キーツ詩集(対訳) イギリス詩人選 10 (岩波文庫 赤265-2)
- 岩波書店 (2005年3月16日発売)
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感想 : 9件
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Amazon.co.jp ・本 (300ページ) / ISBN・EAN: 9784003226520
みんなの感想まとめ
独自の美意識を持つイギリスのロマン派詩人の詩集には、短いながらも深い充実感が詰まっています。特に「美しきものはとこしえに歓びである」といった言葉が示すように、キーツの詩は美しさとその儚さをテーマにして...
感想・レビュー・書評
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宮崎雄行訳「キーツ詩集」を読んだ。わずか225ページ、全31作品を扱うだけの短い本だが、とても充実した詩集だったと思う。
「美しきものはとこしえに歓びである」や「美は実相、実相は美」など独自の美意識で知られるキーツ。彼は主に19世紀前半に活躍したイギリスのロマン派詩人で、同時期の著名な詩人にバイロンやシェリーが挙げられる。
「ギリシャの壺のオード」や「エンディミオン」、短編の「秋に」などの傑作を残し、その名声が広がるよりも先に結核に倒れ、25才の生涯に幕を閉じる。彼の墓石に刻まれた"Here lies one whose name was writ in water"(水に名前を書かれし者、ここに眠る)という一文はあまりにも有名である。
そんな不憫でありながら気高いキーツの詩を収集して和訳したものが本書である。先に挙げた「ギリシャの壺のオード」など有名な作品はもちろん、「きりぎりすとこおろぎ」「私が恐れたとき」など若干奥まった作品も収録されている。
読んでみて思ったことがある。キーツの詩は美しい。宮崎氏の訳文も美しい。しかし何を言っても読みにくい。和訳は全体的に古文調で綴られ、「荒寥(ひどく荒れ果てること)」「幻杳(ほのかな幻)」「広袤(東西南北の土地の広がり)」など見慣れない語彙も散見される。その独特な日本語に見慣れないうちは、この訳文のまどろっこしさに苦慮することだろう。
いつか読んでみたいと願っていたキーツの詩集を読むことができて、秋空のような満足感がある。機会があれば別の詩人や、キーツの他の作品にも触れてみたいと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
Here lies one whose name was writ in water. 空虚なようで忘れがたい墓碑銘はさすがというべき詩人の面魂。
ギリシャ壺とナイチンゲール以外はつい見落としがちだが、夭逝した才人の遺した作品には、血の一滴一滴のように凝縮されたエッセンスが。 -
25才という若さで夭折したせいか、同時代のバイロンやシェリ-に比べて、どうも影が薄い感じのキーツ。たぶん文庫で読める詩集はこの岩波版だけかと思われます。英文の原詩つきなので、英語がわからなくても単語の雰囲気だけで、なんとなく翻訳と原文を比較してみると、やっぱり原文のほうが圧倒的に美しいんだろうなという印象。当然だけど、韻を踏んである部分とか、翻訳だとわからないですもんね。
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眼をつぶるとハムステッドのパノラマビューが眼に浮かぶ。行ったことないけど。今月のナイトキャップ本。
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未読
