虚栄の市 4 (岩波文庫 赤227-4)

  • 岩波書店 (2004年3月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (450ページ) / ISBN・EAN: 9784003222744

作品紹介・あらすじ

賭博場をさすらうベッキーとの予期せぬ再会。亡夫を追慕するアミーリアに旧友は15年前の手紙を突きつけ迷妄を醒ましてやる。しかしああ、空の空―虚栄の社会はなおも続き… 人間絵巻ついに完結。〈悪女〉最後の疑惑を読者に残して。新訳。(全4冊)

みんなの感想まとめ

人間の欲望や虚栄心を描いた本作は、特異なヒロイン、ベッキーの魅力が際立っています。彼女の大胆な行動や、時には憎めないキャラクターは、読者を惹きつけてやみません。特に、辞書を投げ捨てるシーンや、カーテン...

感想・レビュー・書評

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  • かつて、こんなにもひどいヒロインは存在したでしょうか???

    ベッキーさんが、卒業記念にもらった辞書を馬車から投げ捨てるシーンは、文学史上屈指の名場面?として是非とも殿堂入りして欲しいものです。(※一巻の表紙の場面)

    次点として、カーテンの陰から悪魔のように微笑むベッキーさんの姿を推します。(※四巻の表紙)

    ベッキーさん、ただ者ではありません。
    それでもどこかベッキーさんを憎めないのはなぜでしょうか。

    なんだかんだいって、作者の目線が人間愛に満ちた優しい眼差しだからかもしれません。

    * *
    本書を読んだきっかけは、北村薫さんの『街の灯』に出てきたからですが、読むまでに何十年もかかったことになります。
    本にはたまにそんな時間が流れます。

  • 素晴らしい作品!詳細は読書メモ欄に記載 → こちら

  • 機会を最大限に利用する才覚はベッキーが長けているが、悪女としての素養はむしろ無垢なアミーリアの方が上。自覚の有無の問題なのだ。
    長い年月を踏みつけにされながらも献身的に尽くしてきたドビンだが、どうしても譲れない一点において自己を主張し、アミーリアに最後通牒を突き付ける。いい人をやめていい男になったら、欲しかったものが手に入る。でもアミーリアにそんな価値ないと思うけど。無意識とはいえ簡単に落とせないということだけで自分の価値を高めてるような、まごころもわからない鈍感女なんだから。

  • レベッカが醜聞により社交界から総スカンをくらい、反対にジョスの帰国によりアミーリアが社交界に復帰。なんだかこのあたりから因果応報感が漂ってきてつまらなくなってしまったのだが、そのままでは終わらなかった。
    第66章「恋人同士の喧嘩」でドビンとレベッカがアミーリアにそれぞれの言葉で「いい加減目を覚ませバカ女」と言うところ、まさしくその一言待ってましたー!!ここまで読む間、ドビン君の愛情にあぐらをかいたアミーリアにどれだけいらついたことか。いやーこの小説間違いなくドビン君がヒーローですよ。レベッカはレベッカで最後まで自分を貫いていて、あっぱれ。そういう生き方もありだと思う。何が正しい、何が正しくない、なんて相対的なものでしかないのだから、みんな自分らしく生きればいいのだ。他人と比べて幸せを測るなんて馬鹿らしい、とサッカリーは言っている気がする。
    そんな感じで読後はスッキリした気分。これも大団円と言えるかな!

  • 旧訳版(全6巻)の4巻を読み終えました。この巻では、ベッキーとアミーリャの境遇に大きく変化していきます。巨額の遺産を手に入れ損ねたベッキーは、その後の状況の変化により、クローリー家に正式に認められる存在になりました。そしてベッキーは、ついに国王との謁見も果たし、淑女として認められます。一方、アミーリャの生活はますます困窮していきます。亡きジョージを勘当した祖父は、孫の存在は認めましたが、アミーリャは許さず、彼女の困窮につけこんで、アミーリャから息子を引き離してしまいます。
    ベッキーの生活が華々しいだけに、余計にアミーリャが哀れですね。

  • 「虚栄の市(四)」サッカリー著・中島賢二訳、岩波文庫、2004.03.16
    411p ¥840 C0197 (2017.11.06読了)(2017.07.02購入)

    【目次】
    第五十四章 戦い済んで日曜日
    第五十五章 前章の続き
    第五十六章 ジョージー、紳士となる
    第五十七章 東方紀行
    第五十八章 われらが友、ドビン少佐
    第六十章  再び上流社会へ
    第六十一章 二つの灯が消える
    第六十二章 ラインの畔
    第六十三章 旧友との再会
    第六十四章 さすらい人
    第六十五章 忙しいやら嬉しいやら
    第六十六章 恋人同士の喧嘩
    第六十七章 出生、結婚、そして死
    地図
    解説  中島賢二

    ☆関連図書(既読)
    「虚栄の市(一)」サッカリー著・中島賢二訳、岩波文庫、2003.09.17
    「虚栄の市(二)」サッカリー著・中島賢二訳、岩波文庫、2003.11.14
    「虚栄の市(三)」サッカリー著・中島賢二訳、岩波文庫、2004.01.16
    (「BOOK」データベースより)amazon
    賭博場をさすらうベッキーとの予期せぬ再会。亡夫を追慕するアミーリアに旧友は15年前の手紙を突きつけ迷妄を醒ましてやる。しかし、ああ、空の空―虚栄の社会はなおも続き…人間絵巻ついに完結。“悪女”最後の疑惑を読者にのこして。新訳。

  • 稀代の悪女とか書かれているベッキーだが、ちっともそうとは思えない。この時代に金も後ろ盾も無く、自分の力だけでここまで伸し上がれたのは素晴らしい。

  • ドビンが一瞬「おれ実はベッキーの方が人間としては好きだな」と思ってしまうところがよい。

  • 全4巻読了。北村薫のベッキーさんシリーズから興味を持って読んだけど、予想外に面白かった。2004年の新訳だけあって、訳が古臭くなくて読みやすいのも◎
    善良で凡庸なヒロインアミーリアに対して才知に溢れる「悪女」ベッキー。でもこのベッキーがとても魅力的。自分に正直で目的のためには手段を選ばず、だけど根っからの悪人ではなくて、自分に正面から敵対する人にかえって好意を感じたり、困難を笑い飛ばすことのできるベッキーは、今でも通用するキャラクターだと思う。

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