20世紀イギリス短篇選 下 (岩波文庫 赤 270-2)

著者 :
  • 岩波書店
3.39
  • (3)
  • (5)
  • (13)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 91
感想 : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003227022

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 短編集で当たりを引いた時には
    美味しい焼き菓子の詰め合わせの箱を
    独り占めで貰ったくらい嬉しいもの、

    そしてそれがアンソロジーなんかであった場合は、
    さらにとってもトクした気分になり、
    ホクホクの心となる。

    なぜ、上下巻あるもののいきなり下巻からの紹介か?と言うと、
    BBの本屋さんで立ち読みしたとき
    下巻の方がともかく面白さで私を惹きつけた、為!

    以前の私なら律儀に我慢して(?)上巻から読んでいたでしょうが、
    最近は真面目を装った良い子ぶりっ子はやめました。
    (でも上巻ももちろんお家に来てもらい、今読んでおります)

    アンソロジーやミステリーを読むときの教訓(あるある)としては
    絶対に後書きを読んではいけない!
    (結構ネタバレしているのです。
    でもいけないと思いながら見たくなる、けれど、見ない!)

    「レディだけの旅」
    恵まれているようにみえて、実はそれぞれみな真剣に悩んだり、
    なんとか自分なりに幸せをつかもうともがいている感じが絶妙。
    女同士の友情を描いたものって、
    いやにハラハラさせたり、悲しい気持ちになったりするものが
    私にとっては多いけれど、この作品には非常に感情移入する部分があった。
    思わず(至極真面目なシーンだけれど)吹き出しそうになったり…。

    「蠅取紙」
    日常の中に潜む怖いことは、やっぱり女の人が書く方が
    よっぽど現実味があって、恐ろしい!

    「欠損家庭」
    ある大義名分のもと、
    強引に実は自分が気の済むようにやっているだけなのに、
    それに賛同しない人を糾弾するような、
    こういう事がこの世には本当に多くあって、
    私も悩むことが多い。
    (意外に少数派にまわることが多いの)

    この主人公のミセス・マルビーに同情して
    会社帰り電車内で読んでいて体がどんどん硬くなって、
    頭が痛くなってきてしまったくらい!

    大人になると自由も得るけれど色々選択したり
    断ったり、自分で判断しなければならない責任も発生する。
    結局まわりの人も周りの人なりにしか気遣ってくれないから
    自分で頑張るしかないのだけれど…
    め、め、め、面倒くさいですねえ~。

    と、いう訳で…
    「物語」と言うもののもつ力を再認識、
    本当に素晴らしい読書体験でした。

    M上H樹とか言う人がいつか、
    「寅さんみたいな人が親戚にいなくなった今、
    ともかくあらゆる本をたくさん読まなければいけない」と言っていて
    その時は「ほ~」と思っただけ、だったけど、
    今、だんだんなんとなく意味が分かってきた気が…。

  • エリザベス・テーラー 蠅取紙
    ジーン・リース あいつらのジャズ
    マーガレット・ドラブル  再会

  • 20世紀中盤のイギリス小説の短編集。このころになると他国から亡命した作家も登場する。基本的に読んでいて明るい気分にならない。池井戸潤のようには。よくも悪くもドンヨリした内容が多い。アウトサイダーの作家が階級社会の中で感じる日々の葛藤が文面の奥底にある。。。ような気がする。あくまで個人的主観であるが。

  • 英国短篇小説のアンソロジー、下巻。収録されているのは、エリザベス・テイラー、ミュリエル・スパーク、ドリス・レッシング、スーザン・ヒルなど。
    解説にもあるが、上巻に比べると女性作家の比率が高い。また、イーヴリン・ウォーは収録を見送られたそうだ……残念。
    上巻ではややホラータッチというか、英国らしい雰囲気の漂う怪談風の短篇が多かったが、下巻では身近なところに題材をとった、日常の一こまを描いたものが多いような感じる。
    ウィリアム・サンソム『届かない花束』は短いながらも切れ味は鋭い。また、エリザベス・テイラー『蠅取紙』は、ホラー風ではあるものの、現実的な脅威を描いた、こちらもオチの切れ味が鋭い短篇。

  • 「あいつらのジャズ」-理不尽なことに流されて吹っ切れる主人公。

    「レディだけの旅」-最後の「わたしたちだってみんな傷ついてるんじゃない?」「そういえばそうね。たしかにそうだわ」の会話が印象的。

    「蝿取紙」-ホラーチック、こういう小説も文学なんだな、と思った。

    「欠損家族」-☆4

    「別れられる日」-最後まで自分はやればできると思い続けた人の話。

  • 270-1 小野寺健編訳 2008年12月20日

全9件中 1 - 9件を表示

著者プロフィール

1931年横浜生まれ。翻訳家・横浜市立大学名誉教授。おもな訳書に、ドラブル『碾臼』、ロレンス『息子と恋人』、ブルックナー『秋のホテル』、『オーウェル評論集』など多数。2018年没。

「2022年 『インドへの道』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小野寺健の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×