さんでレベッカは、自分一人の才覚で生きないといけない女性です。女学校でも、フランス語を指導していたとか。
アミーリアが自宅に帰るので、家庭教師の口を紹介してもらったレベッカがアミーリアの家で一週間ほど過ごしてから家庭教師を依頼された家に行こうとしています。
自力で旦那を見つけないといけないレベッカは、アミーリアの兄のジョーゼフに狙いを定め、結婚を申し込ませる寸前までいったのですが、時間切れでした。
アミーリアには、すでに婚約者がいます。ジョージ・オズボーンです。父親同士が知り合いで、小さいうちに決めたようです。アミーリアは、ジョージにぞっこんで、彼以上にかっこいい男はいないと思っています。ジョージの方は、大勢の女うちの一人としか思っていないようです。
最初アミーリアが、主人公かなと思っていたのですが、レベッカの移動と共に、話がレベッカの方に移っていったので、レベッカの方がメインのようです。
レベッカが家庭教師として入ったクローリー家はどれがどういうひとなのか大分混乱してしまいました。二人ぐらい亡くなったのですがさてどの人のことやら?
レベッカは、ここでも上手に立ち回って夫人の位置を手に入れようと奮闘しています。
うまい具合に行ったのかどうかは、第二巻以降のお楽しみですね。
レベッカだけでどんどん進むのかと思いきやアミーリアやオズボーンが途中から絡んできました。
トルストイの『戦争と平和』でも、ロシア宮廷ではフランス語が話されているというような話でしたが、イギリスでも、フランス語を話せることが教養のようですね。
女の人はピアノが弾けて歌も歌えるといいようですね。ダンスも踊るのでしょうけれど。
寄り道してから、第二巻に進みます。
バーバラ・ピンカトン女史 女学校経営者、校長先生
ジマイマ・ピンカトン先生 校長先生の妹
アミーリア・セドリ
レベッカ(ベッキー)・シャープ
ジョーゼフ(ジョス)・セドリ アミーリアの兄、東インド会社の収税員
セドリ氏 アミーリアの父、株式仲買人
ジョージ・オズボーン アミーリアの婚約者
オズボーン氏 実業家
ウィリアム・ドビン ジョージの学友
ピット・クローリー卿 准男爵、大地主
ピット・クローリー氏 ピット卿の長男
ロードン・クローリー ピット卿の次男
ビュート・クローリー師 ピット卿の弟、牧師
老嬢ミス(・マチルダ)・クローリー ピット卿の姉、富豪
【目次】
幕前の口上
第一章 チジック・モールの女学校
第二章 シャープ嬢とセドリ嬢ともども、戦いの準備をする
第三章 レベッカ敵前へ
第四章 緑の絹の財布
第五章 われらがドビン大尉
第六章 ヴォクソール遊園
第七章 クイーンズ・クローリーのクローリー家
第八章 シャープ嬢の親展便
第九章 家族の肖像
第十章 シャープ嬢の新しい味方
第十一章 素朴な理想郷
第十二章 ひどくセンチメンタルな一章
第十三章 センチメンタルとその反対
第十四章 ミス・クローリー、ロンドンに戻る
第十五章 レベッカの良人がちょっとだけ顔を見せる
第十六章 針山の手紙
第十七章 ドビン大尉はいかにしてピアノを買ったか
●女学校(20頁)
音楽、ダンス、正字法、各種の刺繍洋裁の習得につきましては、御両親のご期待に完璧に添える域に達しておられることは間違いございません。ただ、地理につきましては、もう少し勉強を続けていただきたいと願っております。また、社交界に出られる令嬢にとって欠くべからざるものとして大切な、威厳ある姿勢、立ち居振る舞いを申し分なく身につけていただくには、脊柱矯正板を今後三年間にわたり、一日に四時間、欠かさずに使用することをお勧めいたします。
●校長先生(29頁)
ピンカトン女史は、学校ではフランス語のできる先生を使っていたが、彼女自身は全くフランス語がわからなかった。
●世間は姿見(38頁)
世間は姿見みたいなもので、すべての人に自分の映った顔を投げ返してくれるものだから。鏡に向かって顰めっ面すれば、顰めっ面はこちらを見返すし、笑ってやれば向こうも笑ってくれる。
●高貴な野望(59頁)
若いお嬢さんを競って社交界にデビューさせるものは何かといえば、結婚相手を見つけるという高貴なる野望以外に考えられないではないか?
●原文はどう書いてあった?(81頁)
ジョージに十二節のお祭りに来るように、と手紙を書いてやった時、おまえが節の字の竹冠を落としちゃったことを?
●虚栄の市(205頁)
虚栄の市といえば、もちろん、虚飾、邪悪、愚行が跋扈しているところである。だから、ありとあらゆる大嘘、裏切り、見かけ倒しに満ち満ちた場所でもあることを、わが愛する読者諸兄はくれぐれもお忘れにならないように、とここらでお願いしておくのがよさそうである。
●ナポレオンの退位(288頁)
講和が宣告されて全ヨーロッパは安定に向かおうとしている、コルシカの成り上がり者は倒された、だから、オズボーン中尉の連隊にも出動命令が下ることはないだろう、とアミーリアは思ったのである。
(2017年10月14日・記)
内容紹介(amazon)
19世紀初頭,ロンドン.上昇志向のベッキーと淑やかなアミーリアが女学校を終え世間へ踏み出す.大英帝国の上層社会,そこは物欲・肉欲・俗物根性うずまく〈虚栄の市〉.植民地経営とナポレオン戦争を背景に浮沈する,貴族,有産階級の人生模様.作者自身の挿絵でいろどるサッカリーの最高傑作.まっさらの新訳でお目見え!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本日の読書:虚栄の市『虚栄の市』と聞くと、一瞬『天路歴程』を経由してしまう(作中に登場)が、読んでみたら当然、まったく違う話なので今後はストレートに『虚栄の市』を思い浮かべられるだろう。
100年前のイギリスを舞台にした、恋愛下剋上小説(?)
売れない画家とフランス人のダンサーの間に生まれた、孤児のレベッカと、豪商の娘として何不自由なく育ったアミーリャ。
アミーリャはとても素直で感情豊か、レベッカは頭の回転が速く、リアリスト。
こんな二人が親友なのだが。
レベッカは最初、アミーリャの兄を狙う。
インドの収税理だったが、暴飲暴食がたたって体を壊し、イギリスに帰ってきていたのだが、その見た目と引っ込み思案の性格ゆえ、まったく女性にもてない。
プロポーズの直前まで行ったが、強い酒を飲み過ぎて泥酔した揚げ句に醜態をさらし、結局レベッカの前から姿を消してしまう。
レベッカは、貧乏でしみったれな従男爵家に家庭教師として雇われ、そこの家族に大変慕われる。
在学中のレベッカは、上昇志向が強く勝ち気で、ちょっと鼻持ちならない娘だったが、社会に出て、自分をうまく押し隠して人たらしの腕を磨く。
でも、決してそれが、読んでいて不快ではない。
裏表はあるけれど、他人の不幸をのぞんだり足を引っ張ったりはしないレベッカ。
頼るべき親や後ろ盾が一切ないので、自分の力で伸し上がっていくしかない。
それに比べると、アミーリャは受け身一方で、今のところとても善良である以外に書くべきことはない。
ところで、古い岩波文庫で読んでいたので、旧字や旧仮名遣いが若干手ごわい。
ヂョンソンとかヂマイマという名前、ピンカトンという苗字。
わかるけど…そうですか、そう来ますか…という感じ。
面白かったのが果物饅頭と書いて、タアトと読み仮名がふっていたこと。
これ、タルトってことでいいでしょうか。
にしても、果物饅頭。ぷぷぷ。 -
復刻出版された三宅幾三郎さん翻訳の、全6巻版の方を読み始めました。旧訳ということもあり、本文は旧かな・旧漢字ですが、それほど違和感はありませんでした。
「小公女」のモデルみたいな女学院を、レベッカとアミーリアが卒業する所から物語は始まります。2人は仲良しですが、富裕階級のアミーリアとは異なり、レベッカは貧しい生まれで家庭教師として働かなくてはなりません。しかし機知に富んだレベッカは、自らの手で人生を切り拓いていきます。この巻は、そのほんの始まりですが、惹き込まれる面白さがありました。 -
この小説は「主人公のいない」ということがキーポイントである
2024/9/18追記
ふとこの物語を思い出して、タイトルが全然思い出せず、1時間過去の作品を遡って思い出してようやくこの作品に辿り着いた。とんでもなく良い作品。 -
渡る世間は鬼ばかり?!騙し合いすかし合い、成り上がったもん勝ちの虚栄の市。転んでもタダじゃ起きない少女レベッカ、序盤で「あばよ、クソババア」と言わんばかりに馬車から辞典を投げ捨てる姿が痛快で笑った。抜け目ないというか強かというか、まあ両方だろうな。早くも将来ゴウツク婆あになりそうな片鱗を見せている。
男どもも打算と欲望にまみれ、永遠の愛を誓った舌の根も乾かぬうちに火遊びに走りそうなやつばかり。やれやれどうなることやら。
アミーリアのようなおとなしいお人形のようなお嬢さんは泣かされる運命にあるようだ。可哀想だとは思うが、鬼ばかりの世間を渡って行くには強くならないとね。美徳だけでは行きていけない世界…ああ世知辛い世の中よ。 -
新書文庫
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十代の時点でこの立ち回り、この後レベッカが人生をどうしていくのか興味が湧いた。
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挿し絵をみるだけでも楽しい。当時の文化や風景が伝わる。人の心というテーマにも触れてくる。
まだ2巻の真ん中くらいまでしか読み終えていませんが・・・。
北村薫の作品に出てくるんですよね。虚栄の市が。 -
英国版『戦争と平和』と称される作品。
まぁ、それにしても面白い。サッカリーの遊び心満載。
挿絵も多いが、そのちょっと不細工な人々の表情がまたストーリーまっちしていて尚良し。
なかなか手に入りにくいのが惜しいばかりです… -
ベッキーがんばれ!
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世渡り上手なくせに、どこか抜けてるヒロインのベッキー・シャープ。
彼女は、現在に生まれて会社でもおこしたら大成功できたんじゃないかと思う。
女性に権利のない時代が舞台だから、「男性を利用する」という点でぐだぐだになったように見える。
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