ジーキル博士とハイド氏 (岩波文庫 赤 242-2)

  • 岩波書店
3.54
  • (45)
  • (96)
  • (155)
  • (13)
  • (3)
本棚登録 : 954
感想 : 80
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (114ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003224229

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • アタスン氏の語りにより進められる、博愛家で有名なジーキル博士と残忍なハイド氏の奇妙な関係。なんとなく二重人格の話?という印象を持っていたのですが、読んでみると、そんな単純な話ではありませんでした。
    良い人と思われたい。だけど、欲望のままに自分を満足させたい。清さや愛を求める心と、罪や享楽を求める欲望を併せ持つのは、いたって普通な人間の姿だと思います。だけど罪にふけりすぎると結果自分自身を滅びへと招いてしまう。でも相反する二つの心を持っているのはつらい。人の持つ葛藤をこの物語はよく現していると思います。
    そう、そして、ジーキル博士に言いたいのは、そんな罪人のあなたを主は愛している、ということです。

  • 今まで読んだこともなく、話も知らなかった。とても面白かったが表紙がネタバレだったので残念だった。

  • 名前だけは聞いたことのある有名な作品。二重人格の男が主人公ってことしか知らなかったんだけど、ここまで高尚な作品だったとは…。ペラペラの本だけど凄く読み応えがあって、とても面白かった。善と悪の戦い。最後には悪に屈してしまった博士が切ない。人は悪しき心には勝てないのかな…。ハイド=hide(隠れる)という命名にも感服。時の洗礼を受けた作品はやっぱり損なわれない魅力があると改めて実感。2011/353

  • 二重人格の代名詞。ずっと昔に読んだが、ミュージカルを観たので再読した。人間、抑圧されすぎていたらダメになるんだなあ。自分らしく生きないと綻びが生じてくる。

  • 何となく知っていたキャラクターだったけど、小説として読んだのは初めて。
    ジキル博士がハイド氏になる過程、ジキル博士の苦悩がよくわかった。
    面白かった。、

  • 多重人格の代名詞といっていいくらいストーリーが有名なので、今さら読んでも面白くないかな、と思っていたけれど、そんなことはなくとても面白かった!善良な人格であるジキルが主格だったはずなのに、何回も変身をしているうちに、邪悪なハイドの人格が大きくなっていく。そのことに気づいたジキルのことを思うとゾクリとさせられる。二通の手記で終わる構成も好き。特に、ジキルの手記の、悪との葛藤部分は読み応えがあった。

  • ジーキル博士が次第にハイドに侵食されていく最後の章が良かった。
    人間の二面性(善と悪)について上手く描かれている。

  • ジーキル博士の中にある、正(生)の部分と悪の部分を分離した結果起きた事件と、その顛末。
    ハイドは純粋な悪として分離した一方で、残ったジーキル博士の心は、その悪を後悔していた。
    悪は次第に膨張し、ジーキル博士の心をむしばみ、恐怖させた。それでも博士は悪であるハイドになることを本能的に求めてしまう。
    悪はドラッグだ。常に人はそれを善良なる心と、迷いによって統制しているからこそ、それを純粋に求めてしまったときには、こぼれてしまったインクのように、もう取り返しがつかないのである。

  • 名作であるだけあってジーキル博士=ハイドという関係はあらかじめわかっていた。もしそのことが分からないまま読み進めていたらまた面白かっただろうなぁ。
    てっきりジーキル博士を主人公に書かれているのかと思ったけど、終盤を除いて殆どが友人のアターソン氏の行動を介してジーキル博士の謎に迫る、という構造でなかなか興味深かった。
    ジーキル博士もハイドも主題でありながら、主人公でない。

  • 医師ジーキルは自ら発明した秘薬によって兇悪な人物ハイドに変身するが、くり返し変身を試みるうちにやがて恐るべき破局が…。

R.L.スティーヴンスンの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×