夫が多すぎて (岩波文庫)

著者 : モーム
制作 : W.Somerset Maugham  海保 眞夫 
  • 岩波書店 (2001年12月14日発売)
3.77
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  • 本棚登録 :78
  • レビュー :16
  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003225493

夫が多すぎて (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • ”これから一角獣が
    私をランチに連れてってくれるのよ。”

    女は強い!

  • 小説とは少し違った皮肉な味がある。

  • ○戦死した夫ウィリアム―その妻ヴィクトリア―新しい夫フレデリック(戦死した夫の親友)という三角関係を面白おかしく描き出した物語です。ドロドロした雰囲気はありませんが、身勝手な女性、自己犠牲を美徳とする精神、当時の離婚制度などなどに対する皮肉をたっぷり込めた描写に面白さがあります。

    ○ヴィクトリアは自分を「忍耐の権化」といっているけれど、読み進めると全くそうではないことが分かります。とりわけ滑稽だと思ったのは、二人の夫が美しい自己犠牲(という名の面倒な妻の押し付け合い)をみせ、それをヴィクトリアが美しい魂だなんだといって称賛するところです。召使は逃げるし、よほどわがままだったのでしょうか、美女のヴィクトリアさん。

    ○結局、ヴィクトリアは金持ちの成金と結婚するために「はじめてのお願い」とやらで強引に二人の夫との離婚しようと弁護士を雇います。そんななかでも、彼女が本当に自分を忍耐の権化だと思っている描写がちらほら。そんな彼女に対する作者の答えは、「女に関してとやかくいうのと同じで、まったくむだ(p. 137)」というものだと思います。自分を正当化するのがとってもお上手。

    ○夫から離婚を求めるには姦通を証明すればよいのに、妻からだと姦通・暴力行為か同居拒否を示さなくてはいけないという離婚制度。ヴィクトリアの雇った弁護士は離婚制度についてこう説明します。あえて不条理な法律を作ることで法律違反を促し、法律家の仕事を確保しているのだと。これは作者の痛烈な批判ではないかと思います。

    ○皮肉の効いた書きかた、ぼくはとても気に入りました。たとえば、姦通を立証するために雇われたモンモランシーという女性の登場シーンなども好きですね。気高き精神を持つと解説された彼女があれでは。作者は「気高き精神」という言葉が嫌いだったのだろうなと考えたりしました(以上は書き殴り、全然まとまってない!)。

  • 1919年、第一次大戦終戦直後にイギリスで人気を博した笑劇。結婚生活や離婚制度を皮肉っている。20世紀の人には面白かっただろうな。

  • 皮肉の効いた作品はイギリス人にお任せあれ。モームはその点変人だが、すぐれた小説や戯曲を書く人物だ。女性や結婚に対する皮肉の効いた話だが、いかにも女性嫌いのモームらしい。とはいえ、久しぶりに笑える本を読んだ。

  • 最近もっともと言っても良いくらい大好きなモーム!

    今回は劇作。

    夫が戦死した報せを受けた女性は、
    夫の親友と再婚。

    そこへ最初の夫が思いがけず帰ってくる…

    戦争にまつわるお話で、
    三角関係(実は四角!)の結末が
    ハッピーエンドってすごいなあ。

    ヴィクトリアは大変な美女、でも
    思いっきり我儘!そしてその自覚がない!

    娘大好きなヴィクトリアのお母さんも愉快。

    そして二人の夫の言動が…。

    端役のマニキュア師(今風に言うとネイリスト)ミス・デニス、
    料理人の面接に来たボグスン夫人、
    上手く離婚できるように弁護士が考えた筋立て、
    その役を演じるミス・モンモランシー!

    第一次世界大戦直後に上演され、
    ロンドン、ニューヨークで大当たりしたそう。

    そんなときにこんな感じの「不謹慎」な劇!
    実際演劇で観たらもっともっと面白いだろうなあ。

  • 小説のモームとは違ったおもしろさがあった。
    戯曲はほとんどシェイクスピアしか読んだことなかったので新鮮。

    気の利いたセリフ回しが楽しい。

    こういう形の親友もおもしろいな、と男二人を見て思った。

  • 戦死したと思っていた夫が帰ってきたが、妻は既に夫の友人と再婚していた。が、妻の取り合いになるのではなく、押し付け合いになるのが面白い。自己犠牲を装って、自由になろうとする男達がもう…バカバカしく、涙ぐましく、笑える。しかも、結末がね!!
    ジャック・レモンとか松たか子で舞台化もしたとか…セリフで聞いたら、もっと笑えるかも。

  • 舞台で観たとき台詞がおしゃれだなと思って、改めて読んでみました。
    しかし、あれ?
    松たか子さんや皆さんを通して聞いたからグッときたのかな。

  •  実は、私にとってモームとは、扱いに困る作家である。すぐれた作家だと言われているし、実際そうなのだろうとも思うのだが、正直読んでもあんまり面白いと思わないのである。しかもこれは戯曲である。戯曲の台本だけ読んでも、面白さというのはなかなか伝わらないものだろう。という訳で……あんまり期待しないで読んだ。「だが予想を裏切って面白かった!」と続けられればいいのだが……まぁ予想通りだった。ただ、私の好みではないというだけの話で、たぶん面白い戯曲なのだろうな、とは思う。
     夫が戦死した美女が、彼の親友を再婚して生活していると、そこへ死んだはずの夫が思いがけず帰ってくる、という話。が、これは悲劇ではなくて、美人だがわがままな妻に、実は二人とも辟易していて、互いに「彼女の真実の夫は君だ!」と押しつけ合う話である。あげくに彼女は、大金持ちで彼女に惚れ込んでいる男とさっさと結婚してしまい、何と強引にハッピーエンドになるのだ。
     これ、妻の役を沢口靖子がやったら、今の日本でヒットするかも知れないなぁ……とか思っていたら、松たか子の主演で実際に上演されていたようだ。ヒットしたのかな。

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