世界の十大小説 上 (岩波文庫 赤254-4)

  • 岩波書店 (1997年10月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784003225448

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

小説の楽しさや魅力について深く考えさせられる一冊で、著者が選んだ10作品とその作者にまつわるエピソードが綴られています。特にモームの「小説は楽しいものでなければならない」という主張には、多くの読者が共...

感想・レビュー・書評

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  •  スパイが綴った読書エッセイです★
    『世界の十大小説』(1954)とは、パリに生まれながらもイギリスの文学者となり、秘密諜報員でもあった事実が発覚済の、サマセット・モーム氏の作です。と言っても、特に諜報員らしい内容ではないのですが……。
     文学者モーム氏ならではの基準によって、じっくりと一篇ずつ、ときにユーモアも交えながらの、文学案内書。作品の紹介はもちろん、作家の特徴も親切に、解説が施されています☆

    <サマセット・モームが選んだ世界十大小説>

    ・フィールディング『トム・ジョーンズ』/イギリス
    ・オースティン『高慢と偏見』/イギリス
    ・スタンダール『赤と黒』/フランス
    ・バルザック『ゴリオ爺さん』/フランス
    ・ディケンズ『デイヴィッド・コパフィールド』/イギリス
    ・フローベール『ボヴァリー夫人』/フランス
    ・メルヴィル『白鯨』/アメリカ
    ・E・ブロンテ『嵐が丘』/イギリス
    ・ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』/ロシア
    ・トルストイ『戦争と平和』/ロシア

     岩波文庫では上下巻、5編ずつ掲載。
     南米文学が一冊もなく、限られた世界になってしまったのは残念な気がする……★
     ただし、作品のリストアップは、アメリカの雑誌社が行ったらしいのです。本書誕生の時代や背景をかんがみて、寛容に捉えたいところ。結果的には、日本人の読書好きの間でも長らく愛される名著が多く入っていると思います。

     本書でモーム氏は「すぐれた文学とはいかなるものか」をひっじょうに大真面目に規定していて、強烈な独断、癖、バイアスにこそ引きこまれます★(というか、独断と偏見が一つもない読み物は、どこかつまらないのかもしれません)
     モーム氏は、痺れが走るような、ダイナミックな文学が好みだったようです。

     たとえて書けば、窓から見た空だったとしても精密な天体観測をしたように。サマセット・モーム氏が読み取った名著の法則は、条件付ながら信頼できると思います✧


    ▼下巻
    https://booklog.jp/users/kotanirico/archives/1/4003225457

  • 下巻の『嵐が丘』の章が読みたくて入手したので、上巻は第1章「小説とは何か」のみ。

    モーム先生の「小説とはこうであらねば」論が、現代だと素朴な意見なのかもしれないけれどすっきりと断固としていてよかった。「つまらないところは飛ばしていい」は新鮮。現代はつまらなかったり不快だったりする描写を意図的に重ねる小説があるけれど、モームが生きていたらなんと言っただろうか。

    いわゆるアート作品と同じで、現代の小説は居心地が悪かったり気持ち悪かったりをわざと演出するものもある。でも、個人的にはなんといってもおもしろくてページを繰るのがとまらない小説が読みたいのよね。自分の立ち位置を再確認した。

    上巻で取り上げられている作品は以下のとおり。

    フィールディング:トム・ジョーンズ
    オースティン:高慢と偏見
    スタンダール:赤と黒
    バルザック:ゴリオ爺さん
    ディケンズ:デイヴィッド・コパーフィールド

  • 図書館で借りた。
    イギリスの小説家W.S.モームが選んだ10の小説を、作者がどんな人生を歩んだかのバックグラウンドを語りつつ、作品を評していくもの。それぞれの小説に興味をそそるつくりとなっている。
    タイトルは十大小説であるが、モームが選んだ「小説ベスト10」という意味ではないことに注意だ。原題は「Ten Novels and Their Authors」であくまで10作品とその作者を語った、というテイストだ。
    上巻は『トム・ジョーンズ』『高慢と偏見』『赤と黒』『ゴリオ爺さん』『デイヴィッド・コパーフィールド』が収録されている。

  • 大変な良著。現在絶版で入手がやや困難なのが勿体ない。願わくば、高校生の頃に読みたかったと思うような種類の本。「小説はとにかく楽しいものでなければならない」とするモームの主張に私も完全に首肯するのだけれど、その他にも端々に「その通り!!」と言いたくなるような言葉が溢れていてとても小気味良い。例えば、

    「『戦争と平和』とか『カラマーゾフの兄弟』とかがそうであるが、これら偉大な作品は、元気な時に細心の注意を払って読むのでなければ、何の利益も得ることができない。ところが、オースティンの小説となると、どんなに疲れて意気のあがらぬ時に読んでも、かならず読む者の心を魅了してくれるのである。」

    など、まさにオースティンの小説の真価を端的に表現しており、読みながらそうそう、と何度も頷いてしまった。上巻は他にもスタンダールのヤバさやバルザックの金銭的だらしなさなどなど読み応えがあった。下巻も楽しみ。

  • 邦題は超傑作小説の紹介本のような印象を与えるが、原題はThe Novels and their Authors。その作家についてのモーム風の評伝が中心。その作家の人となりが手に取るようにわかる。
    スタンダールとバルザックの章がめっぽうおもしろい。前者の章は、イギリスの一青年がパリでスタンダールその人に遭遇するという「架空の」エピソードで始まる。そしてスタンダールの処世術と恋愛遍歴が述べられる。後者の章は、冒頭にバルザックの作品論、そしてバルザックの日常がどんなものであったか、成功後はどのようにお金を蕩尽したかを臨場感あふれる表現で教えてくれる。もちろん邦題の通り、章の最後では『赤と黒』や『ゴリオ爺さん』の魅力が熱く語られる。
    ただの評伝集ではない。メリハリのきいた文章。時にピリリと山椒のように辛く、時に温かさもある。モーム自身の小説のようにおもしろい。いやそれ以上かも。

  • 三葛館一般 901.3||MA||1

    和医大図書館ではココ→http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=52047

  • 文豪サマセット・モームが選んだ世界の十大小説。上巻ではフィールディング、オースティン、スタンダール、バルザック、ディケンズの著作を紹介している。
    但し、上巻で最も読むべきなのは『Ⅰ 小説とは何か』ではなかろうか。同じようなことを言った人物は大勢いるが、こちらも上手く纏められている。

  •  精神に不朽の支柱を立てたい人のためのブックガイド、その1。

     というかモームだのトルストイだの以前に、この『世界の十大小説』という、あざとくも卑怯すぎる邦題をつけた人を尊敬せずにはいられませんな。
     原題(Ten Novels and Their Authors)直訳のタイトルだったらきっと、売り上げも激減だし、この本の存在感自体がまったく変わっていたはず。

  • 文学は読みたくなければよまなくてよい。

  • 小説とは、不完全なものだ。けれど、小説を読むのは、やっぱり楽しい。

    詳しい感想は下巻にて。

  •  
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4003225449
    ── モーム/西川 正身・訳《世界の十大小説 (上) 19581117-19971016 岩波文庫》
     
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4003225457
    ── モーム/西川 正身・訳《世界の十大小説 (下) 19600418-19971016 岩波文庫》
     
     Maugham, William Somerset 18740125 England 19651216 91 /Paris-Nice
    ── Maugham《Ten Novels And Their Authors, 1954‥‥ America》
    http://oshiete.goo.ne.jp/qa/4742123.html(No.2 20090224 22:47:23)
     
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4003221117
    ── フィールディング/朱牟田 夏雄・訳《トム・ジョウンズ〈1〉19750616 岩波文庫》
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%A5%C8%A5%E0%A1%A6%A5%B8%A5%E7%A1%BC%A5%F3%A5%BA
     
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4003222210
    ── オースティン/富田 彬・訳《高慢と偏見 199407・・ 岩波文庫》
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%A5%AA%A1%BC%A5%B9%A5%C6%A5%A3%A5%F3
     
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4003252632
    ── スタンダール/桑原 武夫&生島 遼一・訳《赤と黒(上)19580625 岩波文庫》
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%C0%D6%A4%C8%B9%F5
     
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4003253086
    ── バルザック/高山 鉄男・訳《ゴリオ爺さん(上)19970916 岩波文庫》
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%A5%D0%A5%EB%A5%B6%A5%C3%A5%AF
     
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4003222814
    ── ディケンズ/石塚 裕子・訳《デイヴィッド・コパーフィールド〈1〉20020716 岩波文庫》
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%A5%C7%A5%A3%A5%B1%A5%F3%A5%BA
     
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4102085017
    ── フローベール/生島 遼一・訳《ボヴァリー夫人 199705‥ 新潮文庫》
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%A5%DC%A5%F4%A5%A1%A5%EA%A1%BC
     
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4003230817
    ── メルヴィル/八木 敏雄・訳《白鯨(上)20040819 岩波文庫》
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%C7%F2%B7%DF
     
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4003223314
    ── ブロンテ, E./河島 弘美・訳《嵐が丘(上)20040217 岩波書店》
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%CD%F2%A4%AC%B5%D6
     
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4003261496
    ── ドストエーフスキー/米川 正夫・訳《カラマーゾフの兄弟〈1〉19570205 岩波文庫》
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%A5%C9%A5%B9%A5%C8%A5%A8%A5%D5%A5%B9%A5%AD%A1%BC
     
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/400326181X
    ── トルストイ/藤沼 貴・訳《戦争と平和(1)20060117 岩波文庫》
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%A5%C8%A5%EB%A5%B9%A5%C8%A5%A4
     
    (20120612)(20170826)

  • 価値観てみんな違うっしょ。なのに10っこ小説選んで、誰もがうーんたしかにこれが10だ、ってのはどうしても納得せずにいれない!
    で、そんな選球眼を見せた人はこれらの小説をどう読んでるか。もついてくる。という醍醐味です。

    フィルター、選択するという行為はそれそのもの制作的な可能性を含んでて、複数を選び出すなかで描かれていく地図やイメージが、独特の雰囲気や風景日を作り出すのだ、という事実も教えてくれます。

    単語のレベルでなにかを選ばなくても例えば本の選び方でも、一種の作品を形成することはできるぜ。ってことですね。
    モームの小説作品はあんま好きじゃないですがこれはおもろい。

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