デイヴィッド・コパフィールド 3 (岩波文庫 赤 228-3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (452ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003222836

感想・レビュー・書評

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  • (2024/03/24 4h)

  • ちょっと突飛な評価だと思うのだが、この「D・コパフィールド」の3巻。なんだか村上春樹の小説のような手ざわりを感じた。若き日を思い出して語る過去形の感じ、そのセンチメンタルな感じ、青春時代の甘くほろ苦い出来事を振り返ってゆく語りくちがそう思わせたのかもしれない。
    そうしたこともあり、19世紀小説の近代らしさというより、むしろ現代文学のような感じを受ける。

    「 伯母さんのうれし涙が伝わって、たしかに温かいビールの中へポタリと落ちた。 」35章 348p

    かような一節など現代文学のような洗練を感じさせる。(翻訳の巧さなのかな…。)

    さて、第3巻は、「ハングオーバー」な朝から始まる。
    デイヴィッドは、ロンドンの新居への引越し祝いで、友人スティアフォースらを招いて暴飲暴食。調子にのって繰り出した劇場でも大顰蹙をかってしまったのだ。
    デイヴィッド青年は、法律事務所の「パラリーガル」の職を得、社会人として歩み始める。その日々を描く。

    この巻でも色々な出来事が起きる。
    デイヴィッドは法律事務所で、少年期に自分を責め苛んだ義父マードストンと再会。さらには、職場の上司の邸でマードストンの姉とばったり出会う。また、デイヴィッドの乳母だったペゴティーの夫、御者の「意欲満々のバーキス」の病死。
    そして、憧れの先輩にして友人のスティアフォースが、ペゴティー一家の美しい娘エミリーを連れ去る、という事件も勃発。デイヴィッドは、敬愛していた友人の所業に衝撃を受ける。
    これらの出来事の合間で、甘い恋模様も語られる。法律事務所の上司の娘、美貌のドーラへの憧れと恋心。そして求婚。若きデイヴィッドは、素直で純心なので、すっかりドーラに夢中になり、四六時中彼女のことばかり思い詰めるのであった。

    本巻終盤34-35章で、伯母さんがロンドンにやって来て、破産したことを告げる。

  • 青年期の恋愛やトラブルが盛りだくさんな巻だった。
    エミリーについては、早い段階で薄々こうなりそうな気配がしていたが、案の定だった。
    それぞれの恋愛がまだ未熟で不安定で、若い。
    大人の社会のずるさも、不幸も、恋愛も、全てがコパフィールドを鍛えている途中、といった感じがした。

  • スティアフォースとエミリーの裏切り、ドーラとの恋、伯母の破産

  • 経済的に、友人に、振り回されながらも自己の意志をしっかり持っていく過程。その中で盲目的な恋に自分を見失いそうな不安定さも垣間見えてくる。2023.4.29

  • 主人公の境遇は暗転。友人のステイアフォースも駆け落ち。そこから主人公はなにを見いだしていくのか。

  • スティアフォースはいけ好かないヤツで,なんでデイヴィッドはこんなに心酔しているんだろうと,ずっと思いながら読んできたのだが,やっぱりとんでもないヤツだった! それからミコーバーさんもうっとうしいんだけど,なぜかデイヴィッドとの友情が続いてるなあ,ドーラも止めといた方が良いと思うぞ,デイヴィッド.苦労するぞ,彼女には.

  • 詳しいまとめは5巻で。

    あぁ、懐かしや、ドラトルズ!

    そして、ユライア・ヒープのねちっこい気持ち悪さが
    一層際立ちはじめる…!

  • また事件が発生。

  • スティアフォースの卑劣なる裏切りが起こり、愛しのエミリーがペゴティー家を疾走するという一題事件が起こり、ベッツィー伯母さんも破産してデイヴィーの家に転がり込む、ドーラとの婚約にはこぎつけたが、ぶっとんだお嬢様の現実味のなさにひやひやしながらも真剣な愛情を傾けるコパフィールド青年の物語。

    11/11/08

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著者プロフィール

Charles Dickens 1812-70
イギリスの国民的作家。24歳のときに書いた最初の長編小説『ピクウィック・クラブ』が大成功を収め、一躍流行作家になる。月刊分冊または月刊誌・週刊誌への連載で15編の長編小説を執筆する傍ら、雑誌の経営・編集、慈善事業への参加、アマチュア演劇の上演、自作の公開朗読など多面的・精力的に活動した。代表作に『オリヴァー・トゥイスト』、『クリスマス・キャロル』、『デイヴィッド・コパフィールド』、『荒涼館』、『二都物語』、『大いなる遺産』など。

「2019年 『ドクター・マリゴールド 朗読小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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