デイヴィッド・コパフィールド (4) (岩波文庫)

  • 岩波書店 (2003年1月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (284ページ) / ISBN・EAN: 9784003222843

みんなの感想まとめ

波瀾万丈の人生を歩む主人公が、ついに愛するドーラと結婚するものの、家庭内の問題が次々と浮上し、彼の心に葛藤をもたらします。周囲の人々との関係性や、それぞれの人生の変化が描かれ、デイヴィッドは自分の内面...

感想・レビュー・書評

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  • 五分冊中の四冊目。波瀾万丈の主人公ディヴィッドも遂にドーラと結婚。でも、本冊後半で早くも破綻の雲行き。しかも、ドーラの体調がどんどん悪化していく。19世紀小説の定番コースとして、問題を孕む登場人物はこのまま病死するのだろう。

    300頁辺りでの、デイヴィッドの大伯母ベッツィとストロング先生の義母ミセス・マークラムの間の掛け合い(ベッツィはあくまで独白の形でのツッコミ)が滅法面白い。

    ストロング先生が、年の離れた若妻の浮気の可能性を悪漢ユライア・ヒープから吹き込まれて苦しむ姿を見て、身障者のミスター・ディックがストロング先生と若妻アニーの関係修復に活躍する、という展開は、ダイバーシティ礼賛の21世紀的価値観に通じるところがあって、じわじわよい。

    行方不明のエミリーの消息は、半分くらいは追えたものの、スティアフォースに捨てられた後が、未だ不明。最終巻となる第五巻でどういう大団円を迎えることが出来るのか、楽しみだ。

  • 一人前の、立派な大人になったデイヴィッド。彼の人生も、まわりの人たちの人生も目まぐるしく変わります。まるでジェットコースターみたいです。人生の「外側」で起こる出来事に対応していく中で、同時に自分の「内側」に起こる変化も見つめていかざるを得なくなります。今まで自分がこれで良いと思っていたことが、色々な人たちの人生や言葉から違う方向から見え始めます。自分の物差しがすべてじゃないって気づくんです。彼の心はとても苦しくて痛かったと思うけれど、本当の人生を生きるためには必要なことだったように思います。

    失敗と後悔なんて誰でもしています。今ここで思えば、あんなことはしなかったと思っても、その時はこれが正しいと思ったんです。人生を重ねてたくさんの痛みと苦しみを自分の中に持つことで、あの時は気づかなかった人の痛みに気づきます。人の本当の優しさや強さに気づくのもその時です。デイヴィッドのまわりには魅力的な人たちがたくさんいますが、彼らの物差しってなんて柔らかくて温かいでしょう。苦しみと悲しみが与えてくれるものは偉大だなと思うのです。

  • (2024/06/04 5h)

  • ついにドーラと結婚、案の定家庭内に問題が積まれていく。お手伝いさんとの関係はこの頃はこんなに騙し騙されの関係だったのか。アグネスとこの先どうなるのか気になる。ヒープの心の卑しさは極まれし。様々な人々の描写が忙しくも惹かれる。2023.6.2

  • この物語、デイヴィッド自身のストーリーのみならず、彼を通して多くの人々の人生を描いてゆく、そういう大きな器のようになっている。「船の家」で出会ったペゴティーおじさんや、ミコーバー家の主人をはじめ、庶民の人々は経済的に苦労はしているが、他者への思いやりにあふれて優しく人間味がある。対して、家格を鼻に掛け、ペゴティー一家を卑しいと見下す、スティアフォースの母ら有産階級の人達らは、歪んでいたり、人として間違っていたりする。このあたりにディッケンズの人間讃歌らしきものを感じる。

    この第4巻。第43章に、21歳になった、という記述がある(214p)。というわけでデイヴィッド、20代前半のころのお話で、この巻では、デイヴィッド自身の物語も大きく進展してゆく。
    デイヴィッドは、夢中で恋した美しい乙女ドーラと結婚にこぎつけるのだ。だが、ドーラはとても「おばかさん」であった。家庭の切り盛りは全く出来ない。買い物もまともに出来ない始末。そんなドーラを、デイヴィッドは、どうにかして教育しようとする。だが、ドーラは、私はおばかさんなんだから難しいこと要求しないで、とばかりに開き直る。
    デイヴィッドがずっと頼りにしていたアグネスのほうが、パートナーとしてずっとふさわしいのに…。と思いながら読み進める。

    デイヴィッドは、法律事務所の仕事の傍ら速記を独学。ロンドンの議会で速記録をつくる仕事に取り組む。
    そして「ちょっとした文章を書いて、雑誌に投稿してみた」とある(215p)。作家として第一歩を踏み出し始めるのだった。
    こうした部分、作者ディッケンズの自伝的要素が色濃くなってくるのを感じる。

  • ユライアのような、悪の権化のような人間は、周りにいる人間を次々に損なっていくのだなあ、と、怖くなった。
    関わりたくない。
    ドーラの能力の無さ、幼さ、そして純真さには、呆れる一方で、このような生き方しかできない人もいるのかもしれない、とも思った。
    伯母さんのように、彼女を全面的に受け入れようと努力をすることが一番大切なのだ、と、デイヴィッドも気づく。
    伯母さんが素晴らしい。
    しかし、伯母さんにも弱い点があって、その不完全さに人間らしさを感じた。
    多くの登場人物が絡み合って、最終巻へと話は進む。
    早く続きを読みたい、という気持ちになった。

  • 1巻に次に読みにくい巻だった。スティアフォース事件は色んな人に影を落とし、デイヴィッドの結婚も理想とはかけ離れて…。結婚に関しては誰も悪人では無いだけに悲しい。後半はスティアフォース事件のその後がちょっと見えてきてドキドキする感じが徐々に。

  • ドーラとの結婚、小説家業、ヒープの悪だくみ

  • 卑しさをこれ程までと言うほど描かれているし、崇高さも同じように描かれている。
    やはりディケンズただ者では無い。

  • ついにドーラと結婚を果たすが「だからやめとけって言ったろう,デイヴィッド!」.これは酷い,生活できるレベルじゃない!
    ミコーバー氏がずっと登場し続けるのが謎だったんだけど,意外な人物を通じて接点が再形成され,実はかなり重要な役割を果たしそうだ,というところで最終巻に続く.

  • 詳しいまとめは5巻で。

    4巻を読んでいるときの私は、
    「ごめん、今ユライア・ヒープの件で大変なの…」
    と言う感じ。

    気がかりな案件を抱えていると
    本当に頭が痛くなる、と言うのがわかったよ。
    (本の中の話、なのですがねえ!)

  • エミリーはどこへ?

  • ディケンズの大長編の4巻目。ドーラとの婚約にまでこぎ着けたのは良かったが、トロットウッドの伯母さんが破産をしてしまい、本人まで立場が危うくなって、せっかくのドーラとの婚約もスペンロウの主人にばれてしまったりするが、全く突然にそのスペンロウの主人が死んだりして、その隙間をくぐるようにヒープなんかもくねくねと暗躍をしたりする話し。

    11/11/29

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著者プロフィール

Charles Dickens 1812-70
イギリスの国民的作家。24歳のときに書いた最初の長編小説『ピクウィック・クラブ』が大成功を収め、一躍流行作家になる。月刊分冊または月刊誌・週刊誌への連載で15編の長編小説を執筆する傍ら、雑誌の経営・編集、慈善事業への参加、アマチュア演劇の上演、自作の公開朗読など多面的・精力的に活動した。代表作に『オリヴァー・トゥイスト』、『クリスマス・キャロル』、『デイヴィッド・コパフィールド』、『荒涼館』、『二都物語』、『大いなる遺産』など。

「2019年 『ドクター・マリゴールド 朗読小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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