デイヴィッド・コパフィールド 2 (岩波文庫 赤 228-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (460ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003222829

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  • 伯母さんが素晴らしい。
    なんて凛として慈悲深い人なんだろう。
    デイヴィットの境遇は、伯母さんのおかげで安定して穏やかになった。
    すばらしい人たちに囲まれた時代。
    成長してゆくにつれ、世の中は変化し、裏にある悲しさをも見ることになるのだけれど、それでも幸せな日々を送れたことに違いはない。
    最後の一章が笑えた。
    独り暮らしを始め、一人前になりかけると、つい羽目を外してしまうのは、古今東西同じなのだなあ。

  • 第18章で、急に17歳になっている。
    (その記述の直後に「じきに二十一歳になるじゃないか」)231P ともある)
    そして語り口も、それまでは、小学生くらいの感じだったのが急に青年な感じに変わって、びっくりする。

    純朴なディヴィッド。人が好すぎて、出会う大人たちにすぐにだまされやすそうで、心配になるほど。
    青年になっても、やはり素直な人柄で、基本的に出会うひとはみな好きになり、人をさげすんだり嫌悪したりはしない。おそらく、こういう善なる性格が、その後の彼の人生を良い方に導いてゆくように思わせる。

    前巻末で、丁稚奉公みたいな職場から出奔したディヴィッド。
    ほぼ徒歩で、ロンドンからドーバーへ。父方の伯母のもとを訪ねて三千里、的な道行き。
    わずかな路銀も失ったので、衣服を古着屋に売ったりする。浮浪者のような様相で、飢えに苦しみながらテクテク歩く過酷な旅。恐らく、デイヴィッドの人生の山あり谷ありのなかでも、最低にどん底の時期の様子。

    だが、伯母の家を見つけて、彼女の保護を受け、近傍カンタベリーの学校に入学。
    経済的庇護もうけ、平和ですこやかな少年時代をすごしてゆく。
    こんどの学校は、教師らの不条理な暴力もなく、また敬愛する先輩にも出会う。
    その後、学校を卒業したデイヴィッドに対して伯母は、社会に出るまえにちょっと世の中を見てきなさい、と旅に出ることを勧める。
    その道中で、先輩のスティアフォースと偶然再会。彼と一緒に、ドーバー地方を旅してまわる。ふたりでペゴティー一家の「船の家」を訪ねたりもする。

    その後、デイヴィッドは伯母の勧めでロンドンの法律事務所に職を得る。( 「 ローマ法博士会 」所属?の「 スペンロウ・アンド・ジョーキンズ法律事務所 」の期間仮採用となる)

  • 職場からの逃亡、伯母の元へ身を寄せ、学校へ通い、スティアフォースと再会し、ペゴティーたちと再会し、職業を決め、一人暮らしを始める。

  • ドーバーにたどり着いたデイヴィッドは、唯一の頼みの綱であった伯母さんを探し当て、幸運にもその庇護のもと新しい生活を始めることができた。さまざまな人との出会いと自らの行いが人生経験を積ませていく。2023.3.11

  • 逆境から順境へ。最後はへべれけに。ビルドゥングスロマンの典型か。

  • どん底生活からようやく抜け出したデイヴィッド.学校にも通い,スティアフォースやエミリーと再会を果たし,また新しい出会いもあった10代(?)を描くのが2巻.悲惨でやや読むのが辛かった1巻の状況は好転し,話が回り始めた.
    スティアフォースはどうも胡散臭いし,ミコーバー氏は相変わらずどうしようも無いのだが,これからデイヴィッドの人生にどう絡んでくるのか?

  • 詳しいまとめは5巻で。

    こちらはさ、スティアフォースなんてさ、
    調子の良さが胡散臭くてさ、
    モームさんの『人間の絆』に出てくるグリフィス君を
    彷彿させて、
    「信用ならないぞ…」ってピーンと来て
    警戒していたんだけどねえ!

  • 生活が軌道に乗り始めたコパフィールド。

  • 新しい生活に乗り出したデイヴィッド。それが希望と幸せに満ちているのは、苦しい時代があったからこそ。雨の日があるから、晴れの日がありがたく思える。人生とはそう言うものだろうと、改めて思った。
    早く次の巻を読みたい!再読なのに。

  • 少し時間かかったけど読みました。一巻同様軽快な語り口で非常に面白かったです。トロットウッドの伯母さんがマードストン姉弟をこきおろすところは、なんだかんだですっとしました。おばさんがいい人でよかったね。スティアフォースと再開もよかったね。

    11/11/1

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著者プロフィール

1800年代を代表するイギリスの小説家。おもに下層階級を主人公とし、弱者の視点で社会を諷刺した作品を発表した。新聞記者を務めながら小説を発表し、英国の国民作家とも評されている。『オリバー・ツイスト』『クリスマス・キャロル』『デイヴィッド・コパフィールド』『二都物語』『大いなる遺産』などは、現在でも度々映画化されており、児童書の発行部数でも、複数の作品が世界的なランキングで上位にランクされている。

「2020年 『クリスマス・キャロル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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