ドリアン・グレイの肖像 (岩波文庫 赤 245-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (509ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003224595

作品紹介・あらすじ

19世紀末,ロンドン.画家のモデルをつとめるドリアンは,若さと美貌を映した自らの肖像画を見て,自分自身はいつまでも若々しく,年をとるのは絵のほうであってほしいと願う――.快楽に耽り悪行に手を染めながらも若さを保ちつづけるドリアンと,かれの魂そのままに次第に恐ろしい醜悪な姿に変貌する肖像画との対比を描く.新訳.

感想・レビュー・書評

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  • オチは聞いたことがあるから、なかなかちゃんと読もうという気持ちになれなかった作品。
    のめり込めるまでちょっと時間かかったかな。
    時代背景の理解も難しいし、いちいちまどろっこしい言い方で表現してるところがしんどいかも。
    本当に後半になってからおもしろかったかな。
    少し予想外の展開が待っていたのでそれはよきよきでした。
    全部で20章あって、中でも11章目は飛ばしました!
    お話の本題から脱線していたような??

    女性は支配されるのが好きとか、当時の人は思ってたんだって、クズ男なヘンリーが言うことに毎回ドン引きしてました。
    モデルのドリアンと画家のバジルはまともな感じ。
    ドリアンは推し活してるところは可愛かったな。
    小さな劇場でまだ名前も売れていない女の子に恋をして、毎回その子が出る劇を見に行って。

    この作品は当時の人たちを騒がせて、著者の作品を「不潔」とか言ったり道徳から逸れた価値観って批判を受けたらしい。

  • 少し残酷、でも芸術的で美しい物語。ワイルドの天才さがわかる物語だと思う。若さと容姿の美しさに囚われている人は、この本を読むことをおすすめする。映画も観たいのだ。

  • ドリアンは本来無意識的に持っていたナルシスの前段階ほどの自己愛をヘンリー卿に植え付けられた知性によって老いていく自分と綺麗なままの肖像画が逆ならいいのにと考え事をはじめ、無垢の美しさを失ったのだと感じた。
    サブカルチャーが台頭してきたここ30年、この作品が『古典』と呼ばれるからこそ現代の強いルッキズム思想を持つ若者は読むべき。

  • ワイルドの物語は、コインの表と裏、紙の表と裏、その間にある僅かな厚み…その「奥行き」を表そうとしているように思える。何度でも読み返して伏線を見つけたいと思える作品。

  • あまりにも内容が濃過ぎて すぐには咀嚼できない。
    読んでいると、色彩や音楽や素材を感じる作品でした。思いの外 骨太…

  • Oscar Wilde(1854-1900)

    アイルランド出身でダブリンのトリニティカレッジをへてオックスフォード大学に学び、在学中からその才能は大衆から人気を集めた。卒業後はロンドン社交界で唯美派のスターとしてもてはやされた。時代の因襲と社会常識を逆撫でするような生き方を続けた。

  • 良い本を読んだ。
    変わらない美貌とは裏腹に、醜く老いる肖像画。表面上の永遠の若さと美貌と、魂の変貌を肖像画というモチーフで不気味に生き生きと描写する。

    最初がお説教のように古い警句だらけで飽き飽きと読んでいたけど、肖像画が現れてから本から手を離せなかった。秘密を一度隠してしまうと、その罪悪感と猜疑心でますます醜くなる。このままでは必ず報いがある、隠し通せないという恐れと美しさへの魅力の相反する感情に、驚きの幕切れ。
    ドリアンも結局は犠牲者だったのかもしれない。

  • 無益なものを作っても許されるのは作った本人が作品を心から称賛できる場合だけ
    芸術とはみな極めて役に立たないものである

  • 言わずと知れた耽美主義の代表といえる作品。情景描写がとても美しく、古い絵画を見ているかのよう。
    主人公の自らの愚かさによってどんどん自分の生きていく居場所をなくしていく、その恐怖感をひしひしと感じた。

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著者プロフィール

1854年アイルランド・ダブリンに生まれる。19世記末の耽美主義文学の代表的存在。詩人・小説家・劇作家として多彩な文筆活動で名声を得る。講演の名手としても知られ、社交界の花形であった。小説に『ドリアン=グレーの肖像』戯曲に『サロメ』『ウィンダミア卿夫人の扇』回想記に『獄中記』などがある。1900年没。

「2022年 『オスカー・ワイルド ショートセレクション 幸せな王子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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