大転落 (岩波文庫)

制作 : 富山 太佳夫 
  • 岩波書店
3.67
  • (5)
  • (11)
  • (13)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 100
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003227718

作品紹介・あらすじ

「あなたも学校の先生におなりで。素行不良で退学の学生さんは大半がそうですから」。学友の乱痴気パーティに巻きこまれ、あげくに放校処分をくらってしまったポール・ペニーフェザー君。わけ知り顔の門番の言葉におくられ、教職斡旋所の門をくぐるが…。かくして我らが主人公の多事多難な人生航路が始まる。絶妙のユーモア小説。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 楽しいー!英国ユーモア文学の血が脈々と流れる、ポール・ペニーフェザー青年の受難の記。とばっちりでオクスフォードを退学になるところから始まり、人外魔境の如き寄宿学校に就職すれば狂った教師や保護者に振り回され、大金持ちの未亡人と婚約したかと思えば急転直下。力は無くとも終始鷹揚なペニーフェザーくんと、やりすぎないドタバタぶりが心地よい。建築家オットー・ジレーヌスがまた傑作。人を食ったような口調でなかなか含蓄のある助言をペニーフェザーくんに与えてくれる。

    1928年刊の、イーヴリン・ウォーの処女作。吉田健一によれば、19世紀英国を支えた近代的秩序が大戦で崩壊し、この戦間期に新進作家がスタイルを求めるなら旧社会を諷刺するしかなかった、という時代である。しかし出鱈目なパブリック・スクールもまるきり信用ならない上流階級の人間も痛烈に暴かれているようでいて、筆致はどこまでも清新さを失わない。デビュー作たる所以だろう。

  • お話は面白かったが、翻訳(富山太佳夫 訳)がいただけない。

  • 実写化すると意外と面白いのではないかと思った。
    淡々と目の前の事象を受け入れるペニフェザーくんは大物なのか何なのか。

  • 登場人物が皆、ボケっぱなしでツッコミがないから読むのに疲れた(笑

    勝手な想像だけど、物語の中盤以降、作者は書くのに飽きたんじゃなかろうか?なんとなく。

    会話がいちいち面白いので、暫くしたら再読したい。或いは福武書店版の「ポール・ペニフェザーの冒険」を読みたい。

  • ポール・ペニフェザー の冒険という題名で、違う訳者の作品も出版されているらしい。ペニフェザー君良かったです。なかなか読みづらいけどポールくんのどんな目にあっても、飄々としてる感じがいかしていました。

  •  あっけらかんとした、上品な風刺とユーモアが見事にキマるイーヴリン・ウォーの処女作。まあくだらないお話なんですが、最後の最後、オットー・ジレーヌス教授というぶっ飛んだ天才が語る人生訓は見事。

  • なぜ、こんな楽しい本が絶版なの? 再版の期待を込めてリスト入り。

全7件中 1 - 7件を表示

著者プロフィール

1903-1966年。ロンドン郊外のハムステッドに生まれる。オックスフォード大学では放蕩生活を送りながら学内文芸誌に関わる。大学中退後、画家を志すも断念。パブリック・スクール進学予備校の教師となる。22歳の時、自殺未遂。1928年、教師時代の体験を基にした『衰亡記』を発表。『卑しい肉体』(1930)では第一次大戦後の「陽気な若者たち」を取り上げ注目される。同年、カトリックに改宗。『黒いいたずら』(32)、『一握の塵』(34)、『スクープ』(38)など、辛辣な諷刺とユーモアに溢れた作品で人気を博す。作風を一変、貴族の生活を描いた『ブライズヘッド再訪』(45)はアメリカでベストセラーになる。戦後の代表作に第二次大戦を描いた『戦士』『士官と紳士』『無条件降伏』の『名誉の剣』三部作(52-61。合本改訂版、65)がある。

「2016年 『イーヴリン・ウォー傑作短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

イーヴリン・ウォーの作品

大転落 (岩波文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする