心―日本の内面生活の暗示と影響 (岩波文庫 赤 244-2)

制作 : 平井 呈一 
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レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003224427

感想・レビュー・書評

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  • 離れて見る・外から見る方が物事の本質は分かりやすくなる、と聞くが、まさにそういった本。暗に欧州の心の在りようと比べているようで、日本人の心の在りようが分かりやすく顕れていると思う(小泉八雲はギリシャ出身)。
    また、執筆当時は明治時代。近代(戦前)の日本人の心の在りようを知るにもよい本に思う。そして、近代の日本人の心が現代にも少なからず残っていることを嬉しく思う。
    急激に変化する社会にあっても、連綿と続いてきた日本人の心の在り方は簡単には変わらないようだ。

  • 明治の頃、実際にあったお話です。
    強盗に入り捕まった犯人が、連行中に警察官を殺して逃走した。
    やがて捕まった犯人は巡査に引き連れられて、停車場に降り立った。

    この犯人を見るべく多くの人々が駅前に集まった。
    その時突然、、巡査が「杉原おきびさん、来てますか」と怒鳴った。
    すると背中に子どもを背負った婦人がしずしずと前に出てきた。
    殺された警察官の寡婦である。

    「ぼうや、これがお前のお父さんを殺した人だよ。
    ぼうやを可愛がてくれるはずのお父さんがいないのはこの男のせいだよー」
    母の肩越しに怖そうに見つめた男の子はやがて泣きだした。

    と、いきなり、縛られたまま犯人は地面に顔をこすりつけ、
    「ごめんなさい、坊ちゃん。恨みがあってやったわけじゃございません。
    逃げ出したいばかり、怖くてやってしまったのです。
    ほんとうに悪いことをしました。」と叫んだ。
    犯人を引き起こし立ち去っていく巡査に涙があった。
    そして、あたりにいた多くの人々がすすり泣いていた。

    その場に立ち会わせたラフカディオ・ハーン(小泉八雲)は
    この様子を見、心から驚き、感動した。
    彼は当初、群衆が怒り狂って罵詈雑言を発するさまを想像していたのである。
    明治26年のことです。
    ※ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)「停車場で」より

    当時、日本国民は本当に貧しかった。
    貧しく、ひもじいがゆえに、こらえきれず悪の道に踏み込んだ人もあった。
    犯人のおかれた境遇が、心情が当時の人々の心に、すうーと入ったのである。
    まさに「罪を憎んで人を憎まず」という言葉がそのままに受け入れられた時代だった。


    さて、こうした事が現代の日本にあったらどうでしょうか?
    マスコミが騒ぎ立て、群衆は騒然とするのではー
    今の日本人には何か大切なものを
    忘れてしまったような気がするのは私だけでしょうか?

  • 小泉八雲の魅力と日本の魅力。日本の文化はこんなにも素晴らしい。

  • 244-2 平井呈一訳

  • まだ途中までしか読破していません!

  • ラフカディオ・ハーンは日本人以上に日本人の事を理解している、日本を愛しているという事が文章から滲み出ています。日本、そして日本人というのは素敵だなと思える作品。

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著者プロフィール

1850年、ギリシャに生まれる。1890年に来日、1896年に日本に帰化し小泉八雲と名のる。1904年没。
『知られぬ日本の面影』『怪談』など、日本関係の著作は十数冊にのぼり、今も多くの人の心をひきつけてやまない。

「2017年 『復刻版 ラフカディオ・ハーンのクレオール料理読本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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