デイヴィッド・コパフィールド 3 (岩波文庫 赤228-3)

  • 岩波書店 (2002年11月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (274ページ) / ISBN・EAN: 9784003222836

作品紹介・あらすじ

ローマ法博士会で働きはじめたデイヴィッドは、少女のようにあどけなく、愛らしい女性ドーラと出会い、すっかりその虜になってしまう。そして、セーラム学園時代の旧友トラドルズとの再会を果たしたデイヴィッドは…。典型にまで造形された登場人物が入り乱れ、ディケンズならではの作品世界が躍動する。新訳。(全5冊)

みんなの感想まとめ

人間関係や愛の多様性が描かれたこの物語では、デイヴィッド・コパフィールドの成長とともに、さまざまな愛の形が浮き彫りになります。肉親の愛や男女の愛、血のつながりを超えた絆が織り交ぜられ、特にミスター・ペ...

感想・レビュー・書評

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  • 五分冊中の三冊目。主人公デイヴィッドが17歳(?)でローマ法博士会に就職してから、大伯母ベッツィー・トロットウッドの破産により職を変えるまで。

    大伯母が支度金千ポンドを用立ててくれて、ローマ法博士会(Doctors’ Commons)というハイソな就職口を確保したものの、当面は無給の年季奉公。奉公先のスペンロウ・ジョーキンズ法律事務所のスペンロウ氏の娘ドーラに激しく恋に落ちる。

    一冊目のエミリー、二冊目のアグネス、三冊目のドーラ、と毎冊違う女性に恋するのは、まあ、そういうものかも知れない。

    幼少の頃から一緒にいる人(通常近親者)には発情しないように遺伝子上プログラムされている筈なので、デイヴィッドがエミリーと結婚することはないだろう、と思って読み進めていたが、まさか、スティアフォースとエミリーが駆け落ちするとは思ってもみなかった。まだ、どちらがどう誘ったかの描写はないものの、エミリー側から動く動機はなさそうなので、スティアフォースが持ち前の人たらしマインドコントローラーぶりを発揮して、結婚直前の花嫁を苦労人ハムから掻っ攫って、多くの人の幸せをぶち壊したのだろう。(と、思っているが、『北の国から‘95 秘密』の蛍ちゃんのように、[若い女性にヌマッた年上の男からではなく]若い女性の側から駆け落ちを誘う場合もあるようなので、スティアフォースとエミリーの二人からそれぞれの見解が語られるまでは、スティアフォースが、一・二冊目でうすうす感じさせられていたような、どうしょうもないクソ野郎だ、と断定するのは止めておこう。)

    デイヴィッドの勤め先の法律事務所の所掌は、教会法と海事法というあまりドラマ性のない領域で、日本だと公証役場みたいなものかしらん。波瀾万丈の人生を送るデイヴィッドの仕事場としてはいまひとつかと思っていたら、これまで一貫してデイヴィッドの支援者であった大伯母のベッツィーが投機に失敗して破産してデイヴィッドの足を引っ張る、というこちらもまさかの展開。

    いろいろある中、ドーラとの恋が成就し、本人たちの間では婚約が成立したようだけど、デイヴィッドの職が変わることに対するドーラのつれない反応を見ると、幸せな結婚は難しそう。

    残り二冊、どういう展開が待っているのか、と思ったら、あらすじらしきものが四冊目、五冊目のカバー見開きの数行に書いてあり、先に結末が目に入ってしまったが、それではネタバレとはならない程度の波瀾があることに期待しよう。

  • 男女間の人間模様が大きく動いた3巻。

    衝撃的なのは、エミリーとスティアフォース(デイヴィッドの友人)との駆け落ち。スティアフォースという男、いったいどういう人物なのか、謎です。デイヴィッドのこれまでの語りからは、いい人っぽかったのに〜。今後の2人の行方が気になります。

    デイヴィッドの方は、ドーラに一目惚れ。愛の告白、そして婚約へ。ほんとにデイヴィッドは純情なんだなあ。

    しかし、いいことばかりは続かない。デイヴィッドの支えであった、おばさんの破産によりデイヴィッド無一文に!そのことをドーラに告白するも、ドーラはお子ちゃまで何とも頼りない。現実を知らないお嬢さんとの結婚、大丈夫?という感じです。

    【印象に残った言葉】
    「諦めないで待て」(トラドルズのセリフ)

    「逆境には勇敢に挑まなきゃ。これしきのことに怖じ気づいてちゃたまらないわよ。勝負はやり遂げなきゃならないの。さあ、トロット、不幸を切り抜けなきゃね」(おばさんのセリフ)

    4巻へ
    (2026.4.19読了)

  • 3巻は色々な人たちのそれぞれの“愛”のお話がいっぱいで、この物語が大きく動く事件も書かれます。肉親の愛もあれば、男女の愛もあります。血がつながっていなくても、相手を愛する人もいます。デイヴィッドだって、これこそが真実の愛だというものを見つけました。でも私が一番感動したのは、ミスター・ペゴティーのエミリーに対する愛でした。何があっても決して揺るがない、深くて温かい愛情を感じました。

    「自分を愛するように他人を愛しなさい」と言いますが、自分を愛するとは自分を大切にすることです。どんな時も自分に寄り添って、励まして一緒に歩いていく。失敗しても後悔しても、前に進む力に変えて一緒に立ち上がっていく。自分だけは絶対に自分の味方でいること。ミスター・ペゴティーは、エミリーが悲しんでいるなら一緒に悲しもう、自分が許せないなら俺が許そう、道に迷ったなら一緒に悩もう、何があっても自分だけは彼女の味方でいよう。こういう愛し方をするんです。ミスター・ペゴティーが自分の心を大切にしたように、彼はエミリーの心を大切にしたんです。これこそが真実の愛だと私は思います。

  • (2024/03/24 4h)

  • ちょっと突飛な評価だと思うのだが、この「D・コパフィールド」の3巻。なんだか村上春樹の小説のような手ざわりを感じた。若き日を思い出して語る過去形の感じ、そのセンチメンタルな感じ、青春時代の甘くほろ苦い出来事を振り返ってゆく語りくちがそう思わせたのかもしれない。
    そうしたこともあり、19世紀小説の近代らしさというより、むしろ現代文学のような感じを受ける。

    「 伯母さんのうれし涙が伝わって、たしかに温かいビールの中へポタリと落ちた。 」35章 348p

    かような一節など現代文学のような洗練を感じさせる。(翻訳の巧さなのかな…。)

    さて、第3巻は、「ハングオーバー」な朝から始まる。
    デイヴィッドは、ロンドンの新居への引越し祝いで、友人スティアフォースらを招いて暴飲暴食。調子にのって繰り出した劇場でも大顰蹙をかってしまったのだ。
    デイヴィッド青年は、法律事務所の「パラリーガル」の職を得、社会人として歩み始める。その日々を描く。

    この巻でも色々な出来事が起きる。
    デイヴィッドは法律事務所で、少年期に自分を責め苛んだ義父マードストンと再会。さらには、職場の上司の邸でマードストンの姉とばったり出会う。また、デイヴィッドの乳母だったペゴティーの夫、御者の「意欲満々のバーキス」の病死。
    そして、憧れの先輩にして友人のスティアフォースが、ペゴティー一家の美しい娘エミリーを連れ去る、という事件も勃発。デイヴィッドは、敬愛していた友人の所業に衝撃を受ける。
    これらの出来事の合間で、甘い恋模様も語られる。法律事務所の上司の娘、美貌のドーラへの憧れと恋心。そして求婚。若きデイヴィッドは、素直で純心なので、すっかりドーラに夢中になり、四六時中彼女のことばかり思い詰めるのであった。

    本巻終盤34-35章で、伯母さんがロンドンにやって来て、破産したことを告げる。

  • 青年期の恋愛やトラブルが盛りだくさんな巻だった。
    エミリーについては、早い段階で薄々こうなりそうな気配がしていたが、案の定だった。
    それぞれの恋愛がまだ未熟で不安定で、若い。
    大人の社会のずるさも、不幸も、恋愛も、全てがコパフィールドを鍛えている途中、といった感じがした。

  • この巻はデイヴィッドの恋や友人との再会、スティアフォースの駆け落ち、叔母さんの破産とか事件が一気に詰め込まれていて一気に読めてしまった。スティアフォースははじめからあまり良い感じはしなかったのでやっぱりな~と言う感じだけどデイヴィッドの語りからまだ何かあるんだろうな。ユライアの動きも気になるし続きが楽しみだ。

  • スティアフォースとエミリーの裏切り、ドーラとの恋、伯母の破産

  • 経済的に、友人に、振り回されながらも自己の意志をしっかり持っていく過程。その中で盲目的な恋に自分を見失いそうな不安定さも垣間見えてくる。2023.4.29

  • 主人公の境遇は暗転。友人のステイアフォースも駆け落ち。そこから主人公はなにを見いだしていくのか。

  • スティアフォースはいけ好かないヤツで,なんでデイヴィッドはこんなに心酔しているんだろうと,ずっと思いながら読んできたのだが,やっぱりとんでもないヤツだった! それからミコーバーさんもうっとうしいんだけど,なぜかデイヴィッドとの友情が続いてるなあ,ドーラも止めといた方が良いと思うぞ,デイヴィッド.苦労するぞ,彼女には.

  • 詳しいまとめは5巻で。

    あぁ、懐かしや、ドラトルズ!

    そして、ユライア・ヒープのねちっこい気持ち悪さが
    一層際立ちはじめる…!

  • また事件が発生。

  • スティアフォースの卑劣なる裏切りが起こり、愛しのエミリーがペゴティー家を疾走するという一題事件が起こり、ベッツィー伯母さんも破産してデイヴィーの家に転がり込む、ドーラとの婚約にはこぎつけたが、ぶっとんだお嬢様の現実味のなさにひやひやしながらも真剣な愛情を傾けるコパフィールド青年の物語。

    11/11/08

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著者プロフィール

〔東北福祉大学総合マネジメント学部教授〕
兵庫県生まれ。大阪大学大学院工学研究科博士後期課程修了。博士(工学)。技術士(都市及び地方計画)。大阪大学大学院人間科学研究科講師を経て2023年から現職。専門はバリアフリー計画学、福祉のまちづくり。近著に『誰もが〈助かる〉社会』(新曜社)(共編著)、『やっかいな問題はみんなで解く』(世界思想社)(分担執筆)など。

「2024年 『福島復興の視点・論点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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