ジーキル博士とハイド氏 (岩波文庫 赤 242-2)

  • 岩波書店
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感想 : 80
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  • Amazon.co.jp ・本 (114ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003224229

感想・レビュー・書評

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  • 翻訳が古いためか、そもそも作品が古いためか、文章を読み進めることが、非常に困難で、忍耐力を試されているかのようであった。

  • アタスン氏の語りにより進められる、博愛家で有名なジーキル博士と残忍なハイド氏の奇妙な関係。なんとなく二重人格の話?という印象を持っていたのですが、読んでみると、そんな単純な話ではありませんでした。
    良い人と思われたい。だけど、欲望のままに自分を満足させたい。清さや愛を求める心と、罪や享楽を求める欲望を併せ持つのは、いたって普通な人間の姿だと思います。だけど罪にふけりすぎると結果自分自身を滅びへと招いてしまう。でも相反する二つの心を持っているのはつらい。人の持つ葛藤をこの物語はよく現していると思います。
    そう、そして、ジーキル博士に言いたいのは、そんな罪人のあなたを主は愛している、ということです。

  • この物語の設定と、二重人格という概念を知らない状態でもう一回読みたい

  • 弁護士アタスン氏の古い友人である医者のジーキル博士には恐るべき秘密が隠されていた。
    アタスン氏の住むロンドンの街では不気味な人物ハイド氏に関する奇妙不可解な事件が起きていた。アタスン氏は友人であるジーキル氏とハイド氏に謎の接点があることが分かってくる。
    アタスン氏はついに友人のラニョン医師の手記とジーキル氏の陳述書から真実を知ることになる。

    この『ジーキル博士とハイド氏』は従来より人間心理の二重性に触れた作品として知られている。ジーキル氏は資産家の家に生まれ、幼い頃より努力と徳の節制した生活をしてきた。しかし、彼は欲望に旺盛であり、そういった欲望を節制により抑圧してきたのである。
    だが、のちに人間本来の二元性に気づいたジーキル氏は善悪二元の完全分離を夢見て、ついにその秘薬を完成させた。

    人間誰しもが持つ善悪を分離するという発想もさることながら、邪悪な面を凝縮したハイド氏は善の部分がなく歯止めがないため、次第にジーキル氏自身が変身をコントロールできなくなるという展開は、人間の心理をよく分析した筆者一流の怪奇ストーリーである。

  • 今まで読んだこともなく、話も知らなかった。とても面白かったが表紙がネタバレだったので残念だった。

  • 名前だけは聞いたことのある有名な作品。二重人格の男が主人公ってことしか知らなかったんだけど、ここまで高尚な作品だったとは…。ペラペラの本だけど凄く読み応えがあって、とても面白かった。善と悪の戦い。最後には悪に屈してしまった博士が切ない。人は悪しき心には勝てないのかな…。ハイド=hide(隠れる)という命名にも感服。時の洗礼を受けた作品はやっぱり損なわれない魅力があると改めて実感。2011/353

  • やっぱり海外の本を翻訳した本って、文章が独特でしっくりこないんだよなぁ。きっと文章の構成というか言い回しとかも日本とは違うという要因もある。その辺違和感なくスッと読める読解力がほしい。

  • あまりにも有名な物語だけど、ちゃんと読んだのは初めてだった。何故かわからないけれど、人間の善と悪、二元論的な話に惹かれる。誰しも完全な善ということはなく、多かれ少なかれ悪が備わっているのだと思うと、ちょっと安心するからかも。

  • ジキルとハイド、ちゃんと読んだのは初めてだ。
    昔の文庫本だから文字が小さくて老人にはきつい。
    中学生の時に夢中になった江戸川乱歩シリーズを思い出した。
    物語はシンプルだけど、こんな人間の二重性の話を、昔の人は恐る恐る読んで怖がったんだろう。

    いい人でいなければと思うから辛くなる。
    たまにはイヤなやつになった方が楽になれる事に最近気づいた。実はハイドの方が居心地がいいとは!
    7:3くらいの割合が一番いい塩梅なのかな。
    そのうち自分の全部がハイドになったりして…
    そうなったら、私は幸せなんだろうか。

  • 2021.11.14

    ジーキル博士がハイドになることで快楽を得ている一方で、ハイドのことを憎んでいる点が、ジーキル博士の善人の部分だとおもった

    完全に善でいる、自分を作り上げて意思を抑圧することは難しくて、どこかしらで押さえていた欲が爆発してしまうっていうことなのかな

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