デイヴィッド・コパフィールド 4 (岩波文庫 赤 228-4)

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  • Amazon.co.jp ・本 (430ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003222843

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  • ついにドーラと結婚、案の定家庭内に問題が積まれていく。お手伝いさんとの関係はこの頃はこんなに騙し騙されの関係だったのか。アグネスとこの先どうなるのか気になる。ヒープの心の卑しさは極まれし。様々な人々の描写が忙しくも惹かれる。2023.6.2

  • この物語、デイヴィッド自身のストーリーのみならず、彼を通して多くの人々の人生を描いてゆく、そういう大きな器のようになっている。「船の家」で出会ったペゴティーおじさんや、ミコーバー家の主人をはじめ、庶民の人々は経済的に苦労はしているが、他者への思いやりにあふれて優しく人間味がある。対して、家格を鼻に掛け、ペゴティー一家を卑しいと見下す、スティアフォースの母ら有産階級の人達らは、歪んでいたり、人として間違っていたりする。このあたりにディッケンズの人間讃歌らしきものを感じる。

    この第4巻。第43章に、21歳になった、という記述がある(214p)。というわけでデイヴィッド、20代前半のころのお話で、この巻では、デイヴィッド自身の物語も大きく進展してゆく。
    デイヴィッドは、夢中で恋した美しい乙女ドーラと結婚にこぎつけるのだ。だが、ドーラはとても「おばかさん」であった。家庭の切り盛りは全く出来ない。買い物もまともに出来ない始末。そんなドーラを、デイヴィッドは、どうにかして教育しようとする。だが、ドーラは、私はおばかさんなんだから難しいこと要求しないで、とばかりに開き直る。
    デイヴィッドがずっと頼りにしていたアグネスのほうが、パートナーとしてずっとふさわしいのに…。と思いながら読み進める。

    デイヴィッドは、法律事務所の仕事の傍ら速記を独学。ロンドンの議会で速記録をつくる仕事に取り組む。
    そして「ちょっとした文章を書いて、雑誌に投稿してみた」とある(215p)。作家として第一歩を踏み出し始めるのだった。
    こうした部分、作者ディッケンズの自伝的要素が色濃くなってくるのを感じる。

  • ユライアのような、悪の権化のような人間は、周りにいる人間を次々に損なっていくのだなあ、と、怖くなった。
    関わりたくない。
    ドーラの能力の無さ、幼さ、そして純真さには、呆れる一方で、このような生き方しかできない人もいるのかもしれない、とも思った。
    伯母さんのように、彼女を全面的に受け入れようと努力をすることが一番大切なのだ、と、デイヴィッドも気づく。
    伯母さんが素晴らしい。
    しかし、伯母さんにも弱い点があって、その不完全さに人間らしさを感じた。
    多くの登場人物が絡み合って、最終巻へと話は進む。
    早く続きを読みたい、という気持ちになった。

  • ドーラとの結婚、小説家業、ヒープの悪だくみ

  • 卑しさをこれ程までと言うほど描かれているし、崇高さも同じように描かれている。
    やはりディケンズただ者では無い。

  • ついにドーラと結婚を果たすが「だからやめとけって言ったろう,デイヴィッド!」.これは酷い,生活できるレベルじゃない!
    ミコーバー氏がずっと登場し続けるのが謎だったんだけど,意外な人物を通じて接点が再形成され,実はかなり重要な役割を果たしそうだ,というところで最終巻に続く.

  • 詳しいまとめは5巻で。

    4巻を読んでいるときの私は、
    「ごめん、今ユライア・ヒープの件で大変なの…」
    と言う感じ。

    気がかりな案件を抱えていると
    本当に頭が痛くなる、と言うのがわかったよ。
    (本の中の話、なのですがねえ!)

  • エミリーはどこへ?

  • ディケンズの大長編の4巻目。ドーラとの婚約にまでこぎ着けたのは良かったが、トロットウッドの伯母さんが破産をしてしまい、本人まで立場が危うくなって、せっかくのドーラとの婚約もスペンロウの主人にばれてしまったりするが、全く突然にそのスペンロウの主人が死んだりして、その隙間をくぐるようにヒープなんかもくねくねと暗躍をしたりする話し。

    11/11/29

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著者プロフィール

Charles Dickens 1812-70
イギリスの国民的作家。24歳のときに書いた最初の長編小説『ピクウィック・クラブ』が大成功を収め、一躍流行作家になる。月刊分冊または月刊誌・週刊誌への連載で15編の長編小説を執筆する傍ら、雑誌の経営・編集、慈善事業への参加、アマチュア演劇の上演、自作の公開朗読など多面的・精力的に活動した。代表作に『オリヴァー・トゥイスト』、『クリスマス・キャロル』、『デイヴィッド・コパフィールド』、『荒涼館』、『二都物語』、『大いなる遺産』など。

「2019年 『ドクター・マリゴールド 朗読小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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